1. 老人ホーム相談プラザトップ
  2. お知らせ
  3. 肝硬変について
2023.10.30
相談員ブログ

肝硬変について

【肝硬変とは】
慢性肝疾患において肝細胞が破壊と再生を繰り返すうちに、肝臓の表面にかさぶたのような線維化が起こります。
これが進行すると肝細胞の周囲が線維化された状態で囲まれ、肝硬変となるのです。
その病名のとおり、肝臓全体が硬くなって委縮し、肝臓の機能を果たさなくなります。
線維化が重度化してしまうと元に戻すことは困難なため、早めに発見し治療を開始する必要性があります。

【肝硬変の原因】
肝硬変の主な原因は、肝炎ウイルス・飲酒・脂肪肝です。
日本では肝炎ウイルス感染に起因しているものが多いと言われていて、特にC型肝炎ウイルスとB型肝炎ウイルスが多いのです。
次いで飲酒(アルコール性肝障害)となっています。
最近では肥満・過食・運動不足・糖尿病などの生活習慣病から発症する、非アルコール性脂肪肝炎による肝硬変も見受けられるようになってきました。
その他にも自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝炎などが原因となることもあります。

【肝硬変の症状】
・初期 基本的に無症状(代替性肝硬変)
初期段階では肝臓は通常通り機能して、無症状であることが多いです。なかには倦怠感・疲労感・食欲不振を訴える人もいます。
・中期~末期 症状あり(非代替肝硬変)
黄疸 皮膚や目の結膜が黄色くなる。
腹水・浮腫 腹に水がたまる、腹部が張る、手足がむくむ。
クモ状血管拡張 毛細血管が拡張して赤く盛り上がる。
手掌紅班 手の親指や小指の付け根、両手のひらが赤くなる。
女性化乳房 男性の乳房や乳首が大きくなる。
羽ばたき振戦 自分の意思と無関係に手指が震える。
出血傾向 肝臓でつくられる血液を固まらせる凝固因子の低下で、血が止まりにくかったり、出血しやすくなったりする。
・肝硬変が進行すると
肝不全、肝臓がん、胃食道静脈瘤、肝性脳症などの様々な合併症を伴います。

【肝硬変の分類】
肝硬変の重症度は{Child-Pugh(チャイルド・ビュー)分類で判定することができます。
脳症・腹水・血清ビルルビン値・血清アルブミン値・プロトロン活性値を点数にした合計点で分類します。
グレードA(軽度) 代替性肝硬変 軽度の肝硬変で肝臓の機能が何とか保たれています。
グレードB(中度) 中程度の肝硬変で、軽度な症状や合併症が現れます。
グレードC(重度) 非代償性肝硬変 重度の肝硬変で肝臓の機能が維持できなくなり、様々な症状や合併症が現れます。

【肝硬変の予防】
肝硬変で多く原因となっているB型肝炎ウイルス・C型肝炎ウイルスは、血液を媒介して感染します。
特にB型肝炎ウイルスの感染力は強いので、性行為や、カミソリ・歯ブラシなどの共有でも感染の恐れがあるので、注意しないといけません。
アルコールを飲む習慣がある人は、肝硬変のみならず肝臓疾患の原因にも繋がるので、過度なアルコール摂取は控えるようにしましょう。
また、非アルコール性脂肪性肝疾患は、脂肪分の多い食事や運動不足により肝硬変を発症します。
肝臓は沈黙の臓器と呼ばれますが、初期段階では殆ど自覚症状がありません。
障害が現れた時には、既にかなり症状が進行しております。
肝硬変に対する有効な治療法や薬剤はまだまだ開発されていないので、肝硬変の知識を身に付けて、予防に努めましょう。







  1. 老人ホーム相談プラザトップ
  2. お知らせ
  3. 肝硬変について
お気軽に相談員にお尋ねください