2024.05.31
相談員ブログ
高齢者と高血圧について
【高齢者の高血圧とは】血圧は加齢とともに上昇することから、高齢者には多くの高血圧の方がおられます。
厚労省の「令和元年国民健康・栄養調査」によると、70歳以上の高齢者の68.6%が高血圧だというデータがあります。
血圧は自覚症状が少ないために、気付かないうちに脳卒中や心臓病などを引き起こしてしまったり、生活の質を著しく低下させてしまうため、「サイレントキラー」と呼ばれています。
【高齢者が高血圧になりやすい理由】
高齢者の血圧が高くなりやすい理由は、血管の弾力性が低下することがあげられます。
加齢とともに血管も老化して厚く硬くなっていきます。この状態を「動脈硬化」と呼びます。
動脈硬化により血液の流れが悪くなると、心臓はより強い力で血液を送り出す必要があり、心臓から血液を送り出す際の「収縮期血圧(最高血圧)」が高くなってしまいます。
自律神経の働きも年齢ととともに低下してきて、血圧変動のリズムが乱れる原因になり、血液がスムーズに流れなくなってしまいます。
通常では血圧は夜間に低下していきますが、高齢になると自律神経の影響から夜間でも血圧が下がらないことがあります。
【高齢者の血圧の特徴】
高齢者の高血圧の特徴は以下のようなことがあります。
・収縮期血圧(最高血圧)と脈圧が増大しやすい。
・白衣高血圧が増える。
自宅で血圧測定すると正常値なのに、病院で測定すると高くなる症状です。
心理的ストレスなどが要因していると考えられています。
・夜に血圧が下がらないことが増える。
・早朝昇圧(モーニングサージ)が増える。
朝目覚めてベッドから起き上がる前後に血圧上昇が生じます。
・起立性低血圧や食後の血圧低下が増える。
起立性低血圧とは、急な起き上がりや立ち上がりをした時に血圧が低下することで、立ちくらみを起こすことです。
【高血圧から合併症を引き起こすリスク】
高血圧の合併症について以下のようなことが挙げられます。
[心臓・血管に関する合併症]
・高血圧性心肥大
高血圧が原因で、全身に血液を送るのに心臓に負荷がかかり、心臓の筋肉が厚くなる「心肥大」を引き起こします。
・狭心症
心臓の冠動脈が狭くなり、心臓の筋肉に十分な栄養や酸素が届かなくなる疾患です。
・心筋梗塞
冠動脈が動脈硬化のために狭くなり、血管が詰まることで、心臓の一部の細胞が壊死してしまう疾患です。
・大動脈瘤
心臓から始まり全身に血液を送る大動脈が肥大して、破裂するリスクがある疾患です。
[脳に関する合併症]
・脳梗塞
脳の血管が細くなったり血管に血栓が詰まって、脳に酸素や栄養が送られなくなり、脳の細胞が障害を受ける疾患です。
・脳出血
脳の血管が破れて出血する疾患です。
・クモ膜下出血
クモ膜と軟膜の間にあるクモ膜下腔という隙間で、動脈が破裂して血液が急激に流入する疾患です。
[その他]
・頭痛、めまい、吐き気
・高血圧性腎障害、腎不全
・高血圧網膜症、眼底出血
【高血圧の高齢者が心掛けるべきこと】
血圧は生活習慣と密接に関係しているので、以下の点に心掛けるようにしましょう。
・減塩をして、飽和脂肪酸を控える。
・ウオーキングや水泳などの有酸素運動を行う。
・糖尿病や肥満にならないように心がけ、体重管理を行う。
・過度な飲酒を控え、禁煙をする。
・ストレスや睡眠不足を避ける。