2025.04.11
相談員ブログ
年金について
【日本の年金とは】日本の年金は大きく「公的年金」と「私的年金」に分けられます。
公的年金は国が運営している年金で、「国民年金」や「厚生年金」が該当します。
一方、私的年金は企業や個人が老後に備える年金です。
公的年金の国民年金(基礎年金)は、20歳から60歳までの日本在住者全員が加入する義務があります。
厚生年金は会社員などが自動的に加入する仕組みになっています。
私的年金は義務ではなく、企業や個人が任意で加入を選択できます。
日本の年金制度は「3階建て」の構造をしており、1階が「国民年金」、2階が企業などに所属した場合に加入する「厚生年金」、3階が任意加入の「私的年金」です。
また、年金は老後のためだけではなく、「障害年金」や「遺族年金」など、特定の状況で受け取ることができます。
【公的年金について】
[被保険者について]
公的年金は社会保険の一環であり、保険料を納める人が被保険者となります。
被保険者は以下の3つに分類されています。
・第1号被保険者
自営業者、フリーランス、20歳以上の学生などが該当します。
会社員や公務員、その配偶者ではない人が対象で、自分で国民年金の保険料を納める義務があります。
ただし、経済状況によっては一定期間中の保険料の免除や支払いの猶予が認められることがあります。
・第2号被保険者
会社員や公務員が該当し、給与から保険料が天引きされ、勤務先が納めます。
近年の法改正により、一定条件を満たすパートやアルバイトも加入対象となりました。
・第3号被保険者
第2号被保険者に扶養されている配偶者で、年収が130万円以下の人を指します。
自身で年金保険料を納める必要はなく、配偶者の加入する年金制度で負担されます。
[保険料の負担額]
国民年金保険料は収入に関係なく一律で、年度ごとに見直されます。
2024年度は月額16,980円です。
一方、厚生年金の保険料は給与や賞与の額を基に以下の計算式で決まります。
厚生年金保険料=標準報酬月額(標準賞与額)×厚生年金保険料率(18.3%)
[最低被保険者期間]
公的年金をを受給するには、最低10年間の被保険者期間が必要です。
国民年金の被保険者期間が10年以上あれば、厚生年金の加入が1か月でも、老齢基礎年金と老齢厚生年金を受給できます。
[受給額]
国民年金を40年間(20歳から60歳まで)納めると満額給付となり、2024年度の老齢基礎年金の満額は、月額68,000円です。
厚生年金は、現役時代の収入や加入期間によって異なりますが、2022年度の平均受給額は月額144,000円です。
[障害年金について]
障害年金は、病気や負傷により障害認定を受けた場合に支給されます。
国民年金では、加入期間中に初診を受けた病気やケガで、障害等級1級または2級と認定されると受給できます。
厚生年金では、障害等級1級、2級、3級のいずれかに該当する場合に支給されます。
受給額は、障害等級や加入期間、給与額によって異なります。
[遺族年金について]
遺族年金は、亡くなった被保険者によって生計を維持していた「子のいる配偶者」や「子」に支給されます。
遺族年金は、18歳になる年度末までの子、または20歳未満で障害等級1級、2級の子がいる場合に支給されます。
厚生年金加入者で一定の条件を満たしていれば、遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方を受給できます。
遺族厚生年金は、亡くなるまでに国民年金・厚生年金の加入期間のうち3分の2以上の保険料を納めていなければ受給できません。
また、受給者の年収が850万円以上の場合は、支給対象外となります。
【私的年金について】
私的年金は、公的年金とは異なり、企業や個人が任意で加入して積み立てる年金です。
主な私的年金の種類は以下のとおりです。
[企業年金]
企業が福利厚生の一環として導入し、運用する年金です。
企業によって制度の有無や内容が異なります。
「確定給付年金(DB)」や「企業型確定拠出年金(DC)」などがあり、企業が民間の信託会社などと契約して、積立金を管理・運用します。
[国民年金基金]
自営業やフリーランスなど、第1号被保険者向けの年金制度です。
国民年金のみでは受給額が少ないため、上乗せして受給できる制度として利用されます。
任意加入ですが、国が運営している年金であり、加入者が亡くなった場合には遺族一時金などが支給されます。
掛金は所得控除の対象です。
・[iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)]
iDeCoは、自分で掛け金を納めて運用し、原則60歳以降に受け取る私的年金です。
掛金の支払い時、運用中、受取時に税制優遇が受けられるため、節税しながら老後に備えられます。
・[個人年金保険]
民間の保険会社が提供する生命保険で、支払いが開始年齢や受給期間を自由に設定できます。
保険料は生命保険料控除の対象となる場合があります。