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2024.02.06
相談員ブログ

高齢者とエコノミークラス症候群

【エコノミークラス症候群とは】
令和6年1月の能登半島地震の報道を見るたび、心痛めるとともに、被災された方の避難先での健康面についても心配します。
避難所などのプライベートが少ない空間では、トイレに行くこともはばかられてじっとしていたり、車中泊でずっと座り続けていることから、エコノミークラス症候群が起きることをが懸念されます。
エコノミークラス症候群は「深部静脈肺血栓症」や「肺塞栓症」という病気の総称です。
足を動かさないと血行不良となり、血液が固まりやすくなります。
そこでできた血の塊が肺に流れてしまうことで、血管が詰まってしまうのです。
状況によっては呼吸困難や窒息状態となり、最悪の場合は突然死につながってしまうこともありうるのです。
災害時云々に限らず、エコノミークラス症候群は、高齢者の日常生活でも起こりやすい現象です。
一日中、座りっぱなしで足を動かさないでいる時間が長いと、家の中でもエコノミークラス症候群を起こしてしまうことがあるのです。

【エコノミークラス症候群の原因】
・静脈の血管に損傷あり
血管が何らかの要因で傷つき、血栓ができるとエコノミークラス症候群を起こしやすくなります。
・静脈の血流がよどんでいる
足の筋肉は「第二の心臓」とも呼ばれ、足の筋肉の収縮と弛緩がポンプの役割をして、静脈の流れをつくります。
しかし、長時間足を動かさないでいると、静脈の流れが滞って血栓ができやすくなります。
・血管が固まりやすい体質がある
血液が固まりやすい体質や病気があると、エコノミークラス症候群を起こしやすいです。
・その他
活動量・筋肉量・心臓機能の低下もエコノミークラス症候群の要因になります。

【エコノミークラス症候群の症状】
初期症状としては、太ももからひざ下の脚の皮膚が赤くなったり、腫れたり痛みが出てきます。
血の塊ができ足の静脈に血栓ができるのが「深部静脈血栓症」と言われる病気で、血栓が肺の血管をふさいでしまう「肺塞栓症」という病気につながっていきます。
呼吸困難や、胸の痛み、息切れなどが生じてきて、重症化すると意識を失い、命にもかかわることがあります。

【エコノミークラス症候群の予防と対策】
予防や対策として、次のことを心掛けましょう。
・こまめに水分補給をする。
・睡眠時をのぞいて、1~3時間に1回を目安に、ストレッチや屈伸運動、体操をする。
・ゆったりした服装にして、ベルトは強く締めない。
・かかとの上げ下げをしたり、ふくらはぎをほぐしたりする。
・就寝時には、足を高めに上げておく。
・アルコールを控え、できれば禁煙する。

被災された方たちが早く日常の生活に戻れますように、健康でいられますよう、念じます。



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