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2024.02.09
相談員ブログ

気管切開について

【気管切開とは】
気管切開とは、空気を肺に送ったり、痰を吸引しやすくするために、喉から気管までを切開する気道確保方法です。
気管切開を行った時に、孔が塞がらないように気管カニューレという管を挿入します。
気管カニューレは気道を確保して、必要な場合は人工呼吸器と接続することができます。
気管カニューレは汚染してくるので、2週間に1回程度の交換が必要で、交換は医師や看護師による医療処置となります。
気管切開をしている方は呼吸器系の疾患を持った方が多いため、受け入れ可能な老人ホームはかなり限られています。

【気管切開をする人は】
気道が閉塞しやすかったり、呼吸がしにくくなっている人、脳梗塞や神経系の病気などにより長期的に人工呼吸器が必要な人、癌で喉の一部を切除した人が気管切開にすることがあります。
気管切開することで、挿管チューブが無くても人工呼吸器の装着が可能になります。
また、鼻や口を使わなくても呼吸ができることや、唾液が気管に流れ込むのを防ぐことができるのです。

【気管切開のメリットとデメリット】
[メリット]
・呼吸が楽になり、窒息のリスクが軽減される
カニューレの挿入により、安定して気道を確保できて、呼吸が楽に行えます。
・チューブが煩わしくならない
呼吸を確保するために、口や鼻からチューブを入れる気管内挿管は、チューブを抜去してしまうことがあり、活動が制限されてしまいます。
気管切開だと、その煩わしさがありません。
・食事がしやすい
嚥下機能に問題が無ければ、食事を口からすることが可能です。
・痰吸引がしやすい
痰吸引を口や鼻からチューブを入れて行うには、本人に苦痛を伴います。
気管切開だと苦痛軽減にもなり、時間短縮にもなります。
[デメリット]
・感染症のリスクがある
気管切開によってあいた孔から細菌が入る可能性があるので、創部周囲の管理が大切です。
・気管孔から、ほこりや菌が体内に入る可能性がある。
・呼吸で吸い込む空気の湿度や温度を維持できない。
・そのままでは発声が困難。
・気胸や肺炎などの合併症のリスクがある。
・見た目が気になる。

【気管切開にまつわるエトセトラ】
・カフ付きカニューレ
カフとはカニューレの先端近くにある風船のことです。
カフを膨らませることで気管とカニューレの隙間がなくなり、誤嚥を防いだり、空気の漏れを防ぎます。
カニューレを固定するためにカフを膨らませますが、膨らませすぎると気管を圧迫して血流障害を起こすこともあります。
また、カフに入れた空気量が時間経過で減少することもあるので、定期的な確認が必要です。
・スピーチカニューレ
嚥下能力が維持されている場合は、声を出すことができるスピーチカニューレを使うこともあります。
声を出すためのバルブがカニューレに付いていて、空気を吐き出すときにこのバルブを経由して声門に空気が通り、発声することができるのです。
・永久気管孔
気管切開は、閉じることができる状態であれば、通常の気管や食道機能が取り戻せます。
対して永久気管孔は、喉頭癌などで咽頭前部を摘出し分断された気管の開口部として、生涯にわたって閉鎖しない空気の通り道となっています。
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