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2024.02.15
相談員ブログ

中心静脈栄養について

【静脈栄養とは】
静脈栄養には腕などの末梢静脈から投与する「末梢静脈栄養(PPN)」と、心臓に近い太い血管である中心静脈に水分・電解質・栄養など高カロリー輸液を投与する「中心静脈栄養(TPN)」があります。
食事が口からできない期間が1週間から10日までの場合は末梢静脈栄養が行われ、それ以上の長期間にわたり、消化器官の低下が見られている場合は中心静脈栄養が行われます。
なお、中心静脈栄養はIVHとも呼ばれますが、国際的にはTPNと呼ばれることが主流になってきています。
また、中心静脈カテーテルから輸液を投与するので、CV(中心静脈カテーテル)と呼ぶこともあります。

【中心静脈栄養のメリットとデメリット】
[メリット]
・長期間の利用が可能
体内に挿入したカテーテルは長期間の利用ができ、問題が起こらない限り留置しなおすことがありません。
・高カロリーを投与できる。
中心静脈は血液量が多く、血流も早いため、カロリーの高い輸液(1日1000~2500kcal)を確実に投与できます。
・患者の負担軽減
何度も針を抜き刺しする必要がなく、外出や入浴も可能です。
[デメリット]
・感染のリスク
カテーテルの挿入部から細菌が侵入して感染を起こすリスクがあります。
・消化機能の低下
消化器官を使わなくなるため、消化機能が低下してしまう恐れがあります。
・自己抜去のリスク
誤って何かに引っ掛けて抜けてしまったり、認知症の方がカテーテルを引き抜いてしまったりすると、出血や感染症の原因になります。

【中心静脈栄養の種類】
・体外式カテーテル
静脈に入れたカテーテルの一部を体の外に出し、そこに直接点滴を接続します。
入浴に制限があり、見た目を気にする人もいます。
・CVポート
皮膚の下に100円硬貨ほどの大きさのポートを埋め込み、皮膚の上からポートに針を刺して点滴します。
老人ホームでは感染症や入浴の観点から、ポートの造設を推奨することが多いです。
・PICC
上腕から挿入する中心静脈カテーテルです。
腕からカテーテルを挿入するため、管理や取り扱いがしやすく、感染症のリスクも低くなります。

【中心静脈栄養の注入方法】
・持続注入法
24時間かけて点滴し続ける注入方法。点滴のルート交換が週1~2回で済むので管理がしやすいのです。
・間欠注入法
1日に必要な輸液量を8~14時間で投与します。点滴から解放されるメリットがありますが、点滴のルートを毎日交換しなければなりません。

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