1. 老人ホーム相談プラザトップ
  2. お知らせ
  3. パーキンソン病について
2023.10.12
相談員ブログ

パーキンソン病について

【パーキンソン病とは】
神経難病の中でも最も患者さんが多い疾患で、厚生労働省の指定難病になります。
人口10万人あたり、100~120人の患者さんがおられます。
令和3年度末時点では約14万人の方が指定難病の受給者と認定されていて、全ての指定難病の中で最多なのです。
パーキンソン病の原因は脳内のドーパミン神経細胞の減少によるものです。
体を動かす際に脳の大脳皮質から筋肉に運動の指令が伝わります。
この時、運動の指令を出しているのが神経伝達物資ドーパミンです。
ドーパミンは脳の奥にあるドーパミン神経で作られているのですが、パーキンソン病になるとこのドーパミン神経が減少して、ドーパミンが十分につくられなくなるのです。
そのため、運動調節が上手くいかなくなり、体の動きに障害が現れるのです。

【パーキンソン病の症状】
パーキンソン病の症状には、運動症状と非運動症状があります。
パーキンソン病によく似た症状が状が現れることを「パーキンソン症候群」あるいは「パーキンソニズム」と呼ばれます。
それぞれ対処する治療法が違うので、専門医の診断を受ける必要があります。

Ⅰ運動症状
・手足が震える振戦
安静時に手足が小刻みに震えます。
・筋肉がこわばる筋固縮
筋肉がこわばり、スムーズに動かなくなります。歯車のように規則的な動きになったり、こわばりが続いたりします。
・動きが鈍くなる無道・寡動
素早く身体を動かせなくなります。歩く速度が遅くなり、腕の振りも小さくなります。また、同時にいくつかの動作をすることが難しくなります。
その他の症状としては嚥下障害、話し声が小さく単調になったりします。
・身体のバランスが取りにくくなる姿勢反射障害
重心がぐらついた時に、元の体制に戻せず、転倒することがあります。

Ⅱ非運動症状
・臭覚低下
・便秘
・頻尿や排尿困難
・立ち眩み
・起立性低血圧
・睡眠障害
・レム睡眠行動異常症
・記憶障害
・うつ症状
・幻覚・妄想

【パーキンソン病の進行度合い】
パーキンソン病の程度を表すのにホーン・ヤール重症度と生活機能障害度という分類が使われます。

ホーン・ヤール重症度は5段階です。
①ヤールⅠ度
腕や足の震えが片側だけに現れ、症状がごく経度。
②ヤールⅡ度
手足の両側に震えが現れ、生活に不便を感じることが多くなります。
③ヤールⅢ度
姿勢反射障害が現れてきます。歩き出したら止まらなくなったり、バランスを崩して転倒しやすくなり、日常生活に支障をきたすようになります。
④ヤールⅣ度
歩行はかろうじて可能なものの、生活全般に支障が出て、生活に一部介助が必要となります。
⑤ヤールⅤ度
立つことが不可能で、車いすがベッド上での生活になります。日常生活に全面的な介助jが必要となります。

厚生労働省が示した生活機能障害度は三段階に区分されています。
①生活機能障害度Ⅰ度
ヤールⅠ~Ⅲ度 日常生活、通院にほぼ介助を要しない。
②生活機能障害度Ⅱ度
ヤールⅣ度 日常生活、通院に部分的に介助を要する。
③生活機能障害度Ⅲ度
ヤールⅤ度 日常生活に全面的介助を要し、独立では歩行起立不能。

【パーキンソン病はゆっくり進行する】
パーキンソン病は何年もかけてゆっくり進行します。
早く治療を始めれば、効果的な治療薬もあるため、良好な状態が保たれ、日常生活に支障なく暮らすことも可能です。
パーキンソン病の治療目標は治すことではなく、症状の緩和と日常生活の維持になります。
症状や状況に合わせた内服調整やリハビリテーションが重要になります。




  1. 老人ホーム相談プラザトップ
  2. お知らせ
  3. パーキンソン病について
お気軽に相談員にお尋ねください