1. 老人ホーム相談プラザトップ
  2. お知らせ
  3. 誤嚥性肺炎について
2024.02.29
相談員ブログ

誤嚥性肺炎について

【誤嚥性肺炎とは】
肺炎で亡くなる方は年々増加していて、日本人の死因の第6位となっていますが、他の病気に誤嚥性肺炎を併発して亡くなっている方も多いのです。
誤嚥性肺炎で亡くなる方は4万人を超え(2019年)、その9割を65歳以上の高齢者が占めています。
誤嚥性肺炎とは、食べ物や飲み物、あるいは唾液が食道ではなく気道に入ってしまい、肺に細菌やウイルスが侵入することで炎症を起こしてしまう病気です。
嚥下に重要な役割を果たす舌の筋肉は、75歳を超えた頃から急激に低下していきます。
他にも脳血管障害、パーキンソン病、認知機能低下、神経疾患(喉の神経や筋肉が正常に働かない)なども嚥下機能を低下させる要因になっています。

【誤嚥性肺炎の原因】
加齢によって下記のような理由から、誤嚥しやすくなると考えられています。
・嚥下障害
充分に食べ物を咀嚼できなかったり、口・舌・喉の筋力が低下していたり、唾液の出る量が減少していることが影響しています。
・咳こむ反射が低下
誤嚥が起こると反射的に咳をして、気管に入った物を口に戻しますが、高齢者は咳こむ反射の能力が低下しています。
・口腔ケアが怠りがちになることからの影響
歯の不具合や歯磨きなど、口の中の手入れが十分に行き届いていないことで、口内細菌が増加しやすくなります。
・体力や抵抗力の低下
高齢者や疾患がある人は、体力や抵抗力が低下していることが多く、誤嚥性肺炎を起こしやすくなっています。

【誤嚥性肺炎のあらわれ方】
症状としては風邪と似ているので、判断ミスをしてしまうこともあります。
一方、高齢者は肺炎としての典型的な特徴である、発熱、咳、痰といった症状が乏しい場合もあります。
なんとなく元気が無かったり、食欲が減退したり、呼吸が浅く速かったり、倦怠感をあらわしていることがあります。
睡眠中など、知らないうちに気管や肺に唾液が流れ込んで、いつの間にか誤嚥を繰り返している「不顕性誤嚥」も、高齢者に特徴的です。
本人が体調の変化に気づいていないこともあるので、周りの人がいつもと違うことを見逃さないようにしましょう。
身体や呼吸の状態が不良な場合には入院治療となります。
経口摂取による誤嚥が発生しやすくなっているため、飲食を停止し人工栄養での対応となります。
再発を繰り返しやすくなっているので、そのまま人工栄養を持続しての退院となってしまうこともあります。

【誤嚥性肺炎の予防】
誤嚥性肺炎に対して、日常生活においては予防のために下記のような対策を取ります。
・口腔ケア
歯磨きに加え、舌磨きをすることで細菌の繁殖を防ぎます。入れ歯の掃除やうがいも心掛けましょう。
・食べる姿勢を整える
顎を引き、椅子に深く腰掛け、かかとを床につけ、食べることに集中します。
・食べ方の工夫
食前に水分を取り、喉の通りを良くし、一口で食べる量を少なくして、ゆっくり食べます。
・食べ物を飲み込みやすくする
とろみをつけたり、飲み込みやすい形状にします。
・胃液の逆流を防ぐ
食後2時間は横にならないようにしましょう
・飲み込む力をつける運動をする
口・舌・喉を動かし、筋力をつけることに加え、唾液を出しやすい口内環境を整えましょう。
  1. 老人ホーム相談プラザトップ
  2. お知らせ
  3. 誤嚥性肺炎について
お気軽に相談員にお尋ねください