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2023年07月31日

ワンファミリー「クロスハート湘南台・藤沢」

伸こう福祉会は、「困っている人を助けたい」というマインドと、「ないものは自分たちで作る」というスタンスを持って事業展開をしてきました。
老人ホームが高額で誰もが利用できなかった時代に、既存の建物を改装し誰でも利用できる老人ホームを作るなど、業界において今では当たり前に普及しているそれらのサービスも、始めた当時は前例のない革新的な試みでした。
地域サービス事業・保育事業・障がい事業・介護事業と幅広く手掛けています。特に介護事業では、特別養護老人ホーム・グループホーム・有料老人ホーム・デイサービス・訪問介護ステーション・地域ケアプラザなど展開しています。
今回訪問したのは「クロスハート湘南台・藤沢」。「湘南台駅」から徒歩10分の立地で、引地川が近くを流れています。
インタビューに応じてくれたのは、施設長の栗田博樹さん、相談員統括の小板橋良勝さん、営業支援の越川海さんです。

外観

伸こう福祉会の想い

法人の想いや、それをどう現場に反映しているかについてお話しください。

栗田さん:理事長がこの法人を創設した時からの想いがそのまま活かされています。それは‘利用者様ファースト’です。
ですから、作業的な介護はしたくなく、ご利用者様に寄り添った介護をしたいと考えている人がクロスハートには集まってきます。
そういう意味ではお客様と距離感が近いスタッフが多いと思います。私たちは‘ワンファミリー’のように親しみや一体感を持って運営しています。

越川さん:‘ワンファミリー’というのは、法人として、働く者もその家族もワンファミリーとして考えているということです。

ワンファミリーということを具体的に教えてください。

栗田さん:ワンファミリーとは家族ぐるみでということですね。例えば、運動会だとか、地引網、ミュージカル公演など、職員もその家族も参加してみんなで楽しんでいるのです。

越川さん:人と人とのつながりをとても大事にしていますね。ですから、一度何らかの理由で離れた職員もまた一緒にお仕事をする方が多いです。
アットホームな老人ホームはあると思いますが、働く職員とその家族も含めてアットホームなのです。

へぇ、面白いですね。職員の一体感が伝わってきます。

小板橋さん:理事長のスタッフへのおもてなしがすごいのです。スタッフが集まる会合に手作りのお菓子を作って持ってきたり、他の会合でも昼食を作ってふるまったりすることもあります。

栗田さん:職員の誕生日は必ず祝うことになっていて、施設長と食事に行ったり、同じ誕生月同士の職員でランチしたりしています。

小板橋さん:2か月に1回、誕生月の人を食事か、どこかに連れて出かけるかという企画もあります。行き場所はディズニーランドだったり、キャンプであったりと、これまた家族ぐるみで行うのです。

何だか驚きの連続です。
少し、‘利用者様ファースト’の話に戻っても良いですか。


小板橋さん:‘利用者様ファースト’というのは、事故防止やリスク回避にとらわれずに、利用者様の想いがあるのならば、そちらを優先するということなのです。もちろん、ご家族やドクターの合意の上ではありますが、「なんとかしよう」という考えを、まず持ちます。
例えば、転倒リスクがある杖歩行の方を(見守りはしますが)、お一人で自由に歩いてもらうこともあります。
また、館内はインテリアや飾り物が壁に取り付けられていますが、事故防止の観点からするとNGです。しかし、利用者様に居心地の良い生活空間を提供する方を優先するということです。

食堂
食堂

「仕事付高齢者住宅」とは

では、「仕事付高齢者住宅」と呼ばれることについて話してください。

栗田さん:もともと東レ建設とのコラボ企画なのですが、ここから車で4~5分の所に高床式栽培農業施設「トレファーム」があります。ビニールハウス内で野菜などを水耕栽培しているのです。高床式なので車いすの方も畑仕事ができるようになっているのですよ。
収穫物をスーパーなどに卸して、売上からお給金をいただくのです。
ある90歳を超えた利用者様はそのお金を、お孫さんのお年玉として渡されたそうですよ。他にもそのお金でご家族にプレゼントを購入して渡された利用者様もおられます。
また、「仕事ができる老人ホームなら入居したい」との問い合わせも多数ありました。
コロナで一時休止になっていましたけれども、そろそろ再開しようと計画しています。

すごい話ですね。畑仕事以外にも「仕事付高齢者住宅」の試みがあるのですか?

越川さん:同じ法人の保育園で、児童の散歩の補助や食事の盛り付け、掃除などをするということもありました。
また、雑巾縫いの仕事もあります。今の利用者様は手縫いができる方たちなので参加者も多いです。「私はいいわ」と離れて見ていた方も、なんとなくその輪に加わって、結局一緒に縫っておられる姿を見たことがあります。

ファミリールーム
ファミリールーム

クロスハート湘南台・藤沢が選ばれる理由

この施設に惚れ込んでいることはどんなことでしょう?

栗田さん:‘利用者様ファースト’が実践できていることは誇らしいですね。本人様のご意志や想いを尊重して実現しているのです。
いくつか実例をあげますね。
お看取り中の方ですが、食欲はおありで、「肉、肉」と言われるほど肉好きなのです。しかし、誤嚥性肺炎を繰り返しているので、肉をそのまま食べていただくわけにはいきません。
そこで、看護師同席のもと、居室にホットプレートを持ち込んで目の前で焼いて、口の中に入れてもらい、咀嚼が終われば出してもらうということをしました。
他の方は、コロナの真最中で不要不急の外出は止めるようにお達しが出ている中でしたが、どうしてもお墓参りに行きたいということなのでお連れしたということもありました。
また、別の方ですが、医師からはビールをやめるように言われていたのですが、本人様の強いご希望と、ご家族の承諾もあり、飲んでもらっています。

見学者がここに決められた理由はどんなことがありますか?

越川さん:居室が27㎡と広いため、それをお気に召された方も多いのです。今まで使われてきた家具を沢山お持ちいただく方も多く、ご家族用にソファーを入れている方もおられ、ご家族も面会時間が長いのです。居心地が良いようです。
またキッチンもついているので、特に女性はホッとされるようです。

小板橋さん:自分の部屋というより、リビングのような感じになっている方も多いです。ベッド・タンス・テーブル・ソファー・冷蔵庫など置いても未だスペースがあるのですよ。
家に近い環境が提供できるので、ご自分の自由な時間を楽しめるようです。

越川さん:居室はその方の生活や性格がよく現れますね。本に囲まれている方もおられるし、とても大きなテレビを設置している方、すごい量の服を収納されている方など多種多様です。
でも、皆さま、ご自宅に近い空間づくりができていて、謳歌されているようです。ここの特徴として、ご自宅からの移り住みが多いことや、男性入居者様が3分の1もおられるのも。居室が広いことが一つの要因があるかなと思っています。

その他にも、決められたポイントはありますか?

越川さん:スタッフがしっかり挨拶してくれるので、雰囲気が良いとの評価がありますね。

栗田さん:そうですね。スタッフが利用者様に接している姿を見られて、親御様を安心して任せられるとイメージされた方もおられます。
利用者様には担当スタッフがいるので、来所される時は担当スタッフに連絡される方もおられます。身近のご様子をスタッフからお伝えすることもしばしばあります。

小板橋さん:ご利用者様とスタッフの距離が近いですね。事務所に入って座っている方もいたり、申し送りの場に参加される方もいたりします(笑)

相談員統括 小板橋良勝さん
相談員統括 小板橋良勝さん

クロスハートで働く人たちの半生について

それでは、ここに至るまでの人生を少し伺ってもよろしいですか?

小板橋さん:私は元々自動車の販売店で勤めていました。
伸こう福祉会の法人担当となり、各デイサービスの車両に関わっていたのです。その当時から、この法人の職員が好きで、法人自体に関心を寄せておりました。
やがて、伸こう福祉会に転職するのですが、介護をしてみると割とスムーズにできたため、すっかりはまってしまいました(笑)。
その後相談員となり、ご家族に深く関わるようになりました。今は伸こう福祉会の特養と有料老人ホームの相談員統括をしています。
理事長だったらどうするだろう、どう考えるだろうと、思いながらご利用者様の尊厳を最優先に仕事をしております。
そして、それを次の世代の方々に伝えていくのも、私たちの大切な仕事だと考えております。

栗田さんもお願いします。

栗田さん:私はオープンキッチンの飲食店で働いていました。自分が作った物の反応が直に伝わるところだったので、とてもやりがいを感じていました。しかしある日、オーナーと喧嘩してしまい、辞めてしまいました(笑)。
すぐに老人ホームの食事をつくる人材募集の張り紙から仕事を始め、そこから伸こう福祉会と繋がることができました。
厨房の中で初めて理事長にお会いしたのですが、単なる厨房職員の一人と思って接していたのです(笑)。
やがて、法人全体の食事をみるようになり、事業本部に異動となり、ずっと食事の仕事をしてきたのですが、現場仕事を経て、施設長に任命されたのです。
理事長からは「どんどん人に関わっていきなさい」、「自分ができることを探し、そのためにはよく相手のことを聞きなさい」とアドバイスされています。
お客様に喜ばれることを念頭に仕事をして、スタッフを大事にすれば、色々なことを乗り越えてこられました。

今日はお忙しいなか、ありがとうございました。

施設長 栗田博樹さん
施設長 栗田博樹さん
 

取材後記:取材中、その型破りな運営に、何度も「へぇ!」と感嘆しました。話を伺った皆さんから法人や理事長に対する愛情がほとばしっているのを感じました。
施設を出るとポツポツと雨が降ってきたので、小走りに駅に向かいながら、「僕も理事長にお会いしてみたいな」と思ったのでした。

施設情報

施設名 クロスハート湘南台・藤沢
施設種別 介護付有料老人ホーム
住所 神奈川県藤沢市円行1-1-7
入居時費用 0~5,500,000円
月額費用 193,940~285,600円
アクセス 小田急江ノ島線、相鉄いずみ野線、横浜市営地下鉄「湘南台」駅徒歩10分
もしくは湘南台西口2番バス乗り場神奈中バス「文京大学」行「桐ケ谷」下車1分
エントランス
居室
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