2024.12.06
相談員ブログ
高齢者に多い4つの骨折について
【高齢者の骨折について】2019年に厚生労働省が発表した「国民の生活基礎調査の概況」によると、介護が必要になった原因は「認知症」「脳血管疾患」「高齢による衰弱」に次いで「骨折・転倒」が第4位になっています。
一度骨折を起こすと長期間の安静が必要となるケースも多く見られ、その結果、寝たきりの原因になる可能性もあります。
高齢者が骨折する原因のほとんどは「転倒」ですが、骨密度や骨強度の低下による脆弱性骨折が多いのが特徴です。
【高齢者に多い骨折の部位】
①大腿骨骨折
大腿骨は太ももの付け根の骨で、この部位が折れてしまう骨折を指します。
大腿骨骨折には2種類あり、太ももの付け根の外側にある骨が出ている部分で起きる「転子部骨折」と、転子部の内側で起きる「頸部骨折」があります。
この骨折は、尻もちをついたり、身体がねじれるようにして転倒することで発生します。
股関節は立ったり、歩いたりする際に体重を支えるため、ひどい痛みが原因で歩行困難に陥ったり、寝たきりになるケースも多く見られます。
②上腕骨近位部骨折
上腕骨は腕の骨の一つで、この骨が肩関節に近い部分で折れる骨折です。
近位部とは体幹から近い部分のことを意味します。
転倒して肩を直接打ったり、肘や手をついた時に発生します。
この骨折では、腫れや内出血が強く現れたり、痛みがひどくて動かせなくなるといった症状が生じます。
比較的骨がつながりやすいため、保存治療(手術を行わずに自然治癒を促す治療)が選ばれることが多いです。
しかしながら、折れた骨のずれが大きい場合や、骨が砕けている場合は手術が考慮されます。
③橈骨遠位端部骨折(とうこつえんいたんぶこっせつ)
橈骨は肘から手首にかけてある2本の骨のうち、親指側にある骨のことで、遠位端とは体幹から遠い場所、つまり手首を意味しています。
転倒した際に手をついた衝撃で発生する骨折です。
この骨折は高齢女性に多く見られますが、比較的若い人にも発生する場合があります。
治療には二通りあり、骨がずれていなければ保存療法が選ばれ、骨がずれている場合には手術療法が適応されることがあります。
④脊椎圧迫骨折
背骨の骨折で、中腰の姿勢になったり、重い物を持ち上げたりした際や、尻もちをついただけでも骨折してしまうことがあります。
また、体重がかかるだけでも、「いつの間にか」骨折することもあります。
自然多発的に骨折が生じることにより、背中が丸くなってしまうこともあります。
コルセットを使用する保存療法が一般的ですが、複雑骨折している場合などは手術が検討されることもあります。
【高齢者に多い骨折の原因】
高齢者の骨折には、下記のような原因があげられます。
・骨粗鬆症
骨粗鬆症とは、骨量が減少し、骨が弱くなって骨折しやすくなる病気です。
骨は新たにつくられる「骨形成」と、溶かして壊される「骨吸収」を繰り返しますが、骨粗鬆症はこのバランスが崩れることで生じ、骨の密度や強度が低下します。
骨粗鬆症は圧倒的に女性に多くみられ、特に閉経後の女性に顕著です。
これは女性ホルモンの減少や老化と深い関わりがあります。
・バランス能力の低下
バランス能力の低下は病気に起因する場合もありますが、加齢による運動機能の低下によって生じることもあります。
バランス能力は、感覚・中枢指令・筋力などの要素によって成り立っています。
脳卒中などの脳の病気によって筋力が低下し、バランス能力が失われることで、転倒しやすくなることがあります。
・栄養不足
加齢に伴い、代謝機能の低下や運動頻度が少なくなることで、食事摂取量が減少してしまいます。
その結果、皮膚や脂肪、筋肉が減少し、骨を守るクッションの役割を果たさなくなる場合があります。
【高齢者の骨折を予防するには】
・栄養補給
骨はカルシウムやリン、マグネシウムから形成されているため、積極的に摂取することが大切です。
ビタミンDはカルシウムの吸収を促進し、骨を強化する作用があります。
また、ビタミンKも骨を強める重要な栄養素です。
骨を守るための皮膚や脂肪、筋肉をつくる栄養素としては、糖質、脂肪、たんぱく質、食物繊維などが挙げられますが、これらをバランスよく摂取することが重要です。
・運動
運動習慣を身に付けると、骨に荷重がかかることで骨密度が高まり、骨の強度が上がります。
さらに、運動することで、筋力や体力、バランス能力が向上し、転倒のリスクを低減できます。
・日光浴
日光浴することで、体内でビタミンDが生成されるため、1日に数十分程度、日光に当たるようにしましょう。
・生活環境を整える
住まいをバリアフリー化して、段差を無くしたり、手すりを設置するなどして、転倒リスクを低減する対策は重要です。