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2026.04.30
相談員ブログ

いびきだけではない?高齢者に増える睡眠時無呼吸症候群の見逃しサイン

【睡眠時無呼吸症候群とは何か】
睡眠時無呼吸症候群とは、眠っている間に呼吸が何度も止まったり、浅くなったりする状態を指します。一般的には「10秒以上の呼吸停止や、呼吸が浅くなる状態」が繰り返されることで診断の対象となります。
本人は眠っているため自覚しにくいのですが、体の中では「酸素不足」と「浅い覚醒」が何度も起こっています。その結果、しっかり眠っているつもりでも、実際には疲れが取れていない状態になります。
よくある「いびき」との違いが分かりにくいのですが、いびきの中に呼吸が止まる時間がある場合、それは体からの重要なサインである可能性があります。

【なぜ起こるのか―高齢者に特徴的な背景】
多くの場合、のどの奥の空気の通り道(気道)が狭くなることで起こります。
原因としてもよく知られているのは肥満ですが、高齢者では少し事情が異なります。
年齢とともに筋力が低下するように、のどの周りの筋肉もゆるんでしまいます。そのため、太っていなくても、またあごが小さいなどの体格によっても、寝ている間に気道が塞がれやすくなるのです。
特に注意したいのが、飲酒や睡眠薬の影響です。これらには筋肉をリラックスさせる作用があるため、のどの筋肉が通常以上にゆるみ、空気の通り道を塞いでしまいます。さらに、脳の「苦しければ起きる」という防衛反応も鈍くなるため、呼吸が止まっている時間がより長くなってしまう危険があるのです。「太っていないから」と安心せず、むしろ注意が必要なポイントと言えます。

【高齢者で見逃されやすい理由】
睡眠時無呼吸症候群というと、「日中に強い眠気が出る」と思われがちですが、高齢者では必ずしもそうとは限りません。むしろ、次のような変化として現れることがあります。
・夜中に何度も目が覚める
・朝起きてもすっきりせず、体がだるい(倦怠感)
・日中ぼんやりしたり、やる気が起きなかったりする(意欲低下)
・寝相が異常に悪かったり、激しい寝言を言ったりする
さらに意外なサインが「夜間のトイレの回数が増える(夜間頻尿)」ことです。実は、呼吸が苦しくなると心臓に負担がかかり、体は「水分を外に出して心臓を楽にしよう」という信号を出してしまいます。これを「年のせい」と思い込んでしまうことが、発見を遅らせる原因の一つとなっています。

【放置するとどうなるのか】
この状態を放置すると、単に眠りの質が悪いだけでは済みません。呼吸が止まるたびに脳や体は強いストレスを受け、血圧や心臓に負担がかかります。その結果、高血圧、心臓の病気、脳卒中
といった命に関わる病気のリスクが高まります。
また、近年の研究では、睡眠中の酸素不足が脳にダメージを与え、認知症の原因物質が蓄積しやすくなる可能性や、日中のふらつきによる転倒リスクを高めることも指摘されています。

【家族や周囲が気づくポイント】
この病気は、本人よりも周囲の人が気づくことが少なくありません。特に注意したいのは次のような様子です。
・大きないびきをかいている
・いびきが急に止まり、その後に「ガッ!」と大きく息を吹き返す
・寝ているときに苦しそうにもがいている
・日中、座るとうとうとしてしまう
中でも「いびきが止まる瞬間」は、実際に呼吸が止まっている可能性が高い、非常に重要なサインです。

【検査と治療について】
気になる場合は医療機関での検査が必要です。最近では自宅で寝る時に装置をつけるだけの「簡易検査」もあり、体への負担はそれほど大きくありません。治療法にはいくつか選択肢があります。
・CPAP(シーパップ):寝ている間にマスクから空気を送り、気道を広げる治療
・マウスピース:下あごを少し前に出すように固定する器具
・生活習慣の工夫:減量や節酒、または「横向き」で寝る工夫など
特にCPAPは、適切に使用することで眠りの質が劇的に改善し、心臓や脳への負担を大幅に軽減できることが証明されています。

【介護の現場で考えたいこと】
介護の場面では、「夜眠れない」「昼間ぼんやりしている」といった様子を、加齢や認知症の進行と捉えてしまいがちです。しかし、その背景に「眠りの質」の問題が隠れていないか、一度視点を変えて観察することが重要です。
また、治療機器の使用には周囲の理解とサポートが欠かせません。家族や介護職が本人の「眠りやすさ」に寄り添うことで、治療がスムーズに進み、結果として本人の元気な時間が増えるケースも多くあります。

【まとめ―何気ない変化の中にヒントがある】
睡眠時無呼吸症候群は、本人も気がつかないうちに健康を蝕む病気です。しかし、「いびき」「夜間のトイレ」「日中のだるさ」といった何気ない変化の中に、解決のヒントが隠れています。
高齢者の場合、それらは「年のせい」と見過ごされがちですが、実は体からの切実なSOSかもしれません。少し気にかけて、専門医に相談してみること。その一歩が、健やかな毎日を守ることにつながります。
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