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2024.05.30
相談員ブログ

「おばあちゃん進化」について

【生物界での「おばあちゃん」の特異性】
多くの生物は生殖行為を終えると、その生命も果てていきます。
子育てをする生物も少なからずいますが、子育てを終えても老後をながらえる生物は珍しく、人類の女性が閉経後にも長く生き続けることは、科学者の間では謎とみなされてきました。
そこで、アメリカの人類学者のクリスチャン・ホークス氏は、「おばあちゃん仮説」を立てたのです。
家族の中に子育て経験豊かなおばあちゃんがいることで、その家族の子育てを助けることができる。だからそのような人たちが選択的に生き残ってきた、という考えなのです。
その研究は産業革命の時代に生きたフィンランド人とカナダ人を対象に分析されました。
おばあちゃんがいる孫の方が、おばあちゃんがいない子どもよりも生存率がはるかに高いものだったという結果なのでした。

【シャチにはおばあちゃんがいる】
哺乳類にもわずかながら閉経後も生き続ける生物がいて、シャチはその一種です。
シャチのメスは40歳くらいで閉経しますが、90歳まで生きます。その一方、オスは50歳ほどで寿命が尽きるのです。
アメリカのワシントン州とカナダのブリティッシュコロンビア州の沿岸に生息する2つのシャチの群れに関して、ダン・フランクス氏が40年分以上のデータを分析しました。
その結果、おばあちゃんシャチと一緒にいる孫の方が、そうでないシャチよりも生存率が高く繁殖成功率が向上するという研究結果を発表しました。
また、おばあちゃんシャチが死ぬと、その後2年間は孫の死亡率が大きく上がることもわかったのです。
シャチは母系集団で暮らすため、食料源などの情報を把握しているおばあちゃんシャチが、集団の命運を分けている可能性があると考えられています。
シャチはエサをかみちぎって子どもに与えねばならず、子育てに時間と手間がかかります。
これは人類も同様ですが、この問題を解決するためにおばあちゃんが登場したと考えられます。
シャチの世界では、子供や孫が生き延びたり、群れを増やしていくことに、おばあちゃんのサポートが絶大な効果を発揮することがわかりました。

【おばあちゃん進化】
生物のあらゆる行動や生活様式は、「種の保存」に直結しています。
種の保存のために生物は進化してきましたが、子孫を残すうえでプラスにならない行動様式は取りませんでしたので、子孫を残せない状態で生をながらえることは選択肢の中に入ってきませんでした。
それに対して、「おばあちゃん」の登場は生物の進化だと唱える学者もあり、「おばあちゃん進化」とも言われたりします。
おばあちゃんがもたらす集団への効果は人類が獲得した進化の結果だと考えれば、おばあちゃんに対する見方や接し方を改めて考え直す必要性を覚えます。
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