2024.11.21
相談員ブログ
ACP(人生会議)について
【ACPとは】ACPとはAdvance Care Planningの略で、自分で意思決定できなくなる場合に備え、人生の最期の日々をいかに暮らし、どのような治療方法を望むのかを、家族や医療・介護従事者と話し合い、共有するプロセスのことです。
厚生労働省は啓蒙活動の一環として、ACPの愛称を募集して、「人生会議」を採用しました。
ACPの目的は、本人の価値観や希望に沿った医療・ケアを受けられるようにし、意思決定を支援することです。
そして、患者、家族、医療・介護従事者間のコミュニケーションの促進を通じて、医療とケアの質の向上を目指します。
【ACPの必要性】
人間誰しも、大きな病気や怪我などで、自分の意思を伝えることができなくなる可能性があります。
更に高齢になると、身体状態の低下や認知症の影響などもあり、意思決定能力が不十分な状態になり、ますます意思が伝わらなくなってしまいます。
家族や医療・介護の専門家が本人の代わりに選択をしなくてはならなくなった時、前もって医療やケアに対する希望を周囲の信頼できる人に伝えておくことで、本人自身が安心できるだけではなく、代理意思決定者の心配や不安を和らげることが可能となります。
【ACPの進め方】
①希望や想いをまとめる
人生の最終段階において、本人にとって大切にしたいこと(人生の目標、希望、想い)や、どのような医療・ケアを受けたいのか、どのような最期を迎えたいかなど考えを整理します。
②代理意思決定者を決める
もしも、本人が意思決定能力を喪失した場合に、自分の代わりに意思を伝えてくれる人を決めます。
一般的には、家族や友人、かかりつけ医や弁護士などがなります。
③かかりつけ医に情報を確認する
病気や認知症などがある場合は、将来どうなるのか、どのような治療ができるのか、その治療によってどうなるのか確認します。
④希望する医療・ケアについて関係者と話し合う
ここまで収集した情報に基づいて、家族や代理意思決定者、医療・介護関係者などとも話し合いを持ち、自分の希望を共有します。
⑤書類作成して情報共有する。
ACPの会議内容を記録にして書類を作成して、家族や代理意思決定者に共有します。
希望や想いは健康状態によって変わる可能性があるため、都度見直しが必要です。
【ACPで話し合う具体的な内容】
ACPでは、下記の項目ごとに話し合いの場を持つことが推奨されます。
①本人の家庭や生活環境、受診状況について
・家族構成や生活水準
・健康状態
・通院中の医療機関や、介護サービス利用の有無
②患者が大切にしたい生き方や考え方
・人生観や価値観
・今後の暮らしに望むこと
・大切にしている人への想いや関わり方
③医療についての希望
・延命治療の希望
・痛みや苦痛の緩和方法
・最期の迎え方
・希望する代理意思決定者