2025.04.09
相談員ブログ
体内の水分と塩分の関係について
【水分と塩分について】私たちの体にとって、塩分(ナトリウム)と水分は欠かせない存在です。
これらは体内で密接に関係しながら働き、健康を維持するために重要な役割を果たしています。
塩分と水分のバランスが崩れると、さまざまな健康上の問題を引き起こす可能性があります。
特に、塩分を過剰に摂取すると、のどの渇きが強くなり、水分の摂取量も増加してしまいます。例えば、塩分を8g摂取すると、約1ℓの水を飲まない限り、のどの渇きが続くといわれています。その結果、体重が約1kg増加することもあります。
一方で、塩分が不足すると、体内の電解質バランスが乱れ、倦怠感やめまい、血圧の低下などの症状が現れることがあります。
また、水分の摂取量が極端に多くなると、体内のナトリウム濃度が低下し、頭痛や吐き気、最悪の場合は意識障害を引き起こすこともあります。
逆に、水分が不足すると脱水症状を引き起こし、集中力の低下や熱中症のリスクが高まります。
このように、塩分と水分の摂取量は適切な範囲内に保つことが大切です。
「塩分の過剰摂取」「塩分の不足」「水分の過剰摂取」「水分の不足」という4つの観点から、それぞれの影響について説明します。
【塩分の過剰摂取による影響】
[身体への影響]
塩分を過剰に摂取すると、血液中のナトリウム濃度が上昇し、体はそれを薄めるために水分を保持しようとします。これにより血液量が増加し、血圧が上がります。
さらに、腎臓は余分な塩分を排出するために負担がかかり、機能低下を引き起こすことがあります。
[引き起こされる病気]
・高血圧
血液量が増加し、血管への圧力が高まることで発症します。放置すると脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まります。
・動脈硬化
高血圧が続くと血管壁がダメージを受け、動脈硬化を引き起こします。
・腎臓病
塩分の排出に負担がかかることで腎臓の機能が低下し、慢性腎臓病や腎不全の原因になります。
・尿路結石
尿中のナトリウム濃度が高くなることで尿中のカルシウム濃度も高くなり、尿の通り道に尿素結石ができやすくなります。
・骨粗しょう症
塩分の排出時にカルシウムも一緒に失われるため、骨が弱くなり骨折のリスクが上がります。
・胃がん
胃の中で塩分濃度が高まると、免疫がダメージを受け、胃炎が発生しやすくなり、発がん物質の影響を受けやすくなります。
【塩分の不足による影響】
[身体への影響]
極端に塩分を制限しすぎると、血液中のナトリウム濃度が低下し、体内の水分バランスが崩れます。
これにより、細胞の働きが正常に行えなくなり、疲労感・倦怠感・頭痛・めまいなどの症状が現れます。
[引き起こされる病気]
・低ナトリウム血症
ナトリウム濃度が低下し、倦怠感や意識障害、重症の場合はけいれんや昏睡を引き起こすことがあります。
・筋力低下
ナトリウムは筋肉の収縮に必要な成分のため、不足すると筋力が低下し、運動能力が落ちます。
・脱水症・熱中症
ナトリウムが不足すると、水分の保持が難しくなり、脱水症状を引き起こすことがあります。特に暑い環境では注意が必要です。
【水分の過剰摂取による影響】
[身体への影響]
水を過剰に摂取すると、血液が薄まり、体内のナトリウム濃度が低下します(低ナトリウム血症)。
また、腎臓の処理能力を超えると、体内に余分な水分が蓄積され、むくみや脳の腫れを引き起こす可能性があります。
[引き起こされる病気]
・水中毒
大量の水を短時間で飲むと血液のナトリウム濃度が急激に低下し、頭痛、嘔吐、意識障害を引き起こします。重症の場合、命に関わることもあります。
・腎臓への負担増加
腎臓は一定量の水しか排出できないため、過剰な水分摂取は腎臓に負担をかけ、機能低下の原因になります。
・むくみ(浮腫)
体内の水分が適切に排出されず、手足や顔がむくみやすくなります。
【水分の不足による影響】
[身体への影響]
水分が不足すると血液の粘度が増し、血流が悪化します。
また、体温調節が難しくなり、熱中症のリスクが高まります。
特に高齢者や運動時には注意が必要です。
[引き起こされる病気]
・脱水症状
水分不足により、めまいや頭痛、意識障害を引き起こします。重度の場合、命に関わることもあります。
・熱中症
体温調節ができなくなり、発熱や意識障害が起こることがあります。
・尿路結石
水分不足により尿が濃縮され、腎臓や尿管に結石ができやすくなります。
・脳梗塞・心筋梗塞
血液が固まった血栓ができやすくなり、血栓が詰まると脳梗塞や心筋梗塞の原因になります。
・便秘
便に含まれる水分が通常よりも多く腸に吸収され、便が硬くなり、便秘を招きます。