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2024.06.05
相談員ブログ

ストーマについて

【ストーマとは】
ストーマとはギリシア語で「口」を意味しますが、手術によって腹壁に作られた排泄口のことです。
消化管の一部を排泄口として腹壁に造設している「人工肛門」を「消化器ストーマ」と呼び、尿の排泄口として尿管を直接腹壁に出したり、切断した腸管を使い新しい尿路と排泄口を造設する「人工膀胱」を「尿路ストーマ」と呼びます。
ストーマを造設した人のことを「オストメイト」と呼びます。
ストーマは人それぞれに大きさや形状が異なります。
ストーマは術後落ち着くと赤色になりますが、それは粘膜である故です。
腸や尿管そのものが直接腹壁に出ているのですが、神経が無く傷つきやすいので、取り扱いには注意が必要です。
しかし、入浴や運動、旅行なども通常通りにできるので安心して暮らすことができます。

【ストーマ造設の原因となる疾患や障害】
「消化器ストーマ」は下記のような疾患や障害などによって造設されます。
・大腸がん
S状結腸、直腸がんが多くを占めます。直腸がんを切除する際に肛門括約筋も切除して、ストーマを造設することが多いです。
・炎症性腸疾患
潰瘍性大腸炎やクローン病などで腸に炎症が生じ、薬剤で効果がない場合はストーマが造設される場合があります。
・家族性大腸腺腫症
多数の結腸ポリープが形成され、放置しているとがんを生じる遺伝性疾患です。
・腸管通過障害
消化管(胃・膵臓・肝臓など)のがんや子宮・卵巣のがんが、腹膜や腸管への転移による腸管の通過障害を起こし、閉塞を解除するためにストーマを造設します。
・外傷
・先天性欠損

「尿路ストーマ」は下記のような疾患や障害などによって造設されます。
・がんのために膀胱や尿管を切除した人
・がんや病気の炎症などで尿がうまく排泄できなくなった人

【ストーマの取り扱い】
ストーマには排泄物をコントロールする括約筋がないので、便意や尿意を感じることはなく、常に排泄物が出ている状態になります。
そのため、排泄物を溜めるためのストーマ装具を排泄口に装着して、溜まったらトイレへ流す必要があります。
ストーマ装具は面板とパウチからできています。
面板とパウチが一体化している物はワンピース装具(単品系)と言い、別々になっている物はツーピース装具(二品系)と言います。
交換時はワンピース装具は面板とストマ袋を一度に交換し、ツーピース装具は面板を付けたままストマ袋を交換することができます。

【ストーマケアの注意点】
介護施設などでストーマケアを行う際に、以下の点に注意しておくことが肝心です。
・ストーマの状態と皮膚の観察
ストーマにトラブルがあると、変色したり出血するので、注意が必要です。
また、その周囲の皮膚が排泄物でかぶれたりしていないか、都度観察を怠らないようにします。
・便の状態を確認
ストーマを造設することで腸が短くなり、下痢しやすくなります。
下痢をすることで皮膚かぶれや脱水にもつながりますので、下痢止めや水分補給にも心がけましょう。
・食事の注意
食物繊維が多く含まれる食事を多く食べると、繊維がストーマに引っ掛かり便の排出が滞りやすくなるので注意が必要です。
・臭いの対策
パウチに溜まった排泄物を処理する際に、しっかり拭き取らないと臭いが発生しやすくなります。
ストーマ装具に対する消臭剤も販売されていますので、利用するのも良いでしょう。
・プライバシーの保護
パウチに溜まった排泄物を人に見られないようにしたり、入浴の際も他の人にストーマを見られないように配慮しましょう。
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