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2024.02.01
相談員ブログ

結核に関して

【結核とは】
昭和20年代まで結核は日本人の死因の1位であり、「不治の病」と言われてきました。
戦後抗生物質ストレプトマイシンの普及により治療が広がり、またBCGワクチンの普及などにより、結核による死亡率は激減しました。
しかし、過去の病気になったわけではなく、日本では毎年約12,000人が新たに結核にかかり、毎年1,900人程が結核で亡くなっています。
肺結核は結核菌が体内に入り込んで増殖しますが、肺結核、腸結核、腎結核などを引き起こします。
日本では結核患者の8割が肺結核に罹っています。
また、発症者の6割が70歳以上です。
高齢者の免疫力が低下したことかから発症するのだと考えられています。
更に、糖尿病などの生活習慣病を持っている人や、大きな手術をした人、がん治療を受けている人なども発病リスクが高いことが判明しています。

【結核の感染のと初期症状】
結核患者の咳やくしゃみなどで結核菌が飛散し、それを吸い込むことで感染が起こります(空気感染)。
通常では結核に感染しても免疫力によって、結核菌の増殖を抑え込みます。
ただし、結核菌はしぶといので、体内で休眠状態で生き続け、免疫力が低下したら発症することがあります。
肺結核を発病した初期症状は、風邪と間違えられますが、咳・痰・発熱などの症状が出ます。
しかし、それが2週間以上続く場合は、結核の疑いもあります。
早期発見で治りやすくなりますし、周囲の人に感染させるリスクも低くなります。

【結核の検査】
・胸部レントゲン線検査
殆どの結核は肺に病巣をつくるので、胸のレントゲン検査は有効です。
・ツベルクリン反応検査
結核に感染した人やBCGワクチンを受けている人は、皮膚が赤く反応します。
・血液検査
BCGワクチンの影響を受けないので、多く実施されています。
・喀痰検査
痰を顕微鏡で調べ、結核菌が含まれていないか確認します。

【結核の治療法】
検査で陽性だった場合、感染症法に基づき、専門の医療機関に入院して治療を受けます。
その場合は保健所から連絡が入ります。
入院期間は約2~3か月で、排菌が止まり、他の人に感染させる恐れがないと確認されてから退院となり、通院治療に移ります。
退院後は、経過や病状によってだいたい6か月間、服薬治療を行います。
服薬が不規則だったり、中断すると、症状が悪化したり、薬剤耐性菌(薬が効かない菌)をつくってしまうので要注意です。

・高齢者施設の入所に関して
入居時にはレントゲン検査を実施して、結核の感染が無いかを確認することが必要です。





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