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2024.03.13
相談員ブログ

大腿骨頸部骨折について

【大腿骨頸部骨折とは】
大腿骨は股関節から直ぐのところで曲がっています。
曲がった部位を大腿骨頸部と呼び、大腿骨の先端の丸い部分を骨頭と呼びます。
上半身を大腿骨で支えていますが、曲がった部位は転倒や転落の時に外力が集中しやすく、骨折しやすくなっています。
骨の表面には折れた骨をくっつける外骨膜があるのですが、大腿骨頸部には外骨膜が無いので、完治しないままの「偽関節」になってしまうことがあります。
また、頸部には細い動脈が栄養を送っていますが、骨折をするとこの動脈が損傷していまい血流が悪くなり、骨頭の細胞が死んでしまう「大腿骨骨頭壊死」を引き起こすこともあります。

【大腿骨骨折の原因】
現在、大腿骨骨折は年間約25万件発生していて、50代以降から徐々に増え始め、70代以降に大きく増加しています。
高齢化に伴い視力・筋力・バランス感覚の低下が、転倒を起こしやすくします。
そして、何よりも一番の原因は、骨粗鬆症です。
大腿骨骨折は女性が男性の4倍で、女性の方が骨粗鬆症になりやすいことが大きな原因となっています。
骨がもろくなった高齢者は、軽く転んだだけ、ひねっただけでも骨折してしまいます。
骨折により動けない状態が長引くことで、筋力とともに更なる骨密度の低下が起こり、体位交換やおむつ交換で足を持ちあげただけでも大腿骨骨折を発症するケースさえあります。

【大腿骨頸部骨折の怖さ】
骨粗鬆症による骨折は連鎖を起こすことが多く、大腿骨骨折を起こすと反対側の脚も骨折を起こすリスクが4倍に高まり、1年以内に発生することが多いのです。
大腿骨頸部骨折が起こると、立つことも歩くことも困難になるので、通常の日常生活が送れなくなることが殆どです。
骨折前の状態に戻ることがなかなか難しく、要介護状態や車いす、あるいは寝たきりになる人も見られます。
活動量が減少するだけではなく、意欲の減退も著しくなります。
更に人と接する機会も減ることで、認知症を発症する人もいます。
時間や場所がわからなくなる意識の混乱や、褥瘡・肺炎・尿路感染・心不全などの合併症を起こす人も少なからずいます。

【大腿骨頸部骨折の手術】
大腿骨頸部骨折の治療には、骨折部位や状態に応じて骨接合術や人工骨頭置換術という手術を行うのが一般的です。
[骨接合術]
骨のずれが少ない場合に行われることが多く、骨折した部分を金属などの器具で固定して骨を結合する手術です。
比較的短時間で行える手術ですが、「偽関節」や「大腿骨骨頭壊死」などの合併を起こす可能性もあります。
[人工骨頭置換術]
骨が大きくずれている場合に行われることが多く、骨折した頸部から骨頭までを切除して、金属やセラミック製の人工骨頭に置き換える手術です。
手術時間は長めで輸血が必要になることもあり、手術後に細菌感染を起こすリスクも生じるので、身体への負担が多くなる手術です。
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