1. 老人ホーム相談プラザトップ
  2. お知らせ
  3. 老人ホームでの看取りについて
2023.10.23
相談員ブログ

老人ホームでの看取りについて

【看取りとは】
病院で看取りをされる方が8割を占めると言われていますが、近年では老人ホームでもお看取りを行うことが増えてきました。
高齢者をお世話されているご家族で、「そろそろ、老人ホームを探さないと」とお考えの方は、「看取り」についても頭の片隅に置きながら施設選びをされることをお勧めします。

では、看取りについて、深めていきましょう。
看取りとは、「近い将来、死が避けられないとされた人に対し、身体的苦痛や精神的苦痛を緩和・軽減するとともに、人生の最期まで尊厳ある生活を支援すること」と定義付けられています。
(※全国老人福祉施設協議会 看取り介護実践フォーラムにて)
つまり、延命治療は行わず、本人らしい最期が送られるよう、身体的・精神的苦痛を緩和して、日常の生活介助を行うことを意味します。

「看取り介護」とよく混同されるのが「ターミナルケア(終末期医療)」ですが、「緩和ケア」「エンゼルケア」「グリーフケア」についても簡単にまとめておきます。
・ターミナルケア(終末期医療)
死が近い人に対して、点滴や酸素吸入などの医療・看護的なケアを行うことです。
終末期における看護・医療行為を指します。
・緩和ケア
死期が近づいた場合だけでなく、治療時から心身の苦痛や痛みを和らげる医療処置を含むケアです。
・エンゼルケア
亡くなった方に対して行う死後処置のことで、ご本人を送り出す準備とともに、ご家族対応や臨終後のすべてのケアを含んでいます。
・グリーフケア
死別の悲しみを抱えるご家族に寄り添い、回復のサポートをすることを意味し、「遺族ケア」とも呼ばれます。

【老人ホームでの看取りの段階】
看取り介護には下記のような段階があります。
①適応期
老人ホームでの生活に慣れていきます。
老人ホームに入居して、看取りケアを申し込む時に「事前の意向確認書」を提出します。
細かい点に関しては、常に変更可能となっています。
②安定期
精神的・身体的に安定している状態。
老人ホームでの生活を楽しむようになります。
③不安定期
精神・身体的に不安定な状態。
本人の状態変化に応じて、本人と家族の意向を確認します。
④終末期
既往症などが悪化し、身体状態が低下している状態。
適切なケアを行い、ご本人やご家族の意向を確認します。
医師によって、回復の見込みがないと診断されると、看取りケアに移行します。
⑤看取り期
医師が家族に死期が近いことを伝え、看取りケアの同意を得ます。
ご家族が看取りケアの同意を得ない場合は、医療機関などに搬送となります。

【看取り介護で行われる3種類のケア】
実際に老人ホームで看取り期に行われるケアは大別して3つあります。
ご本人に対する身体的ケアと精神的ケア、そしてご家族に対するケアが行われます。
①ご本人への身体的ケア
・バイタルサインの確認
・居室の照明や室温などの環境整備
・清拭(入浴)
・褥瘡ケア、口腔ケア、排泄ケア
・体位変換や身体的苦痛の緩和
・栄養や水分補給
・定期的な居室巡回
ご本人ができるだけ安らかに過ごせる環境をつくり、定期巡回やバイタルチェックで些細な変化に気づけるようにします。
②ご本人の精神的ケア
・継続的なコミュニケーション、声掛け、スキンシップ
・生活の質を保ち、人権、プライバシーを尊重する
・安心できる環境の提供をする
できる限り、ご本人の側で声掛けやスキンシップを図り、不安やストレス軽減することに注力します。
③ご家族へのケア
・ご家族の身体・精神面への配慮
・ご家族の希望、心配事への対応
・専門職種・専門機関へ相談できる環境整備
・死後のサポート(グリーフケア)
ご家族のお気持ちを配慮し、サポートすることが大切になります。

【看取りを行う介護施設】
看取りを行っている介護施設は、特別養護老人ホームや有料老人ホーム、グループホームなどが基本的には対応しています。
しかしながら、職員の教育が行き届いていないとか、医療機関との連携が困難であるという理由で、看取りを行わない所もあるので注意しましょう。
リハビリテーションを目的とした老人保健施設や、自立の方が多く利用するサービス向け高齢者住宅でも看取りを行っている場合もあります。
また、近年ホスピスも増加しています。
ホスピスとは、余命が限られた方に対して、人生の最後を穏やかに迎えるために様々な苦痛を和らげる治療やケアを行う施設です。

2022年に国内で死亡した日本人は156万人余りで、統計を取り始めてから過去最高となりました。
今後も増加傾向は続き、2040年には約167万人と予想されます。
まさに「多死社会」となってきています。
看取りを行う場所を深く吟味しなければならない時代となってきています。






  1. 老人ホーム相談プラザトップ
  2. お知らせ
  3. 老人ホームでの看取りについて
お気軽に相談員にお尋ねください