1. 老人ホーム相談プラザトップ
  2. お知らせ
  3. 褥瘡(床ずれ)について
2023.10.04
相談員ブログ

褥瘡(床ずれ)について

【褥瘡(じょくそう)とは】
「入居後に褥瘡(床ずれ)ができてしまうことや、脱水症をおこしてしまうことは、施設の恥」と言われたりします。両方とも細やかな状況観察の欠如や、対応の不備から起こることです。
褥瘡は数時間でも発症してしまうことがあるので、身体状況・養分摂取量・体位交換に気を付けなければなりません。

褥瘡は、寝たきりなどで体重により圧迫された部位の血流が滞ることで、皮膚の一部が赤くなったり、ただれたり、傷ができてしまうことです。
その程度は「時間」と「圧迫力」によって変わってくるのです。
重篤になると筋肉や骨にまで及ぶことがあり、生命の危険を及ぼすことさあえあるので要注意です。
褥瘡が起こりやすい人は、
・長時間にわたり、寝たきり状態の人
・糖尿病などの神経障害があり、痛みやしびれを感じにくい人
・栄養状態が悪い人
・皮膚が弱くなっている人
です。

【褥瘡のできやすい部位】
骨が突き出ている部位は、褥瘡ができやすくなります。そして、身体の向きや姿勢によって発症する箇所が異なってきます。
・仰臥位(仰向け)の場合
 後頭部 肩甲部 仙骨部 かかと
・側臥位(横向け)の場合
 耳 肩 肘 腸骨 膝 くるぶし
・座位の場合
 背部 尾骨 座骨

【褥瘡の症状】
褥瘡が発症して1~3週間は急激に変化が見られるため、急性期褥瘡と呼ばれます。
初期症状としては、圧迫された部位が赤くなり、浮腫や水疱が出てきます。また、浅いびらんも見られます。
急性期を過ぎてくると、徐々に黒ずんできて、壊死組織が出てきます。
褥瘡が進行すると皮膚の下にポケット(空洞)をつくったり、浸出液が多くなります。この時期を慢性期褥瘡と呼びます。
この時期になると深さが正確に評価されるようになります。

NPUAP(米国褥瘡諮問委員会)によると以下のようにステージ分類されます。
・ステージ1
 皮膚に圧迫しても消えない発赤や、皮膚内出血が見られる。 
・ステージ2
 表皮剥離して、真皮層が露出したり、水疱ができる。
・ステージ3
 組織欠陥が皮下組織に及ぶ。
・ステージ4
 組織欠陥が筋肉や骨にまで至り、感染を伴いやすい。

【褥瘡の予防法】
褥瘡は一度できてしまうと、完治するまでに時間がかかるものです。そのため、予防はとても重要です。
・体位交換を定期的に行う。
 身体の同じ部位に圧力がかかり続けないように、2時間に1回くらいに身体の向きや姿勢を変えます。
・体圧分散用具を活用する。
 クッションやエアマットレスなど用い、体圧を分散させます。
・栄養評価を行い、十分な栄養状態を保つ。
 バランス良い食事と適度な水分を補給し、栄養状態を良好に保ちましょう。
・身体の清潔を保持する。
 排泄物や汗が付着した状態にはせず、皮膚を清潔に保つようにしましょう。

褥瘡は予防ができるものですから、こまめに観察しケアするようにしましょう。






  1. 老人ホーム相談プラザトップ
  2. お知らせ
  3. 褥瘡(床ずれ)について
お気軽に相談員にお尋ねください