2024.10.09
相談員ブログ
注射の種類について
【注射とは】注射とは注射針を使って、直接薬剤を身体に投与する方法です。
口から服用する薬に比べて効果が早いという利点があります。
液状の薬剤は皮膚の内側の組織か、血管の内部に注入され、全身に巡ることで効果を発揮します。
注射には、「皮内注射」「皮下注射」「静脈内注射」「筋肉注射」の大きく4つの種類がありますが、薬効の差はそれぞれの注射法による薬剤の吸収速度や持続性の違いによります。
これは、注射部位が異なるために血管内への吸収が異なるからです。
【皮内注射】
皮内注射は、皮膚の最も表面にある表皮と、その下の真皮の間に薬物を注入する注射です。
効果が現れるまでに最も時間がかかりますが、この注射の目的は治療ではなく、特定の薬物に対する反応を確認することです。
アトピー性皮膚炎や気管支喘息などのアレルギー検査で、この注射が用いられます。
【皮下注射】
皮下注射は、皮膚と筋肉の層の間にある脂肪が主になる皮下組織に薬物を注入します。
皮内注射の次に効果が現れるまで時間がかかりますが、約1時間で程度で吸収されます。
また、持続効果があるのが特徴です。
静脈内注射や筋肉内注射と比較すると、吸収性では最も劣りますが、安全性や持続性では最も優れています。
インフルエンザワクチンやみずぼうそうワクチン、日本脳炎ワクチンなど日本で行われている予防接種の多くは皮下注射で行われます。
【静脈内注射】
静脈内注射は血管内に直接薬物を注入します。
静脈に注入するので、即効性があり素早く身体全体に薬物が巡っていきます。
約40秒で全身に作用するため、麻酔薬や命にかかわる緊急事態などで使用されます。
しかしながら、持続性に関しては最も短くなります。
また、血中薬物濃度が急激に上がるため、副作用の現れる可能性も高くなります。
点滴も静脈内注射の1つで、普通の注射と比較すると、多量の薬物や水分、栄養分を注入するのに適しています。
【筋肉内注射】
筋肉内注射は皮膚の表面から最も深いところにある筋肉に薬物を注入します。
筋肉には血管が豊富に分布しているので、静脈内注射の次に効果が早く現れ、約20分程度で全身に行きわたります。
しかしながら、末梢血管から吸収されて大循環系に移るので、静脈内注射と比較すると即効性では劣ります。
刺激の強い薬物でも注入できるのが特徴です。
他の注射と比べて、最も痛みが伴います。
新型コロナワクチンやB型肝炎ウイルス、ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンなどに筋肉内注射が用いられます。
【その他】
・腰椎穿刺(ようついせんし)
注射針を背骨の腰の部分にあたる骨(腰椎)に針を刺して中にある髄液を採取します。
・骨髄穿刺(こつずいせんし)
胸骨や腸骨に注射針を刺して骨髄を採取するための手技です。
・インスリン注射
糖尿病を患っている方が、インスリン不足の状態を補うために行う注射です。
インスリン注射を行うことで血糖値を下げます。
ペン型の注入器を用いるが主流で、注射針は細く短く、痛みが少なくなっています。
注入部位は、腹部、上腕の外側、臀部、大腿部の外側などに注射します。