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2024.09.19
相談員ブログ

加齢黄斑変性症について

【加齢黄斑変性症とは】
加齢黄斑変性症とはモノを見る時に重要な働きをする黄斑(網膜の中心)という組織が、加齢とともにダメージを受けて、視力低下を引き起こす病気のことです。
私たちはモノを見る時に、目に入った光を網膜という組織で刺激として受け取り、その信号を脳に送るために伝達します。
その網膜の中心部分が黄斑です。
加齢黄斑変性症では、モノを見る時に視野の中央が良く見えない、ゆがむ、暗く見えるなどの症状が生じ、見たいところが見えず、読みたい文字が読めないというとても不便な状態になってしまいます。
近年加齢黄斑変性は増加傾向にあり、失明の原因の4位となっていてます。
50歳以上の人の約1%の人が患っており、高齢になるほど増加が見られます。

【加齢黄斑変性症の原因】
高齢者に多く発症することから、黄斑の老化現象が主な原因と考えられています。
黄斑部で老廃物を処理する働きが衰えることで、黄斑部に老廃物が沈着し、網膜の細胞や組織がダメージを受けて発症すると考えられています。
他にも、心血管疾患や高脂血症、喫煙、栄養状態、遺伝、紫外線暴露などの関与も指摘されています。
もともと加齢黄斑変性症は日本人に少なく、欧米人に多い疾患でした。
その理由として、欧米人の目が光刺激(目の老化を促進する原因)に弱いことが挙げられます。
最近では日本でも発症数が増加していますが、テレビ・パソコン・スマホの普及により、目が光刺激を受ける機会が非常に多くなったことが原因と考えられています。

【加齢黄斑変性症の症状】
網膜の中心部が悪くなるので、最もよく見たいところが見えにくくなりますが、大きな出血が起これば、更に広い範囲が見えづらくなります。

・変視症
網膜の腫れや網膜の下に液体が溜まると網膜がゆがみますが、その状態で見るとモノがゆがんで見えます。
黄斑部は障害されていますが、周辺部は障害されていないため、中心部はゆがんで見えるのに、周辺部は普通に見えます。

・視力低下
見たい部分がはっきり見えません。
視力は徐々に低下して、治療をしなければ多くの場合、視力が0.1以下になります。

・中心暗点
見ているものの中心が欠けて見えません。

・色覚異常
症状が進むと、色がわからなくなってきます。

【加齢黄斑変性症の種類】
加齢黄斑変性症には2つのタイプがあり、視力の経過や治療方法が異なります。

・萎縮型
黄斑の組織が加齢とともに委縮します。
現時点では治療方法が確立していませんが、病気の進行は遅く、萎縮部分が拡大して中心部にかからない限り、視力障害には至りません。
ただし、萎縮型から滲出型へ変化することもあるので、定期的に受診する必要性があります。

・滲出型(しんしゅつがた)
網膜は脈絡膜という組織から栄養を受け取っていますが、その網膜や脈絡膜からもろくて破れやすい新生血管ができ、黄斑に出血やむくみなどを起こしている状態が滲出型です。
日本の加齢黄斑変性症では滲出型がほとんどと言われています。
進行しやすく、自動車の運転や文字を読むのに支障を生じます。
治療法としては「抗VEGF療法」という新生血管を鎮静化させる薬剤を目に注射する方法が一般的です。
その他にも、光に反応する薬剤を注射し、それが新生血管に到達した時に弱いレーザーを照射して新生血管を破壊する「光線力学的療法」や、新生血管をレーザーで焼く「光凝固法」などの方法で新生血管を破壊し、て黄斑へのダメージを食い止める治療もあります。


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