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2023.12.27
相談員ブログ

制限食と疾病

【制限食とは】
老人ホームに勤めたての頃。食事の配膳を間違えないために、「しっかり食札の名前を読み上げて、入居者様にお出しするように」と、先輩から口を酸っぱくして言われていました。
それは軟食やミキサー食などの食事形態だけではなく、「制限食」を食されている方もいるからなのでした。
よく見ると、食札には「〇〇禁」などの記載がしてあるのでした。
見た目にはほとんど一般食と見た目が変わらない制限食ですが、持病や服用されている薬などと深く関わりがあるので、他の方の食事と取り間違えてはいけません。
制限食はご自宅で用意するとなると、それなりに手間がかかってしまう場合も多いので、配食サービスを利用される方もいますが、しっかりと食事をコントロールした生活を送りたいという理由で老人ホームを選ばれる人もいます。

【制限食の種類と病気】
[塩分制限]
1日の塩分摂取量が6g以下に抑えてある食事となります。
塩分を控えると味が薄くなるため、出汁をきかせたり、薬味や香辛料を使って味付けをします。
味噌汁など、塩分の多いものは、量を減らすか提供を他のものにしたりして、塩分を制限したりします。
・心臓病
塩分を取り過ぎると、塩分濃度を下げるため、体内に水分が溜め込まれ、、血圧があがり、心臓に負担をかけます。
・糖尿病
高塩分で濃い食事は食べすぎや飲み過ぎを招き、体重増加の原因となります。
その結果インスリンが利きにくくなり、糖尿病のリスクを高めます。
・腎臓病
塩分を摂り過ぎると、塩分濃度が過剰となり、それを排泄するために腎臓の糸球体に負担をかけます。
・高血圧
塩分を摂りすぎると体内に水分が溜まり、心臓に送り込まれる血液量が増え、血管にかかる圧力が増してしまいます。

[タンパク制限]
通常は標準体重1㎏あたり0.6~0.8gに制限します。
尿タンパク排泄量とクレアチン値によって決まります。
・腎臓病
タンパク質を摂取して、代謝する際に生じる老廃物の処理は腎臓が行います。
腎臓病が進行すると、その機能が衰え、老廃物が蓄積されて腎臓の負担が更に大きくなります。
・糖尿病性腎症
上記腎臓病と同じ。

[カリウム制限]
血清カリウム値5.5mEq/L以下を目標に1日カリウム摂取量を1500㎎以下に制限します。
カリウムは水やお湯に溶けるので、野菜などは小さく切ってゆでこぼしや流水にさらすことをして、カリウム制限を少しでも除くことをします。
・腎臓病
カリウムは大部分が尿中に排泄されますが、腎機能が低下すると、上手く排泄されなくなり、高カリウム血症になります。
高カリウム血症になると、筋収縮が調節できなくなり、身体にしびれやだるさが見られ、不整脈や心臓停止のリスクが生じます。

[水分制限]
・心不全
心不全では体内の水分量が減っていないのに、減ったと誤作動して体液量を増やしてしまいます。
血液量が増えると心臓の負担が増加することになってしまいます。
・腎臓病
老廃物を排泄するのに沢山の尿が必要になりますので、沢山の水分が必要となります。
しかし、尿量が低下し摂取した水分が排泄されずに身体に蓄積されてしまう人は、水分制限が必要になります。

[脂質制限]
食事に含まれるコレステロール量を300㎎以下に制限します。
淡白な魚や脂肪の少ない肉、低脂肪食品などを用いて食事メニューが提供されます。
・脂質異常症
中性脂肪やコレステロールなど脂質代謝に異常がある状態です。
動脈硬化が進行して、心疾患や脳血管疾患のリスクが高まるので、脂質を制限する必要があります。

[糖質制限]
糖質を多く含む主食をコントロールして提供される食事になります。
米や小麦を制限して、タンパク質や脂質を多めに摂取する食事になります。
・糖尿病
インスリンの作用が不十分なために、糖が細胞に取り込みにくくなり、血糖値が高くなっています。
血糖値を上げないように糖質制限食でコントロールする必要があります。

[その他]
・心筋梗塞
心筋梗塞の治療や予防のために、血液をサラサラにして血栓をつくりにくくする「ワーファリン」を服用している方がいます。
納豆を食べると、腸内でビタミンKが合成され、ワーファリンの効果を弱めてしまいます。
・高血圧
高血圧の方で、血管を拡張し血圧を下げ、狭心症の発作を抑える「カルシウム拮抗薬」を服用している方もおられます。
グループフルーツと一緒に服用してしまうと、効果が強く出てしまい、頭痛・めまい・ほてりなどの症状が現れることがあります。、




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