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2025.05.20
相談員ブログ

高額療養費制度について

【医療費が高額になっても安心できる仕組み】
病気やけがで病院にかかると、通常は健康保険が適用され、医療費の一部(70歳未満なら原則3割)を自己負担します。ただし、手術や長期入院などで医療費が高額になると、自己負担が家計に大きな影響を及ぼすことがあります。
そこで登場するのが「高額療養費制度」です。
この制度は1か月あたりの自己負担額に上限を設け、それを超えた分はあとから払い戻される仕組みで、所得に応じて負担の上限が決まっており、生活を守るための大切な制度です。

【自己負担の「限度額」について】
自己負担の限度額は、年齢と所得によって異なります(※以下は2024年度基準の目安です)。

[70歳未満の方の限度額(月額)]
・所得:約1,160万円超→限度額:252,600円+(総医療費-842,000円)×1%
・所得:約770万円~1,160万円→限度額:167,400円+(総医療費-558,000円)×1%
・所得:約370万円~770万円→限度額:80,100円+(総医療費-267,000円)×1%
・所得:~約370万円→限度額:57,600円
・所得:住民税非課税世帯→限度額:35,400円(または24,600円)

[70歳以上の方の限度額(月額)]
・所得:現役並み所得(年収370万円以上)→限度額:約80,100円~252,600円
・所得:一般(年収約156万円~370万円)→限度額:18,000円(外来のみ)※年間上限14.4万円
・所得:低所得者Ⅱ(住民税非課税)→限度額;8,000円(外来)/24,600円(入院・合算)
・所得:低所得者Ⅰ(年金収入のみ等)→限度額:8,000円(外来)/15,000円(入院・合算)

【利用方法について】
①あとから払い戻し(申請制)
医療機関に一旦全額を支払い、後日申請して上限超過分の払い戻しを受ける方法。
・申請先:勤務先の健康保険組合、協会けんぽ、市区町村など
・申請期限:診療月の翌月から2年以内

②「限度額適用認定証」を提示
事前に申請し「認定証」を受け取ることで、窓口での支払いが限度額までに抑えられます。特に入院時に有効です。

[注意点]
・対象は保険診療のみ(自由診療、差額ベッド代、食事代などは対象外)
・同じ月内で複数の医療機関や家族分の医療費合算も条件付きで可能

【申請窓口について】
・会社員・公務員など:勤務先の健康保険組合や協会けんぽ

・自営業・無職の方:お住まいの市区町村の国民健康保険担当窓口

・75歳以上の方:市区町村の後期高齢者医療制度担当窓口

・医療機関での相談:医療ソーシャルワーカーや相談窓口での支援も可能

・マイナンバーカードの活用:健康保険証として利用している場合、原則として限度額認定証が不要となり、自己負担限度額が上限までに抑えられます(医療機関によって対応に差あり)

【高額療養費制度の見直し(2025年以降)】
[改正の背景]
日本の高額療養費制度は、医療費が高額になった際に患者の自己負担額を一定の上限までに抑える仕組みです。しかし、医療の高度化や高額な薬剤の普及、高齢化の進展により、制度の持続可能性が課題となっています。そのため、政府は制度の見直しを検討しています。

[改正案の内容(検討段階)]
厚生労働省は、2025年8月から段階的に自己負担額を引き上げる方針を示していました。具体的には所得区分ごとに自己負担限度額を引き上げ、70歳以上の外来特例の見直しも含まれていました。

[改正の見送り(現時点)]
しかし、患者団体や地方自治体からの強い反発を受け、政府は2025年8月からの見直しを見送ることに決定しました。今後2025年の秋までに方針を検討・決定する予定です。今後の動向に注意が必要です。
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