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2024.05.14
相談員ブログ

言語聴覚士について

【言語聴覚士とは】
言語聴覚士は英語でSpeech Therapistと言い、略してSTと呼ばれています。
言語聴覚士は、言語障害、聴覚障害、嚥下障害に対する専門家で、「言語聴覚士法」に基づく国家資格です。
聞く、読む、話す、書くなどの言語コミュニケーションに障害を持つ人や、食べ物ののみ込みが困難な人などを対象に機能維持や向上を目的としたリハビリテーションを実施します。

【主な仕事内容】
言葉によるコミュニケーションには発声や、聴覚などの機能が関係していますが、病気や事故などでこのような機能が損なわれることがあります。
言語聴覚士は言葉によるコミュニケーションの問題を原因分析して、対処法を見出すための検査などを実施します。そして、必要に応じて訓練や指導、助言などの援助を行います。
また、医師や歯科医師の指示のもと、摂食・嚥下訓練や人工内耳の調整なども行います。

【対象者】
脳血管疾患、神経内科疾患、事故などにより、以下のような症状がある方を対象としてリハビリテーションを行っています。

・失語症
脳卒中や脳腫瘍、頭部外傷などで、脳に障害を負った方によく見られます。
身に付いているはずの、話す、聞く、読む、書くなどの言語機能が損なわれた状態です。

・構音障害
脳卒中やパーキンソン病など、発音をコントロールする神経の病気が原因で生じます。
言葉を理解していて伝えたいことも明確ですが、音を作る器官に問題があり、上手く発音できない状態です。 

・音声障害
喉頭炎や声帯萎縮など、声帯に何らかの病変ができることで生じます。
音質、声の高さや大きさなどの変化によりコミュニケーションを損ない、生活の質が低下した状態です。

・高次脳機能障害
事故や転倒などで脳外傷を受けたり、脳卒中などで生じます。
記憶障害、注意障害、遂行機能障害、失認、失行など様々な障害が起きますが、STは特に言語障害とコミュニケーション障害に関与します。

・嚥下障害
脳血管障害による麻痺や、神経・筋疾患、加齢による筋力の低下などが原因となって生じます。
水分や食べ物を口にした際にむせたり、こぼしたり、咀嚼やのみ込みがうまくいかない状態です。

【高齢者施設での言語聴覚士の役割】
1.嚥下訓練
嚥下訓練とは、嚥下摂食障害を持つ方に対して、嚥下機能の維持・改善を目的に行う機能訓練です。
嚥下摂食障害があると、誤嚥性肺炎が起こりやすくなり、窒息を起こす可能性もあるため、言語聴覚士による嚥下訓練は大切です。
むせこみや嚥下に問題がある方や、経口摂取が困難な方など、嚥下摂食障害に関して相談を受けたり、対処したりします。
食事介助の仕方やのみ込みに適した姿勢やポジショニング、口腔体操など、介護スタッフへの指導も行います。

2.言語障害のリハビリテーション
言語障害とは、うまく発音できない、声が出しにくいという障害から、話しが理解できないなど、コミュニケーション全体としての障害を言います。
言語障害がある方に対して、障害の程度を検査・観察して原因の究明を行います。そして、経過や状態を踏まえたうえで、発語や読み書きに対するリハビリテーションを実施します。
そして、介護スタッフへ、発声や発語の練習についても伝えます。

3.聴覚障害のリハビリテーション
音を聞く経路に何らかの障害が生じて、周囲の話し声や音が聞こえなくなったり、聞きづらくなった状態を聴覚障害と言います。
言語聴覚士は聴覚障害のある方に、その症状や程度を調べるために聴覚検査や機能評価、そしてリハビリテーションを実施します。
必要に応じて人工内耳後の訓練や、補聴器の調整を行うこともあります。

4.認知症のリハビリテーション
言語聴覚士が関わる認知症の分野には高次脳機能障害や、コミュニケーション障害などがもあり、それぞれの評価と訓練・指導と多岐に渡ります。
言語聴覚士は認知症の方へのコミュニケーションのサポートを行います。
認知症の方へのリハビリテーションは機能低下を遅らせ、生活の質を維持することが目的となります。

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