2025.04.24
相談員ブログ
高齢者虐待について
【高齢者虐待とは】高齢者虐待とは「高齢者虐待防止法(高齢者に対する虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律)」において、「65歳以上の者が他者からの不適切な扱いにより権利や利益を侵害される状態や生命、健康、生活が損なわれるような状態におかれること」と定義されています。
この法律は、高齢者虐待の防止や早期発見・対応を図るとともに、家族などの介護者への支援を充実させ、高齢者の権利や利益を守ることを目的としています。
虐待を受けている高齢者の7割以上が女性であり、特に認知症などにより自立が困難な人が対象となる傾向があります。
家庭内で虐待を行う加害者は息子が最も多く、次いで夫が多いとされています。
また、介護施設では女性が多く働いているにもかかわらず、虐待の加害者の52%が男性というデータがあります。
さらに、虐待が認められた家庭の52.8%が二人暮らしであり、他の家族がいない環境では虐待が発生しやすいと考えられています。
【虐待の種類】
高齢者虐待は、以下の5つに分類されます。
・身体的虐待
暴力的な行為によって高齢者に傷やあざ、痛みを与える行為です。
殴る、つねる、蹴る、無理やり食事を口に入れるなどが該当します。
また、ベッドに縛り付ける、意図的に薬を過剰に服用させる、外部との接触を意図的・継続的に遮断することなども含まれます。
虐待の種類別では約6割を占め、最も多く発生しています。
・心理的虐待
高齢者が介護者から精神的な苦痛を受ける行為です。
脅しや侮辱、威圧的な態度、無視、嫌がらせなどが該当します。
虐待の種類別では約3割を占め、2番目に多い虐待です。
・経済的虐待
本人の承諾なしに財産を使用する行為を指します。
また、高齢者が希望する金銭の使用を制限することも含まれます。
・性的虐待
高齢者が同意していないにもかかわらず、性的な行為を強要することです。
また、裸にして放置したり、入浴や着替え、排泄介助の際にプライバシーに配慮をしない行為も該当します。
・ネグレクト(介護の放棄・放任)
介護者が意図的であるか否かを問わす、高齢者の生活環境や身体的・精神的状態を悪化させるような放棄や放任を行うことです。
【虐待の程度】
虐待の当事者に自覚がなくても、外部から見て明らかに虐待と判断される場合があり、専門職による介入が必要とされる状況があります。
・緊急事態
高齢者の生命に関わるような重大な状態であり、一刻も早い介入が求められます。
・要介入
放置すると高齢者の心身に重大な影響を及ぼす、またはその可能性が高い状態であり、専門職による対応が必要です。
これらと比較して、虐待かどうか判断が難しいケースが「要見守り・支援」に分類されます。
この状態が放置されると深刻化する可能性があるため、本人や家族への支援や介護サービスの見直しが求められます。
・要見守り・支援
高齢者の心身への影響は部分的であり、まだ顕在化していない状態です。
介護者の知識不足や介護負担の増加により、不適切なケアが行われることが原因となる場合があります。
また、長年の生活習慣の中で生じた言動が虐待につながるケースもあります。
【虐待を発見したら】
高齢者虐待は周囲が察知しにくく、他者が介入しづらい問題です。
しかし、高齢者の生命や身体に重大な危険がある場合、察知した人には通報の義務があります。
通報先は市区町村の高齢者福祉担当窓口や地域包括支援センターです。
・家庭で虐待があった場合
通報を受けると、市区町村または地域包括支援センターが訪問調査を実施し、高齢者本人の安全確認と虐待の事実確認を行います。
必要に応じて立ち入り調査や高齢者の保護を行います。
また、相談支援や介護保険サービスの提供を通じて、養護者の負担軽減を図ります。
・施設で虐待があった場合
通報を受けると、市区町村が老人福祉法または介護保険法の規定による権限を行使し、施設の運営状況を調査します。
介護施設の適切な運営を確保し、高齢者虐待の防止や被害者の保護を図ります。