2024.10.03
相談員ブログ
腎臓と人工透析について
【腎臓の働き】腎臓は背中側の腰より少し上のあたりに左右1個ずつある臓器です。
1つの腎臓に約100万個の「糸球体」がありますが、この糸球体はふるいのような構造をしていて、心臓から送られてきた血液はこの糸球体によってろ過されます。
腎臓は以下のような働きをしています。
・老廃物を排出する
血液をろ過して、老廃物や毒素、余分な水分などを尿として体外に排出します。
・体内の水分量と電解質のバランスを調整する
尿の量や濃度を調整し、身体に必要な成分を再吸収することで、体内の水分と電解質(ナトリウム、カリウム、リンなど)のバランスを整えます。
・ホルモンを分泌する
腎臓は赤血球を増やすホルモンや、血圧を調整するホルモンを分泌して、血液の状態を一定にコントロールしています。
・ビタミンDを活性化し、骨を丈夫に保つ
【主な腎臓の疾患】
・糖尿病性腎症
糖尿病の合併症の1つで、高血糖により腎臓のろ過機能が低下する疾患です。
腎不全患者のうち糖尿病性腎症が39.1%(2019年調べ)を占めています。
・慢性腎炎(慢性糸球体腎炎)
腎臓のろ過装置である糸球体に慢性的な炎症が起こる疾患です。
腎機能が低下して、たんぱく尿や血尿などの症状が継続します。
1日に1g以上の尿たんぱくが続いている場合は、10年で約30%が慢性腎不全になると言われています。
・腎硬化症
高血圧が続くと動脈硬化のリスクが生じますが、腎臓は無数の細かい細胞から成り立っているため、血液が十分行きわたらなくなります。
その結果、腎硬化症となって、腎機能が低下してしまいます。
・ネフローゼ症候群
尿に大量のたんぱくが排出されることで、血液中のたんぱく質が減少し、全身にむくみが起こる疾患です。
腎臓の機能が慢性的に低下した状態を慢性腎不全(CKD)と呼びますが、その状態が進行して末期の腎不全になると、透析療法や腎移植が必要になります。
透析療法には機械に血液を通してろ過する血液透析と、腹膜を利用して血液をろ過する腹膜透析の二種類があります。
【血液透析について】
血液透析(HD)とは、血液を一旦体外へ出して「ダイアライザー」と呼ばれる浄化器(人工膜)に通過させて、不要な老廃物や水分を取り除き、必要な物質を補充して、きれいになった血液を再び体内に戻す方法です。
日本では、透析患者は約34.7万人(2022年時点)に達しており、透析治療を受けている人の約9割が血液透析を行っています。
血液透析は専門の設備がある医療機関でしか行えないので、通院しなければなりません。
血液透析にかかる時間は1回3~5時間で、週に2~3回が一般的です。
血液透析では体内から1分間に200ml以上の血液を体外へ出す必要があるので、腕に血液の出入り口である「バスキュラーアクセス」を作ります。
一般的には「内シャント」と呼ばれる動脈と静脈をつなぐ手術を行い、静脈に多くの血液が流れるようにします。
内シャントをいかに長持ちさせるかが重要なので、詰まりや感染、出血などのトラブルを防ぐために、正しく管理するようにします。
【腹膜透析について】
腹膜透析は体内の腹膜(胃や腸などの内臓を覆っている薄い生体膜)を使って血液をろ過する方法です。
腹膜は表面に毛細血管が網の目のように分布しているので、腹膜を透析の装置として利用します。
カテーテルを使い、腹部に透析液を入れておくことで、腹膜の血管を通して血液中の老廃物や不要な水分が透析液に移行していきます。
カテーテルの設置手術をすれば、通院は月1~2回で済み、自宅や職場でも透析を行えるのですが、透析液の交換は自己管理になります。
腹膜透析は基本的に毎日行います。
透析液の交換を4~8時間ごとに1日4回行う「持続的携行式腹膜透析(CAPD)」と、夜間睡眠時に装置を使い自動で透析液を交換する「自動腹膜透析(APD)」があります。
しかしながら、長期間継続して行っていると腹膜が劣化するため、腹膜透析を行えるのは一般的に5~6年が限度と言われ、血液透析か腎臓移植に移行することが必要となります。