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2024.01.24
相談員ブログ

脳卒中について

【脳卒中とは】
脳卒中の「卒」には突然という意味が、「中」には害を受けるという意味があります。
つまり、脳の血管が突然詰まったり破れたりすることで、急に体の働きが悪くなる病気です。
脳卒中は日本人の死亡原因の第4位となっていますし、寝たきりの原因の1位にもなっています。
脳卒中を発症したら、すぐ対応すべき標語「FAST」があります。
・Face 顔の麻痺 片側の顔がゆがみます。
・Arm 腕の麻痺 片側の手足に力が入りません。
・Speech 言葉の障害 言葉が出なかったり、ろれつが回らなくなったりします。
・Time 時間との闘い 脳卒中の症状や前兆があったら直ぐに救急車を呼びましょう。
血流が脳細胞に行き渡らないと、すぐに脳細胞の動きが悪くなり、数時間経つと脳細胞は死んでしまい生き返ることはありません。
逆に、早く血流を再開できれば、脳細胞の働きが戻り、脳卒中の症状も軽くなったり、消えることが期待できます。
脳卒中は「脳の血管が詰まるタイプ(脳梗塞・一過性脳虚血発作)」と「脳の血管が破れるタイプ(脳出血・くも膜下出血)とに大別されます。

【脳の血管が詰まるタイプ】
脳梗塞は脳卒中の半分を占めていますが、脳梗塞には、心原性脳梗塞栓症・アテローム血栓性拘束・ラクナ梗塞と3種類に分かれています。
・心原性脳梗塞栓症
心臓でできた血の塊(血栓)が脳の血管まで流れて詰まるものです。
脳の血管が正常でも心臓の不整脈が原因で血管が詰まり、重篤になり、命にかかわることが多いです。
・アテローム血栓症梗塞
脳の太い血管にできたアテローム(コレステロールなどの塊)が破れ、そこをふさぐために血小板が集まって血栓ができて詰まるものです。
・ラクナ梗塞
高血圧などにより、脳の細い血管が狭くなって詰まるものです。
ラクナとは穴という意味で小さな空洞が脳のあちこちにでき、「隠れ脳梗塞」とも呼ばれています。

【脳の血管が破れるタイプ】
・脳出血
脳の細い血管がもろくなり、破れて出血するものです。
高血圧や血管の脆弱性が原因です。
後遺症が残ることや死亡率が高いことが多いです。
・クモ膜下出血
動脈瘤が破れて、クモ膜下腔(粘膜とクモ膜の間)に出血するものです。
突然の頭痛や意識障害が生じます。
脳卒中の中では死亡率の高い重篤な病態です。

【後遺症】
脳卒中は、治療後も後遺症が残ることが少なくありません。
・運動障害
半身が動かしづらい・力が入らない・まっすぐ歩けない・足を引きずる等
・感覚障害
手足のしびれ・手足の感覚が過敏になる・手足の感覚が鈍くなる等
・視覚障害
目が見えない・視野の一部が過敏になる・二重に見える等
・言語障害
ろれつが回らない・言葉が出づらい・言葉の意味を理解できない・読み書きが困難等
・認知機能の低下
注意力の低下・記憶障害・社会的な行動ができない等
脳卒中や脳血管の病気がきっかけで認知症になるのを「脳血管性認知症」と呼びます。
・脳卒中後てんかん
脳卒中の約10%の方に「脳卒中後てんかん」を合併する人がいます。
・脳卒中後うつ病
意欲伽活動性の低下が見られ、「脳卒中後うつ病」と診断される場合があります。
・摂食嚥下障害
食べ物をうまく食べられなかったり、飲み込みづらくなる「摂食嚥下障害」を合併することがあります。
【なりやすい人と予防について】
・高血圧
血圧が140/90mmHg以上の方。
食事の塩分を少なくするようにしましょう。
・糖尿病
血糖管理だけではなく、生活の管理や体重のコントロールが必要です。
・脂質異常症
総コレステロール値が1mmol/L(38.7mg/dL)増えると脳梗塞の発症率が25%増加します。
特に悪玉LDLコレステロールが高い人は、脂肪の摂取を制限する必要があります。
・心疾患
心房細動は加齢により増加します。
心臓の心房にできた血栓が脳血管に飛び、脳梗塞に繋がります。
不整脈や心内膜炎など血栓ができやすい病気は注意が必要です。
・喫煙
ニコチンは血圧上昇や、動脈硬化を促進してしまいます。
禁煙が強く勧められます。
・飲酒
大量の飲酒習慣(エタノール450mg/週以上)は脳卒中の発症率を65%増加させ、脳出血やクモ膜下出血が急増します。
大量の飲酒習慣はやめましょう。








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