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2024.02.02
相談員ブログ

高齢者と低体温症

【低体温症とは】
令和6年1月の能登半島地震で被災された方に、謹んでお見舞い申し上げます。
さて、この震災の報道でよく耳にする言葉に「低体温症」がありますが、避難所のみならず高齢者は低体温症リスクが高いので要注意です。
夏の熱中症はとても話題になるのですが、冬の低体温症で亡くなる方のほうが実は多いのです。
厚生労働省の調査によると、2000年から2001年の凍死者は約2万2千人で、熱中症の死者数約1万6千人を大きく上回っています。
低体温症で凍死した方のうちの8割が高齢者であったり、60歳代以上の低体温患者のうち、約4分の3が屋内で発症していているなどの報告もあります。
ですので、家にいれば大丈夫と安易に考えることは、低体温症になるリスクを招きかねません。
低体温とは、体の中心の温度(深部体温)が35度以下まで下がることを指します。
体温が下がり過ぎると命の危険にさらされたり、心臓病や血管疾患、神経疾患がある人は重症化する可能性も高いのです。

【高齢者の低体温症の原因】
下記のようなことが高齢者の低体温症を誘発しやすい原因となっています。
・筋肉の減少
筋肉には熱を作り出す働きがありますが、高齢になり筋肉が衰えることで、熱を作れなくなる。
・食事量の低下
食欲や食事量が低下することで、食事から作り出される熱量が減少する。
・体温調整機能の低下
汗腺の機能が低下して汗をかく量が減り、体温調整が上手くいかなくなる。
・皮下脂肪の減少
加齢による皮下脂肪の減少のために、体熱が放散されやすくなる。
・身体機能の低下
体の表面の血液を中心部に効率よく戻せなくなる。

【低体温症の症状】
・兆候
身体の震え(シバリング)、動作緩慢、倦怠感、過呼吸、多尿
・軽度
身体の震えが激しくなる、思考能力の低下、歯がカチカチ鳴る、無表情、頻脈
・中度
身体の震えが止まる、無動、意識障害
・重度
心拍・呼吸が遅くなる、昏睡状態になる

【低体温症の予防と対処法】
[身体]
・服が濡れていたら、乾いた服に着替える。
・ヒートテックなど発熱する下着を着る。
・お腹・胸・背中・首回りを温める。
・毛布でくるむ。
・湯たんぽやカイロで心臓近くを温める。
[食]
・温かい飲み物や食べ物を摂取する。
・たんぱく質は体温を速やかに上昇させるので、たんぱく質を取る。
[住]
・暖房器具で室温を高める。18度以上は保つようにする。

低体温症が中度以上になっている場合はためらわず、救急車を呼びましょう。





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