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2025.04.28
相談員ブログ

徘徊について

【徘徊とは】
徘徊とは認知症に現れる周辺症状(BPSD)の1つで、昼夜問わず屋内や屋外をうろうろ歩き回っているように見える行動を指します。
徘徊は、さまざまなリスクを伴っています。
転倒による怪我、夏場の脱水症状や熱中症、冬場の低体温症などが挙げられます。
警視庁の「令和4年における行方不明者の状況」のデータでは、行方不明者のうち18,709名が認知症またはその疑いによるものを原因としており、認知症による徘徊は社会問題化しています。
徘徊は本人自身にリスクが及ぶだけではなく、介護者のメンタル面や体調面にも悪影響を与えてしまいます。
徘徊は、本人にとっては意味のある行動であり、決してただの「歩き回り」ではありません。
徘徊をよく理解して、適切な対応を取るようにしなくてはなりません。

【徘徊の原因】
徘徊を抑制すればするほど、本人は出かけようとしてしまいます。
まず、その原因を理解しましょう。

・身体的な原因
「トイレに行きたい」とか「お腹がすいた」「喉が渇いた」などの理由で歩き始めることがあります。
しかし、短期記憶障害により本人自身がその理由や目的の場所がわからなくなるため、身体的違和感を抱いたまま、徘徊に至ってしまいます。
そのような場合は、少し飲食などを促すと、落ち着きを取り戻すことがあります。
また、排泄状態を確認したり、主治医と服薬を見直すことで徘徊が落ち着く場合もあります。

・習慣の再現
「出勤時間になったから会社へ行く」「夕方になったから子供を迎えに行く」など、過去の習慣から外出してしまう場合もあります。
本人は通常通りに生活しているつもりなので、現実を突き付けて否定しても逆効果になります。
「今日、会社は休みですよ」「まだお迎えの時間ではないですよ」など、話を合わせて落ち着いてもらうようにします。

・環境的要因
今自分のいる場所に見覚えがない、もしくは居心地が悪い、落ち着かないなどの環境的要因から徘徊することもあります。
認知症の方にとって、環境が変わることは混乱を招きやすいため、本人の居心地の良い空間づくりが大切です。

・心理的な要因
認知症の進行により、記憶力や判断力が低下し、自分の居場所や現在の状況に対する不安や混乱が増すことがあります。
その不安感が徘徊という行動に現れることがあります。
不慣れな環境に置かれたり、介護者からの対応に不満を感じた場合、安心して過ごせる場所を求めて徘徊につながることもあります。

【徘徊の対処法】
・言動を否定せずに傾聴する
不安や混乱した思いから徘徊してしまう場合もあるので、言動を否定せずに傾聴することが徘徊を止めることにつながるケースもあります。

・理由を聞いてみる
徘徊するのには本人なりの理由があります。
なぜ徘徊するのか聞いてみると、会話の中から徘徊の解決につながるヒントが見つかることがあります。
原因がわかれば、その要因を取り除くことで対策が取れます。

・気をそらす
徘徊の気配や徘徊が始まったら、話しかけて気持ちを他にそらすようにします。
そうすることで、出かけようとしていたこと自体を忘れて徘徊を防止できる場合もあります。

・無理に引き止めない
徘徊している認知症の方を無理に引き止めると逆効果になる場合があります。
本人は抵抗感を強めて、感情的になってしまうことがあるため、安全な範囲で付き添い、落ち着かせることが効果的です。

【認知症の予防法】
・GPSを活用する
徘徊を防ぐことが難しい場合、GPSの活用は非常に効果的な対策となります。
本人の位置をリアルタイムで把握できるので、早期発見の可能性が高まります。
ケアミックスは「認知症徘徊GPSセンター」も運営しています。
お気軽にご相談ください。
電話 0120-15-2574
https://www.ninchisho-haikai-gps.com

・予防対策グッズ
玄関に人感センサーを設置したり、ドアが開いた際に音が鳴るドアベルを付けたり、ベッドには離床センサーを設置する方法もあります。
また、身に付ける物や衣服に名前や連絡先を記載しておくこともおすすめです。

・生活のリズムを整える
体調管理をして生活のリズムを整え、普段から気持ちを落ち着けておくことが大切です。
毎日同じ時間に食事をして、起床・就寝することや、日光を浴びながら適度な運動をすることも、夜間徘徊の抑制につながります。

・地域との連携
自治体が中心になっている「徘徊・見守りSOSネットワーク」という制度があります。
地域包括支援センターや警察、自治体などの窓口にあらかじめ登録しておきましょう。

・介護サービスの活用
デイサービスなど活用して、日中の活動量を確保して、夜間に十分休めるようにします。
介護する人も介護される人も双方のストレス軽減できます。
また、老人ホームなどの施設に入居し、介護スタッフに常時見守ってもらえる環境で生活することで、安心を得られます。


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