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2024.03.07
相談員ブログ

CPAPについて

【CPAP(シーパップ)とは】
人間は夜寝ている時も自然に呼吸しますが、夜間に呼吸が数回止まってしまう病気を「睡眠時無呼吸症候群SAS(Sleep Apnea Syndrome)」と言います。
治療には寝ている間の呼吸をサポートする装置を使用しますが、その中でも代表的なものがCPAPです。
CPAPとは、Continuous Positive Airway Pressureの略語で、日本語では「経鼻的持続陽圧呼吸療法」と言います。
CPAPは空気を送り込む本体と、空気が通るチューブ、鼻にあてるマスクで構成されています。
寝る前にマスクを装着をするだけで、特別な操作は必要ありません。
CPAP療法は1998年から健康保険適応になりました。

【睡眠時無呼吸症候群ついて】
睡眠時無呼吸症候群は、一晩(7時間)の睡眠中に10秒以上の無呼吸が30回以上、または睡眠1時間あたりの無呼吸数や低呼吸数が5回以上起こる状態と定義されています。
その原因は、肥満による首回りの脂肪・顎が小さいこと・扁桃腺肥大・舌の大きさなどにより、上気道(鼻から気管支あたり)が閉塞し、狭くなることが挙げられます。
低酸素状態が続くと、心臓や血管系の病気などにも影響を及ぼします。
睡眠中にひどいいびきを伴い、呼吸苦から熟睡できず、結果的に睡眠不足となります。
そのため、日中の強い眠気・倦怠感・気分の落ち込みなどの症状が現れ、作業パフォーマンスの低下や性格の変化をもたらすこともあります。

【CPAPのメリットとデメリット】
[メリット]
・無呼吸・低呼吸・いびきの解消
CPAPの使用により、無呼吸・低呼吸・いびきが解消されます。これにより日中の眠気が減少し、作業パフォーマンスが向上します。
また、いびきが無くなることで、家族に快適な睡眠が得られます。
・交通事故や労働災害のリスク低下
睡眠時無呼吸症候群の方は、日中の眠気や集中力の低下により、交通事故や労働災害に遭うリスクが通常の約2.6倍にも上ります。
CPAP治療を開始した2年後の調査では、事故率が半減したという結果が報告されています。
・高血圧や不整脈などの改善
CPAP治療により、自律神経の日内変動が改善され、高血圧や不整脈などの身体症状の改善につながります。
・副作用の少なさ
CPAP治療は薬品や手術を伴わないため、身体への負担が少なく、ほとんど副作用がありません。
・自分に適した空気圧の調整ができる
治療開始前にマスクや空気圧を自分仕様に調節し、自宅でも機器の設定や空気量の調整が簡単にできます。
[デメリット]
・装着時の違和感
マスクを着用して寝ることで、最初は寝づらさを感じてしまうことがあります。
また、鼻や口周りが赤くかぶれてしまうこともあります。
・鼻呼吸の必要性
睡眠時無呼吸症候群の方の場合、上気道が塞がっていることから口呼吸していることが多いので、鼻呼吸する習慣に切り替える必要があります。
・毎日のメンテナンスが不可欠
マスクやチューブの定期的な手入れが不可欠です。手入れを怠ると、カビが生えたりしますし、故障の原因になります。
また、マスクを固定するバンドも、定期的に洗浄しないと、肌荒れの原因になります。

【BiPAP(バイパップ)について】
CPAPと同様に、在宅でマスクを使用する治療法として「BiPAP」(Bilevel Positive Airway Pressure)があります。
CPAPが呼気を補助するのに対して、BiPAPは自発呼吸しているものの換気が不十分で二酸化炭素が十分に排出されない方に使用されます。
BiPAPは2つの圧設定ができます。高圧相と低圧相を交互に切り替え、圧力差で強制換気を行うのです。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)、肺結核後遺症、ALS(筋委縮性側索硬化症)や筋ジストロフィー、脊椎後側弯症などの方の換気補助に用いられています。
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