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2023.10.17
相談員ブログ

痰について

【痰が吐き出せない】
「夜間も痰の吸引が必要なら、24時間看護師が勤務している老人ホームでないといけませんね。
もしくは喀痰吸引等研修を受けた介護職員を夜間も配置しているホームを探さないと」
老人ホームの入居相談時によくある会話です。
「年を取ると痰が増えるものなのね」
と、ご家族の方がポツリと呟かれたのですが、説明が長くなりそうなので、割愛してしまいました。
実は、健常者でも1日あたり60~100mlの分泌物が、肺や気道から出されますが、咽頭に達するのは10ml位しかないので無意識のうちに飲み込んでしまっているのです。
高齢になると喉の筋肉が衰え、嚥下機能が低下して、痰がたまりやすくなります。
以前は自力で吐き出せていても、加齢の影響で難しくなるものです。

【何故痰が出たり、絡むのか】
鼻や口を肺へつなぐ気道は常に濡れた状態であるために分泌物を出しています。
気道が乾けばウイルスなどに感染しやすくなるからです。
異物(ウイルスや細菌など)が気道に入るとこの分泌物の量が増えて、異物に絡まり、粘り気や色のついた痰となって吐き出されます。
痰が出るとは、体が正常な防衛反応をしているということです。
気道内にある繊毛が、異物を絡めた痰を外へ排出するために、下気道から上気道へと運びあげます。
痰をいち早く体外へ追い出すために、くしゃみや咳を伴うこともあります。
健康な状態の痰はサラサラしていますが、異物が気道に入ると、それを排出するために粘り気が出るようになります。
痰が粘り気を増すと気道の繊毛運動が鈍くなり、痰が溜まっってしまい、のどに絡む状態になってしまいます。

【喀痰吸引について】
喀痰吸引とは唾液や鼻水、そして痰を吸引する行為を指します。
健常者であれば、鼻をかんで鼻水を出したり、口から唾液を吐き出したり、痰をくしゃみや咳などで出したり、あるいは飲み込んだりすることができます。
しかし、何らかの要因で、勢いある呼気ができなくなったり、弱い咳込みしかできなかったり、反射的な嚥下ができない人には喀痰吸引が必要となります。
吸引には3つの方法があります。
鼻の穴からカテーテルを入れる「鼻腔内吸引」、口にカテーテルを入れる「口腔内吸引」、気管切開をしている場合は気管カニューレ内にカテーテルを入れる「気管カニューレ内吸引」があります。

【痰を取り除く意味】
痰が溜まることでどのようなリスクがあり、痰を取り除くことでどのような効果があるのか、まとめました。
・息切れの軽減
気道に痰があると、空気の通り道が狭くなり、呼吸する際に通常以上に負担が生じます。
・感染予防になる
痰が溜まることで、ばい菌が溜まりやすくなり、肺炎など起こしやすくなります。
・無気肺の改善になる
痰により肺が閉塞・狭窄してしまい、肺が押しつぶされたような状態になってしまいます。
・生活の質の改善になる
痰は気道を狭めて咳を誘発し、体力を消耗したり、睡眠を妨げたりします。






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