2024.09.06
相談員ブログ
高齢者の脱水症について
【脱水症とは】成人の身体の60%は水分ですが、高齢者は50~55%まで減少します。
水分の摂取が不足したり、大量の汗をかいたり、発熱や下痢などの体調不良により水分が失われることで、脱水症状が起こります。
通常は喉の渇きや立ちくらみなどの症状が現れますが、高齢者の場合は自覚症状がないまま脱水が進行してしまう「かくれ脱水」が起こることがあります。
高齢者は慢性的な脱水症になりやすく、脱水はさまざまな弊害を引き起こします。
めまいやふらつきによる転倒、消化機能低下による食欲不振や消化不良などが生じる可能性もあります。
また、体液が不足すると血液の濃度が濃くなって凝固しやすく、血栓ができるリスクが生じます。
血栓は脳梗塞や心筋梗塞の発症にもつながりますので、注意しなければなりません。
糖尿病や排尿障害などの病気の予兆として脱水症になるケースもあるので、早い段階での発見と対処が大切になります。
【高齢者が脱水しやすい理由】
・体内の水分量の減少
体液は筋肉に最も含まれているのですが、高齢になると筋肉量が減るために水分を蓄えにくくなります。
また、脂肪は水分を蓄えにくいため、筋肉が少なく脂肪が多い人は脱水症に注意しなければなりません。
・喉の渇きに気づきにくい
高齢になると、口喝中枢(喉の渇きを感じる機能)が低下することもあり、脱水状態になっても渇きを感じにくくなります。
・内臓の機能の低下
加齢とともに内臓機能も低下しますが、特に体内の水分量を調整する肝臓機能が低下してしまうと、体内に必要な水分や電解質を保持する能力が弱まります。
・夜中にトイレに行くのを避けるため、水分を控える
夜間に何度もトイレに起きるのを避けるために、夕方から就寝まで水分を控える高齢者は少なくありません。けれども、それが水分不足を招きます。
・認知機能の低下
認知機能の低下により、気温や季節に合わせた衣服や寝具の調整、または外出を控えるなどが難しくなることがあります。
自分が水分摂取したかを忘れて、長時間水分の補給をしなかったり、飲む行為自体を忘れてしまっている場合もあります。
・薬の影響
血圧を下げる降圧剤の種類によっては利尿作用があり、尿の排出によって必要な塩分や水分が不足して脱水症を引き起こすことがあります。
【脱水症の症状】
脱水症の重症度は、体重の1~3%の体液が失われた状態を軽度、4~9%を中等度、10%以上を重度と判定します。
[軽度]
・皮膚のかさつきや、唇・口の中が乾燥している。
・わきの下が乾燥している。
・前胸部(胸骨の上部)や手の甲の皮膚をつまんだ際、元に戻るのに3秒以上かかる。
・爪を押した後に直ぐピンク色に戻らない。
・傾眠気味になる。
・手足が冷たい。
・めまいやふらつきがある。
・舌の表面が赤黒く乾いた状態になる。
・倦怠感があったり、横になりがち。
[中度]
・頭痛や吐き気がある。
・嘔吐や下痢がある。
・血圧の低下や頻脈がある。
・トイレの回数が減少する。
・尿の色が濃くなる。
・体重が減少する。
[高度]
・飲み物が飲めずに口からこぼれる。
・意識混濁(脱水性せん妄)が起こる。
・けいれんを起こす。
・話しかけても反応が無い。
・失神する。
【脱水の予防】
・1日に必要な水分量を把握する。
1日に必要な量は体重1㎏あたり約40mlとされています。
体重60㎏の人だと2.4ℓの水分が必要とされます。
食事で約1ℓ摂取できるので、それ以外に約1.4ℓの水分補給が必要という計算になります。
運動量や気温によっては通常より多めに摂取しなければならない場合があるので、注意が必要です。
・部屋の湿度・温度の調整
室内環境を整えることで、体の水分量が保たれます。
乾燥している場合は加湿器などで湿度を上げます。
夏場では夜間寝ている間に脱水症になることもあるので、室温を適温に保つように心がけましょう。
・定期的に水分補給をする
本人が喉の渇きを自覚していないときでも、周囲から声掛けしてこまめに水分摂取を促します。
1日コップ(200ml)7杯分の水分を摂るように心がけ、お茶の時間を設けたり、手元に飲み物を常備して、いつでも直ぐ飲めるようにしておくようにしましょう。
特に起床時、入浴の前後、就寝前、運動後、飲酒後は水分補給が必要な時です。
・水分の多い食べ物を摂取する
食事の際は汁物で水分量を増やしたり、牛乳、ヨーグルト、果物やゼリーなどを間食にして水分補給するのもおすすめです。