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2024.05.13
相談員ブログ

不随意運動について

【不随意運動とは】
随意運動とは、自分の意思や意図に基づく運動を言い、目的を持った運動です。
その一方、不随意運動とは、自分の意思に反して、身体の一部が勝手に動いてしまう現象です。
主に脳梗塞や脳出血、神経変性疾患などの大脳基底核の病変により発生しますが、脳幹や小脳の病変でも起こることがあります。
心因性の場合や、甲状腺に支障が起こり交感神経に障害が起こる場合もあります。
また、薬の副作用でも発生することもあるのですが、原因不明なこともあります。

【不随意運動の種類】
主な不随意運動について以下に記載します。

・振戦
最も多い不随意運動で、律動的に細かく振動するような運動をいいます。
振戦はじっとしている時に生じる「安静時振戦」、ある姿勢時に出現しやすい「姿勢時振戦」、何かの動作をした時に起こる「運動時振戦」、目標に向かうと強まる「企図振戦」に分類されます。
四肢、頸部、体幹など全身のどこにも起こります。

・チック
肩、顔面などに起こり、比較的急激な反復運動です。
例えば、まばたき、顔をしかめる、眉間にしわを寄せるなどの動作です。
精神的な緊張や心理的なストレスにより起こることが多いです。

・バリスムス
四肢を振り回すような大きく激しい運動をします。
脳梗塞や脳出血で見られることがあります。

・アテトーゼ
四肢末梢の手指や足趾、舌などに生じます。.
上下肢や頭をゆっくりくねらせる動きをしますが、持続的にその運動が続きます。
脳性麻痺や脳血管障害などで見られます。

・舞踏病
首、背骨、上下肢の付け根部に起こり、短くやや速く激しい不規則な運動をします。
手を曲げたり伸ばしたり、首を回したり、四肢や顔に顕著に現れ、患者の動作が舞踏しているように見えるのが特徴です。
ハンチントン病や全身性エリテマトーデスなどで見られます。

・ミオクローヌス
上下肢、全身に生じる、短時間による筋萎縮です。
筋あるいは筋群の一部が急激に力強くピクッと動き、すぐまたもとに戻ります。
代謝異常で多く見られますが、肝不全、腎不全、アルツハイマー病やクロイツフェルト・ヤコブ病でも見られます。

・ジストニア
中央神経系の障害によって起こり、長時間続く持続性の筋収縮によって異常な姿勢を取ります。
頸部の異常姿勢を示す痙性斜頸(けいせいしゃけい)や、字を書きにくくなる書痙(しょけい)なども起こります。

・ジスキネジア
抗精神薬の長期投与で見られたり、パーキンソン病のレボドバ長期治療での副作用が原因で起こることがあります。
口をもぐもぐさせたり、舌を左右に動かしたり、歯を食いしばる、目をなかなか開かない、勝手に手足が動くなどの運動をします。

【不随意運動の治療】
不随意運動は部分的に制御可能な場合があります。
いつ出現するか、どうすると増減するかなど、行動面から悪化しないように対処します。
また、発症具合によっては福祉用具や補助具、環境整備を工夫することで、生活の質を保つこともできます。
治療としては、一般的に薬物治療、ポツリヌス治療、手術が行われます。
最近では脳の深部を電気刺激する「脳深部刺激療法」も増加してきています。

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