1. 老人ホーム相談プラザトップ
  2. 施設特別取材レポート
  3. スウェーデンのケアを取り入れた 「舞浜倶楽部・新浦安フォーラム」
2023年10月11日

スウェーデンのケアを取り入れた 「舞浜倶楽部・新浦安フォーラム」

株式会社舞浜倶楽部は浦安市内に介護付有料老人ホームを2施設運営しています。
2021年には、大和証券グループの傘下に入っています。
舞浜倶楽部は「人格の尊厳」介護が必要になっても、認知症になっても、ご利用者のQOL(Quality of Life生活の質)を守ることを基本理念としています。そして、「親孝行のお手伝い」ご本人とご家族を支え、温かな関係をお手伝いする。そんな思いを込めたスローガンを掲げています。
福祉先進国スウェーデンの福祉の理念や手法、技術などを取り入れ、日本の福祉と融合させた独自のケアを実践しており、認知症ケアにも力を入れています。
今回訪問したのは「舞浜倶楽部・新浦安フォーラム」。
新浦安駅から徒歩15分の立地で、境川のほとりに建ち、春には桜並木を楽しむことができます。
インタビューに応じてくれたのは、生活相談員の関春花さんです。

写真

タクティールケア、ブンネ・メソッドとは

それでは先ず、会社の理念からお聞かせください。

関さん:企業の基本理念として「人格の尊厳」を掲げています。
私たちは認知症の方の対応に力を注いでいますが、認知症になっても、介護状態が重度になってもQOL(Quality of Life生活の質)が守られるケアに努めています。
そして、ご入居者のみならず、ご家族のサポートにも取組んでいます。
ご家族の中には、毎日のように面会にこられたり、一緒に居室で食事をされる方もおられます。コロナ禍においても時間制限はしていましたが、ご入居者がご家族と過ごせる時間を大切にしてきました。
ご入居者を受け入れることは、そのご家族も一緒に受け入れることだと私たちは考えています。

舞浜倶楽部さんと言えば北欧のケアを取り入れているとの印象がありますが、具体的にはどのようなことがなされているのですか?

関さん:福祉先進国であるスウェーデンのケアからインスピレーションを得てケアに実践していまして、大きく二つの特徴的な取り組みをしてきています。
一つ目は「タクティールケア」です。手足や背中をやさしくなでるように触れることで「安心と信頼のホルモン」と呼ばれる「オキシトシン」が分泌され、 不安や興奮を抑え、痛みを緩和する効果があります。時間を決めて行うのではなく、その方のご状態に合わせて行っています。
例えば、不安をお持ちの方や寝つきの悪い方に施行すると、症状が緩和されていきます。

二つ目は何ですか?

関さん:二つ目は「ブンネ・メソッド」です。音楽ケアなのですが、誰でも簡単に弾くことができるブンネ楽器を用いておこないます。通常の音楽療法ですと、先生が楽器を弾き、皆さんが聞くとか歌うとかするのですが、ブンネはみんなで音楽を奏でる参加型なのです。
ブンネを弾くことで脳の機能の活性化にも繋がりますし、達成感や高揚感を得ることができます。
比較的アクティビティへの参加が消極的な男性ご入居者も、ブンネ・メソッドを行う時は意欲的に参加いただいているのです。とても良いコミュニケーションが生まれる場となります。
タクティールケアとブンネ・メソッドは講座を定期的に開いていて、内部の人間だけではなく、外部の方も受講されています。
実は私もブンネのインストラクターをしていて、舞浜倶楽部でのブンネセッションやブンネ・メソッドの指揮者コースの担当をしているのです。

ラウンジ・スペース
ラウンジ・スペース

舞浜倶楽部・新浦安フォーラムの取り組みについて

他にも独自の取り組みがありますか?

関さん:人員配置が1.5:1とかなり手厚く、それに加えて「コンタクトパーソン制」や「ユニットケア」を導入しています。
コンタクトパーソン制とは、ご入居者お一人おひとりに担当者がつき、ご本人やそのご家族とも密にコミュニケーションを取っています。ご入居者がどのような人生を歩んでこられたか伺って、その情報を他のスタッフとも共有しながら、どうしたらよりよい生活をここで送ることができるのか取組むのです。
コンタクトパーソンは身の回りのお世話や身体介護も含め、ご入居者が心穏やかに過ごせることをいつも心掛けているのです。

ユニットケアについてもお聞かせください。

関さん:ここは居室数76室で定員81名ですが、ユニット分けしていて、合わせて7ユニットに別れています。
ご入居者のご状態に合うユニットで生活して、コミュニケーションが取りやすい空間で個別ケアを行えるように配慮しています。
お食事やアクティビティはユニットごとにされていて、顔なじみの方同士で安心感があります。
過去にあった話ですが、人数の多いユニットに入居された方がなじめず不穏な状態だったので、小さなユニットに変更したら、落ち着かれたということもありました。

他にも取組みに力を入れていることがありますか?

関さん:看護師が24時間配置されていることに加え、「ひまわりクリニック」が併設されていて、夜間でも直ぐ連絡をとることができるのでとても安心です。普段からここの看護師とも常に医療連携が取れています。
そして、終末期ケアを手厚く提供していることもあり、多くの方を住み慣れた居室でお看取りをいたしております。
看取り期に離床することが難しくなってきても、寝たままタクティールケアをしたり、居室でブンネを奏でたりします。また、入浴はできなくとも、毎日清拭を行っています。
看取り期にはご家族が毎日のように面会に来られますが、遠方におられるご家族には、こちらのラインアカウントを利用して、毎日、写真や動画などでもご様子をお伝えしています。

ユニットリビング
ユニットリビング

舞浜倶楽部・新浦安フォーラムの魅力について

その外にもウリにしていることはありますか?

関さん:お食事はかなり力を入れています。
料理長が和食料理店で腕を振るっていた者で、こだわりが料理に詰まっています。
朝食は和食と洋食を交互にご提供しています。昼食は家庭的な料理が出ることもあります。夕食は和食が中心になっています。
食事は塩分控えめにしていてその分丁寧に出汁をとったり、栄養士がきめ細やかな食事サービスを提供しています。
食器にもこだわりを持っていて、器はあえて重ための陶器をお出ししているのですが、それは食器を持つこと自体がリハビリにつながるためなのです。
食器は食事に合わせて変えていますが、季節によっても変えていて、食事に彩りを添える工夫をしているのです。
もちろん、食事形態も様々対応できますが、治療食に関しては見た目にも気を付けています。例えば、お寿司の時は桶の中に、一つひとつのネタを綺麗な器に入れて、魚の名前を書いた札を立てて提供しています。
栄養士が食事の感想やご要望を直接ご入居者に伺っていますので、食事サービス課の職員もご入居者のご要望やご様子を把握しています。
また、食事と医療の連携も上手く取れているので、健康で長生きされる方も多いのですよ。

ハード面に関しても工夫されているそうですが、教えてください。

関さん:ユニットリビングの廊下は杉の板を3枚重ねて作られていて歩くと音が鳴るようにしていますが、足元から感覚を刺激するようにしているのです。
また、廊下の突き当りの壁だけ一面色を変えていて、認知症の方にもわかりやすいようにしているのです。
手すりを丸形ではなく平たくしているのは、握力が低下していることに考慮して、手を置いて体を支えられるようになっています。
居室に関してですが、床から天井まである大きな窓が設置されていて、車いすやベッド上でも外を眺められるようになっているのです。
ドアと居室の間には障子戸が備え付けてあり、プライバシーが確保されるよう配慮されています。

アクティビティについても教えてください。

関さん:コロナで控えていましたが、そろそろ外出レクも再開しようとしています。かつてはいちご狩りや博物館へのバスツアーを行ったり、ディズニーランドが近くなので一日中楽しまれることもありました。たまにジャンクフードを食べるのも喜ばれていましたね(笑)。
大教室は150名は入れるので、納涼祭やクリスマス会など大型イベントをご入居者全員で行えますし、外部から招いてコンサートを開くこともできるのです。
日常的なアクティビティとしては、体操が週4回、ブンネ・メソッドが週2回、月1回フラワーアレンジメントや習字教室が実施されています。

関さんが推すここのウリは何ですか?

関さん:ここで勤務しているスタッフです。
とても連携力があり、一人ひとりがご入居者のことをよく考えて行動しています。そしてご家族様とも良くコミュニケーションが取れています。
ご入居者は社会的地位が高かった方も多いので、失礼がないようにキチンとした距離間を保ちながら、ケアをしっかり行えていますね。
ご家族からも、「ここのスタッフはよい」とのご評価をいただいています。特にターミナルケアに関しては心を込め、気遣いも細やかに対応しているとのお言葉をいただくことが多いです。

見学者がここに申し込まれる決め手は何ですか?

関さん:一つはお食事です。見学はなるべく試食可能なお時間に来ていただき、実際食べていただくととても気に入っていただけます。
二つ目は医療面で、24時間看護師が常駐しているため、夜間に何かあった時の対応がスムーズであることが、とても安心感があると言われる方が多いです。24時間看護師が常駐している老人ホームは浦安市内では舞浜俱楽部だけです。
三つ目は人員配置です。介護保険では3:1ですが、新浦安フォーラムでは1.5:1という極めて手厚い人員配置をおこなっています。

大教室
大教室

舞浜倶楽部・新浦安フォーラムに至る道

それではこれまでの半生をお聞かせください。

私の実家は二世帯住宅だったのですが、私が大学生の時に祖母が介護状態となりました。目に見えて弱っていく姿を受け止めきれず、いつでも会いに行ける環境にいながら、なかなか祖母の部屋に入れないという経験がありました。
このことが私に介護の道に進むきっかけとなったのです。
それと私は学生時代から吹奏楽部で、現在もアマチュアですが音楽活動をしています。得意な音楽を福祉でも活かせたらと探していたら舞浜倶楽部と巡り合ったのです。
ここで働いてみて、性に合っているなと思いました(笑)。不特定多数のお客様相手よりも、お一人おひとりに深く関われるのは良いです。
今まで介護士として現場で働いていましたが半年前から生活相談員となって、見学の対応もするようになりました。ご家族のお困りごとを伺う場面が多くあるので、その時はそのご家族の最善をいつも考えます。
これからもっと、現場経験を活かして皆さまのお役に立つ存在になれるように、日々研鑽しています。

今日はお忙しい中、ありがとうございました。

生活相談員 関春花さん
生活相談員 関春花さん
 

取材後記:外観はエルミタージュ美術館を模して造られていますが、中に入るとなんともたおやかな空気が流れていました。
ゆったりした気持ちに包まれて取材を終わり、事務所に戻ってから、「ブンネを実際に見せてもらえばよかった」と気づきました。楽器音痴な私でもブンネを奏でることができるのかなぁと、思い巡らしたのでした。

施設情報

施設名 舞浜倶楽部・新浦安フォーラム
施設種別 介護付有料老人ホーム
住所 千葉県浦安市高洲1-2-1
入居時費用 1,905,000~30,960,000円
月額費用 247,050~837,050円
アクセス JR京葉線 「新浦安」駅 徒歩15分東京ベイシティ交通 ・10番系統「みなと南」行・15番系統「高洲海浜公園」行・19番系統「高洲海浜公園」行 乗車5分、「高洲北小学校」下車徒歩5分
居室
中庭
老人ホーム・介護施設探しは「老人ホーム相談プラザ」で
老人ホーム相談プラザは、有料老人ホームや介護施設を経験豊富な専門の相談員が店舗・訪問・電話・オンライン・一括資料請求等、無料で相談・紹介をしています。老人ホームのホームページやパンフレットに記載されていない評判や雰囲気、医療・介護体制の実態、特色など実際に訪問しないと分からない最新の情報を収集し、公正・中立な立場でプロの目線からお客様のご希望に合った老人ホーム・介護施設を選定・ご提案いたします。老人ホームの見学予約・見学同行・入居時の送迎支援、入居後のアフターフォローもおまかせください。
  1. 老人ホーム相談プラザトップ
  2. 老人ホーム取材レポート
  3. スウェーデンのケアを取り入れた 「舞浜倶楽部・新浦安フォーラム」
お気軽に相談員にお尋ねください