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2025.05.01
相談員ブログ

腎盂腎炎について

【腎盂腎炎とは】
腎盂腎炎とは、腎盂(じんう)が細菌により炎症を起こす状態で、細菌が膀胱から尿の流れに逆らって侵入することで発生します。
腎臓で作られた尿は、腎盂に一時的に溜まり、尿管を通って膀胱に運ばれ、最終的に尿道から排出されます。
健康な人の尿管や腎盂は通常無菌状態ですが、尿道の出口から細菌が侵入し感染すると、尿路感染を引き起こします。
細菌が感染した部位によって下部尿路感染症と上部尿路感染症に分類され、腎盂や腎臓に感染が及ぶ上部尿路感染症の多くは腎盂腎炎と診断されます。

【腎盂腎炎の原因】
腎盂腎炎は細菌感染によって引き起こされ、特に大腸菌が原因となることが9割を占めます。
一般的には、膀胱炎を発症した後、細菌が尿管を逆行して腎盂に到達することで発症します。
ただし、膀胱炎を発症したからといって必ずしも腎盂腎炎になるわけではありません。
腎盂腎炎を発症しやすい要因として、以下のようなものがあります。
・尿路通過障害:結石、腫瘍、前立腺肥大など
・尿道カテーテル留置
・免疫力の低下:糖尿病、ステロイド治療、抗がん剤治療など
・解剖学的異常:馬蹄腎、膀胱尿管逆流症など

腎盂腎炎は女性に多い病気です。
その理由として、女性は肛門と尿道が近く、尿道が短いため細菌が侵入しやすいことが挙げられます。
また、生理時の衛生管理や、妊娠による子宮の拡大が尿管を圧迫し、尿の流れを妨げることも腎盂腎炎の発症リスクを高めます。

【腎盂腎炎の症状】
腎盂腎炎には急性と慢性があります。
ほとんどのケースは急性腎盂腎炎ですが、適切な治療を行わないと慢性腎盂腎炎へ移行する可能性があるため、注意が必要です。

・急性腎盂腎炎
強い炎症反応が起こり、発熱、悪寒、震え、背中や腰の痛み、吐き気や嘔吐などの症状が現れます。
短時間で高熱を発することもありますが、全身状態が極端に悪化することは少ないです。
また、頻繁に尿意を感じるものの、尿量は少なく、白血球が混ざるため尿が濁ります。
排尿時の痛みや残尿感など、膀胱炎と似た症状がみられることもあります。
早期に適切な治療を行わないと、敗血症を引き起こすこともあります。

・慢性腎盂腎炎
慢性腎盂腎炎は、自覚症状が少ないことが特徴です。
症状はさまざまですが、活動性の慢性腎盂腎炎の場合は急性腎盂腎炎と同様の症状が現れることがあります。
一方、非活動性の慢性腎盂腎炎では、微熱や倦怠感、食欲不振、吐き気などがみられることがあります。
しかし、自覚症状が乏しいため気づかれにくく、放置すると慢性腎不全へ進行し、透析治療が必要になることもあります。

【腎盂腎炎の予防】
・早期受診
腎盂腎炎が発症する前の膀胱炎の段階で気づき、早めに受診することが重要です。
膀胱炎は自覚症状が少ない場合もありますが、排尿時の痛み、頻尿、尿の濁りなどの症状がみられたら、速やかに医療機関を受診しましょう。

・水分摂取
適切な水分を摂取により尿量を確保し、侵入した細菌を体外へ排出することが大切です。
こまめに水分を摂取し、尿をしっかり出す習慣をつけましょう。

・膀胱に尿を溜めない
排尿を我慢すると、膀胱内で細菌が繁殖しやすくなり、膀胱炎を発症しやすくなります。
そのため長時間我慢せず、尿意を感じたら速やかに排尿することを心掛けましょう。

・性行為後の排尿
性行為の後は、細菌が尿道から膀胱内に侵入しやすくなります。
そのため、性行為後に早めに排尿することで、膀胱炎の予防につながります。

・陰部の清潔保持
入浴やシャワーで陰部を常に清潔に保ち、特に排便後の衛生管理を徹底することが望ましいです。
正しい方法で清潔を保つことも重要です。
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