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2023年07月20日

病院でもない、ご自宅でもない、第3の居場所 「メディホス鎌倉」

株式会社メディホスは、「病気や障がいがあっても、住み慣れた場所で自分らしい生活を最後まで続けられるように」という地域包括ケアシステム推進の一助となれるように事業を展開しています。
東京・神奈川を中心に訪問看護事業所や、居宅介護支援事業所、訪問介護事業所を展開してきました。
しかし、医療ケア対応や疾患の進行にて在宅療養が困難となる方が多くいらっしゃいました。そこで2019年に、住宅型有料老人ホーム(癌・難病の方の医療支援住宅)を開設し、24時間看護師・介護士対応、訪問診療医との連携で医療処置が対応可能な体制を構築し、「病院でもない、ご自宅でもない、第3の居場所(住まい)」として、どのような状態でも安心して、その人らしく生活できる場所づくりを目指しています。
今回訪問したのは「メディホス鎌倉」。鎌倉市上町屋の柏尾川沿いに立地しています。
インタビューに応じていただいたのは、常務取締役の山﨑優子さん、湘南エリア・エリア長兼施設長北爪貴子さんです。

外観

メディカル&ホスピタリティ

施設の成り立ちが、その特徴につながっているようですが、そのはじまりからお聞かせください。

山﨑さん:2009年から訪問看護をしてきたのですが、個人宅の訪問診療なども経験してきてきました。
そのようななか、社会情勢の変化、すなわち、超高齢化多死社会に加え、病院も次々と退院を進めていかなければならない状況で、行先に困る方々を見過ごしにできないと実感したのでした。
そこで、私たちが在宅看護で大事にしてきたこと、その人らしさをしっかりサポートし、個別ケアをする施設を展開しようと考えたのです。
人間誰しも自宅で最後まで暮らしたいのは当然ですが、夜間もともなう医療処置などに、ご家族が対応し続けるのは非常に困難なことです。
ですので、看護や介護の負担は私たちに任せていただき、ご家族には本人様と大事な時間を過ごしていただきたいのです。
施設に親御様を預けることの罪悪感をお持ちな方は多くいらっしゃいますが、その罪悪感を払拭したいと私たちは取組んでいます。
例えば、コロナで多少の制限はありますが、面会、外出、外泊は行えるようになっています。自宅なら当然のことですよね。
私たちがとても大切にしている点は医療もそうですが、ホスピタリティです。入居者様が何をしたいのかその思いに寄り添い、その方のナラティヴ(物語)を聞き取り、生活の中で実現することを努めています。メディホスの名前の由来は、メディカルとホスピタリティを合わせたものなのです。

住宅型で展開しているメリットはどのようなことでしょう?

山﨑さん:療養型病院や老健、特養は医者が配置されていますが、こちらには医者の配置はありません。しかし訪問医との連携は24時間365日密に取れていますのでご安心ください。
逆に老健や特養では、高価な薬や新薬などの治療の継続が難しいことも多いのですが、メディホスなら可能です。また、抗がん剤や放射線治療のために通院するということも、メディホスならできるのです。それから、メディホスにご入居して頂く際には、今まで関わりがあるケアマネジャー、訪問診療、訪問薬剤、訪問歯科などのサービスを使い続けていただくことも可能ですし、必要があればこちらからのご案内も可能です。通院、訪問診療の選択(もしくは2人主治医制など)も自由です。地域になじんだ高齢者住宅でありたいのです。

住宅型の場合、特に重度介護者だと、介護サービスの限度額をオーバーしてしまうことにより、更なる費用が発生することはありませんか?

山﨑さん:介護保険の限度額を超えてしまう場合は身体障がい者手帳、難病の特定疾患医療者受給票を持って市区町村に相談に行き、行政と話し合いながらやり取りしています。
障がい福祉サービスを受けるためには認定調査を受けなければいけませんが、全てオープンにしてサービスを展開しようとしています。
また、手厚いケアを受けるために看護が医療保険で賄うこともできますし、場合によっては自費設定も可能ではあります。

それから、居室数が少ないのも、何か意味があるのですか?

山﨑さん;ここメディホス鎌倉は18室ですが、更に少ない16室のメディホスくげぬまもありますし、弊社の展開する住宅は最大でも25室になっています。それは、入居者様のお顔、お名前、ご性格、そして、ご家族様構成のことなども、スタッフ全員が把握できるためになのです。このくらいの人数ですと、医療依存度の高い方も手厚く看ることができますし、その人らしさにフォーカスを当てて個別ケアをしっかり行うことができます。
私たちが長年在宅看護で培ってきた「生活の場」を大切にすることが、少人数の施設だからこそ実現できるのです。病院よりも丁寧に対応できることが強みなのです。
「病院でもない、ご自宅でもない、第3の居場所(住まい)」としてメディホスは存在しているのです。

ダイニング
ダイニング

メディホス鎌倉の特徴

ではメディホス鎌倉のウリを教えてください。

北爪さん:居室が24.91㎡~34.21㎡と広く、プライベート空間をしっかり確保できることが人気です。トイレはもちろんですが、各居室にお風呂もついています。
例えば、退院後に不安を抱えた入居者様に、ご家族様が一晩寄り添いたいというご希望があれば、居室に折り畳みベッドを搬入してお泊りいただくことも可能なのです。
入居される方の7割が難病で3割が末期癌の方なので、お看取りの際に居室内にお泊りになる方もおられます。
看護・介護職員が24時間いますので安心感があるだけではなく、身体的なお世話や医療処置はこちらに任せていただき、ご家族は入居者様の側にいて一緒に大切な時間をお過ごしいただけるようになっています。

どうしてもホスピス系となると、無機質な感じになってしまいますが、ここは違いますね。

北爪さん:ホスピタリティに関して、プラスアルファをいつも考えています。
外出できない方のためにダイニングのところに大きな木のオブジェをスタッフが作成して、四季によって桜や藤、紅葉など飾って季節を感じていただくようにしています。
また、職員の中には音楽療法士がいて、毎月のイベント時にはピアノを弾いたりしながら入居者様と歌ったりしています。今後は居室から出られない方のために、居室訪問しながら音楽をお聞かせする計画もあります。
それから、傾聴ボランティアを今探していまして、外部からもサポートいただこうとしています。

他にも何かありますか?

北爪さん:先日、16年間飼っていた犬が亡くなったことを通して、入居を決断された方がおられました。とても犬好きだということもあり、施設外ではありましたが、私の犬を連れてきたら大変喜ばれたのです。他の入居者様の表情もとても明るくなり、今後、ドッグセラピーやアニマルセラピーも取り入れたいと考えています。
スタッフが入居者様によく寄り添ってお話を聞いてくれています。ですので、その声をもとに、入居者様が喜んでいただけそうなことを実現していきたいですね。

談話室
談話室

メディホス鎌倉が選ばれている理由

では見学者がここに決められたポイントなど教えてください。

北爪さん:病院と同様の医療処置を提供できる安心感ですね。それでいて病院にはない明るさががあることはポイントになっています。
建物自身はリノベーション物件なので古くはなりますが、採光も良いのに加え、スタッフの雰囲気が明るいことを気に入られる方が多いです。
私たちは様々な方をお迎えしてきましたから実績は豊富です。ご入居を検討されている方と同じ病気の方を受け入れた経験、そしてどう対処し、どうお過ごしいただいているかをお話するとイメージがつきご安心して頂けます。

実際入居された後のご感想とかも、お聞かせください。

北爪さん:「きめ細かにスタッフに対応してもらっている」とか、「痛みや苦しみを和らげてもらい感謝です」というお言葉をいただいています。
ご家族が介護や看護から解放され、その分ゆっくり話したりできる時間ができたことは喜ばれていますね。
あと、色々な制限をなるべく少なくしています。例えば、お酒やタバコなどもよほどのことがない限り嗜んでいただいています。本人様の思いを叶えてもらうようにしていますから、それも感謝されています。

湘南エリア・エリア長 兼施設長 北爪貴子さん
湘南エリア・エリア長 兼施設長 北爪貴子さん

今までの半生について

それでは今に至るまでの人生の道のりを教えてください。

北爪さん:私は幼い頃、病気がちで入院することが多く、病院も注射も嫌いで、病院を逃げ出したこともあるのですよ(笑)。
でも、逆にそのことが看護師を目指し、小児科を担当したいという思いになっていったのです。
当初は高齢者の医療には興味を抱いていませんでしたが、癌の緩和ケアに移ったことや、就職後に大学に通い、老年期を学んだことから高齢者の医療に関心を抱くようになっていました。
そこから訪問診療に入り、山﨑たちと訪問看護をはじめたのです。長年、訪問看護の管理者をして、難病支援や緩和ケアに携わってきました。
在宅看護も好きでしたが、お家で支えきれない方が多いのを何とかしたいということで施設を立ち上げて、今に至るです。

山﨑さんもお聞かせください。

山﨑さん:私は看護師になりたかったというよりは、人が好きで、人がどんな時に笑い、人がどんなことに生きがいを感じるかなど、人に興味があり、人の人生に関わることがしたいと思って看護師になったのです。
就職後にオーストラリアに実習留学したのですが、治療の場が病院ではなく家であることや、ホームケアナーシングの考えが進んでいることを目の当たりにしました。
帰国後、その人らしさを大事にするとか、その人が生きてきた世界を大切にする医療を提供していきたいと心に願い、訪問診療に関わるようになったのです。それから北爪たちと訪問看護を立ち上げて、今日まで来ています。
人が生きていくことに真剣に向き合うことに、とてもやりがいを感じています。

今日はお忙しいなか、ありがとうございました。

常務取締役 訪問看護認定看護師 難病看護師(日本難病学会認定) 山﨑優子さん
常務取締役 訪問看護認定看護師 難病看護師(日本難病学会認定) 山﨑優子さん
 

取材後記:山﨑さんも北爪さんもエネルギッシュで、「優しい百戦錬磨のつわもの」という印象でした。メディホスがどんどん展開していくことを確信しました。
玄関を出ると初夏の日差しが、やけにまぶしく感じたのでした。

施設情報

施設名 メディホス鎌倉
施設種別 住宅型有料老人ホーム
住所 神奈川県鎌倉市上町屋524-3
入居時費用 0円
月額費用 123,000円(指定難病プラン)、163,000円(緩和ケアプラン)
アクセス ・電車でお越しの場合
 湘南モノレール「湘南町屋駅」より徒歩15分
・バスでお越しの場合
 江ノ電バス「町屋橋」停留所下車後、徒歩1分
・車でお越しの場合、JR「大船駅」または「藤沢駅」より約10分
機械浴
居室
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