「おかえりなさい」の声が聞こえる「フェリエ ドゥ上井草」
ライクケア株式会社は「お客様第一主義」「高齢社会への貢献」「社員の生活向上と成長」を経営理念に1999年の設立以降、首都圏を中心に、介護付有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、グループホームやデイサービスなど25施設を運営し、約1,500名のご入居者へサービス提供をしています。
ライクケアはライクグループに属していて、「planning the Future~人を活かし、未来を創造する~」を理念に掲げ、「保育」「人材」「介護」の3事業を展開しています。
今回訪問したのは、「フェリエ ドゥ上井草」。
閑静な住宅街に建っていますが、「上井草駅」から徒歩8分というアクセスの良い立地です。
インタビューに応じてくれたのは、施設長の浅野皓也さん、作業療法士の藤澤祐依さん、理学療法士の太田絢子さんです。
会社の想い、施設の想い
─ それでは、会社の理念や想いを教えてください。
浅野さん:企業理念としていることは、「三つの満足」をバランスよく達成することで企業の成長を目指しています。
三つの満足とは
・入居者様と家族様の満足
・従業員の満足
・会社の満足
になります。
私はこの会社に入る前から、人とのつながりを大切にしてきたので、この企業理念に共感するものがありました。
特に従業員の満足が満たされないと、入居者様や家族様への満足度は上がらないと思います。
数ある老人ホームの中で出会ったスタッフ一人ひとりですから、ここで働く意義を見出し、それぞれが満足いく道しるべを提供していきたいと願っています。
─ では、このホームのコンセプトを教えてください。
浅野さん:~Family Gathering Place~家族が集まる場所としてこのホームが、入居者様にとって「第2の我が家」であり、家族様にとっては❝故郷の実家❞と思っていただける、そんなハートフルなホームを目指しています。
「いらっしゃいませ」ではなく、「おかえりなさい」と言える場所にしたいのです。
見た目は高級感がある建物ですが、中身はアットホームな雰囲気づくりをしています。
「おかえりなさい」という感覚は入居者様にだけではなく、家族様にもそのように感じていただけたらと願っています。
面会に来られる家族様が多く、ここの食事を一緒に食べられる方たちもおられます。
そして、家族様が他の入居者様とも仲良くなっておられる光景も見られます。
─ それは良いですね。どうしてそのような感じになったのですか。
浅野さん:スタッフに「話す」ことを心掛けるように常々言っています。
それはスタッフ同士ももちろんですが、入居者様や家族様に対して会話の輪を広げるように促しているのです。
スタッフがどなたにも話しかけるようにしているので、知り合いでもなかった家族様が他の入居者様とも親しくなるように橋渡しをしてくれているのです。
フェリエ ドゥ上井草の魅力
─ それでは、このホームのウリについて教えてください。
浅野さん:ライクケアのホームは24時間看護のところが多く、医療に強いというイメージが印象付けられてきましたが、最近はリハビリに力を入れてきました。
フェリエ ドゥ上井草はリハビリの三種類の専門職、理学療法士(以下PT)・作業療法士(以下OT)・言語聴覚士(以下ST)が揃い、リハビリ機器を数種類揃えています。
医療行為が無い方にも満足していただけるように、リハビリをはじめとして、入居者様のリクエストに応じたレクリエーションやサークルも増やしていっています。
レクリエーション活動に関してはOTを中心に「身体を使う日」「頭を使う日」など曜日ごとにテーマを持って取り組みをしています。今後は更にスタッフ全員で案を出し合い、バリエーションを増やしていきます。
─ どのようなことが日々なされているのですか。
藤澤さん:日によって理学療法的な運動や、作業療法的なレクを取り入れてきました。
また、中庭で枝豆やトマトなどの野菜を栽培し、収穫、調理して楽しんでいます。
色々なご状態の方が入居されていますが、本人らしく生活していただけるように心がけているのです。
入居前にどのような暮らしをされていたか、入居後にどんな暮らしをしていきたいかなどしっかりヒアリングして、その希望を叶えられるように対応しています。
例えば、「歩きたい」というご要望がある全介助の方がおられました。
そのご希望の背景に「空を見るのが好き」ということが分かったので、車椅子離床とともに外気に触れる機会を多くつくるようにしたのです。
─ 他にはどのようなウリがありますか。
浅野さん:ここのスタッフがウリです。
前向きな考えを持ったスタッフが多く、「これやっても良いですか?」と積極的に入居者様のためになるアイデアをあげてきます。
私自身も介護職時代に経験をしました、介護現場にありがちな長年築き上げてきたが故の凝り固まった考え方や、新しいことにチャレンジせず否定的な意見ばかり言うなどという風潮は無く、一丸となって入居者様へ向き合うことができることは、本当に良いことです。
また、スタッフの負担軽減と入居者様の安全をより一層確保するために、色々な機器も導入しています。
介護記録を電子化している「ケアカルテ」、眠りの質を視覚的にとらえ、心拍、呼吸などの情報を収集し、体調把握を行う「眠りCONNECT」、お薬と入居者様情報を照合する「服やっくん」など、IOTを活用しながら、より安心な介護を提供できるようにしています。
「普段の生活がリハビリになる」
─ それではこのホームのリハビリについて教えてください。
太田さん:PT、OT、STが揃っている老人ホームは数少ないです。
多職種連携ができるので、それぞれの能力を十分に発揮できるだけではなく、お互い補い合えることは、入居者様により良いサービスを提供することになります。
私は理学療法士として、歩行訓練や筋力強化に努めていますが、「運動」という言葉に拒否感を抱かれる方もいらっしゃいます。
そのような方の場合、リハビリとは思われないように、居室から出ていただき、いつの間にか歩いていたとか、気が付かずに運動していたというふうに体を日々動かしていただくように工夫しています。
リハビリの時間だけ身体を動かすのではなく、毎日継続して続けられるようにすることが大事ですよね。
ここのリハビリのコンセプトは「普段の生活がリハビリになる」ですが、ご本人が前向きに取り組めるための適切な方法とモチベーションを常に考えています。
そして、過度なリハビリではなく、「効果あるリハビリ」を心がけているのです。
─ 他にもどのような取り組みをされているのですか。
藤澤さん:居室で長く過ごされる方もおられますが、その方がお好きなことなどをレクリエーションにして、出てきていただくようにしています。
この前も、横になっている時間が多い方をお誘いして、ダイニングでお好きな手芸をしていただいたら、1時間くらい集中されて楽しまれていました。
浅野さん:臥床時間が長い方は、食事以外にも、午前と午後に必ず離床していただくようにしています。
この前、あるご家族が面会に来られたのですが、居室にお母様がおられず、リビングで作業療法されているのをご覧になられ、とても喜ばれました。
─ リハビリに関する機械も導入されているそうですが、どのようなものですか。
藤澤さん:エルゴメーターなどのいわゆるトレーニングマシーンではなく、筋力低下された方のための機器を導入しています。
「InBody BWA」は体組成計ですが、入居者様の身体状態に合わせて測定姿勢を選択できるので、立位が保てない方でもベッドサイドで測定できるのです。
「IVES」は脳血管疾患や運動器疾患で麻痺したり、動きが悪くなった筋肉に対して電気刺激を用いて運動機能を改善させる機器です。
そして、「EMS」は体力面でコンスタントに運動ができない方に用います。弱っている筋肉に電気刺激を送り、筋力をつける機器なのです。
─ STの方はどのようなことをされているのですか。
浅野さん:STの存在は大きいですよ。
入院中は話せなかった方が、ここに入居されてSTの訓練を日々受けていくことのきっかけもあり徐々に話せるようになられ、ご家族からもとても感謝されました。
経管栄養の方も経口摂取に取組まれていて、お茶ゼリーなどをSTの訓練の中で、経口摂取出来るようになってこられた方もおられます。
STが常駐している老人ホームは少ないので、とても重宝がられています。
フェリエ ドゥ上井草に至る道
─ それでは、これまでの半生を教えてください。
藤澤さん:私は元々指先を使ったり、工作をすることが好きでした。
父が病院に勤務していたり、祖母が看護師だったことからも影響を受けて、OTの道を選びました。
回復期の病院に勤め、出向で訪問リハビリや老健にも行きました。
ですが、関われる期間は長くとも3か月と限られているため、その先どうなられたかがわかりません。
リハビリの時間だけではなく生活全般に関わりたいと思って、老人ホームで働くことにしたのです。
その意味では、自分の望んだ働き方が今できています。
閉じこもりがちな方が、ダイニングに出てこられて、楽しんで笑顔を見せてくださった時や、寝ている状態が長い方が前より起き上がられるようになられたご様子を見られると、やりがいを感じます。
─ 太田さんはいかがですか。
太田さん:祖父がリハビリ病院に入院したことがあり、面会に行った際にPTの働く姿がかっこよくて、ひとめぼれしました。
そして、PTの仕事内容を調べるうちに、これが私の進む道だと思ったのです。
高齢者が多く来られる病院で勤務していましたが、回復して在宅復帰したのに、しばらくするとまた入院を繰り返される方が何人もおられました。
病院に来なくても良いように、予防できるサポートがしたいという想いが強くなって、老人ホームに勤務するようになりました。
安心して過ごせる環境作りを心掛けており「あなたがいてくれて、良かったわ」等、仰っていただけた時は嬉しいですね。
病院に入院するきっかけを少しでも防ぐことができて、最後の日までここですこやかに暮らしていただけるよう取り組んでいきたいです。
─ では、浅野さんもお聞かせください。
浅野さん:私は人の役に立つ仕事、人に教える仕事がしたいと思い、得意だった社会科の教師になるべく職員免許を取得しました。
しかしながら、社会科の先生になるには、かなり狭き門だったこともあり、一旦社会経験をすべきだと考え、カラオケ店の店長をすることになりました。
そこで働いているうちに、人と関わって教えることは、何も学校に限らないのだなと知ったのでした。
もっと人と向き合える仕事、人の役に立つ仕事は無いかとと思い、老人ホームに関わる仕事に就きました。
それまでしてきた接客業は時間が限られた一時的な仕事でしたが、介護の現場では入居者様の生涯にずっと関わることが大きな違いでした。
介護は究極の接客業だと知ったのです。
今は管理者となりましたが、改めて教育の大切さを痛感しています。
介護は離職率の高い業種ですが、しっかり教えることがまだまだ足りていないのではないかと思っています。教育に関してはしっかり取り組んでいこうと心に決めています。
ここに入職するスタッフが、「ここで働けて良かった」と実感してもらえるホームづくりをしていこうと取組んでいます。
─ 今日はお忙しいなか、ありがとうございました。
取材後記:取材した日はカンカン照りで、日陰を求めながら歩いて伺いました。
入館するとほっとしましたが、浅野施設長たちのお話を伺っているうちに、心がほっこりしてきました。
「フェリエ」とは休日という意味だそうですが、まるで休日を過ごしているような居心地の良い雰囲気が館内に漂っています。
私も、「おかえりなさい」と言われているような気持ちになりました。
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