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2025.06.24
相談員ブログ

ターミナルケア(終末期ケア)について

【ターミナルケア(終末期ケア)とは】
ターミナルケアとは、病気により余命が限られた人や、認知症・老衰のなどで回復の見込みがない人が、人生の最終段階を自分らしく過ごし、満足のいく最期を迎えられるように支援する医療やケアのことです。
このケアでは、延命を目的とした治療よりも、身体的・精神的な苦痛や不快感を和らげること、そして残された時間の生活の質(QOL)を高めることが重視されます。
厚生労働省の「終末期医療に関するガイドライン」では、以下の3つの条件が終末期医療(ターミナルケア)の対象となる状態とされています。
1.医師が客観的な情報を基に、治療により病気の回復が期待できないと判断すること
2.患者が意識や判断力を失った場合を除き、患者・家族・医師・看護師などの関係者が納得すること
3.患者・家族・医師・看護師等の関係者が死を予測し、対応を考えること
この定義からもわかるように、ターミナルケアでは、医師の判断と本人・家族の理解のもとで、死を見据えた支援方針を検討・実行することが重要であると言えます。


【終末期ケアを開始する時期】
ターミナルケアを開始するという決断は、「延命治療を控える」という選択とも深く関わっており、非常にデリケートな問題です。
がんなどの病気の場合は、病状の進行や余命の予測、今後の治療にどの程度効果が期待できるかといった点を考慮し、医療チームや家族と相談したうえで開始のタイミングを判断します。
一方、認知症や老衰の場合は、明確な余命の予測が難しいことが多く、たとえば「寝たきりになり、介助しても食事がとれなくなった時期」などがターミナル期の目安とされることがあります。

【緩和ケア、看取りケア、ホスピスケアの違い】
終末期ケア(ターミナルケア)と混同されやすい言葉に、「緩和ケア」「看取りケア」「ホスピスケア」があります。これらはすべて、患者のQOL(生活の質)向上を目的としたケアですが、それぞれの位置づけや対象となる時期・内容には違いがあります。
以下に整理してご説明します。

[終末期ケア(ターミナルケア)]
・定義:病気や老衰が進行し、治療によって回復が望めない状態となったときに、人生の最終段階をその人らしく過ごせるよう支える支援です。
・主な対象:がん、認知症、老衰などで余命が限られた人。医師が「回復は困難」と判断した段階から対象になります。
・特徴:延命治療よりも、苦痛を和らげたり、生活の質を保ったリすることが重視されます。本人や家族との意思確認を大切にし、どのように最期を迎えたいかを考えながら支援します。
・開始時期:治療の効果が見込めなくなった時点から。余命が数か月と予測されるころに始まります。

[緩和ケア]
・定義:病気に伴う身体的な痛みや、心の不安・つらさをやわらげて、できるだけ穏やかに過ごせるようにする支援です。
・主な対象:がんなどの重い病気を持つ人。病気の初期から、治療中や終末期に至るまで、幅広く提供されます。
・特徴:治療と並行して行われ、病気の進行や治療の有無にかかわらず利用できます。痛みの緩和や心理的な支援、生活のサポートなどが含まれます。
・開始時期:病気の診断時から。終末期に限らず、早期から始められるのが特徴です。

[看取りケア]
・定義:死期が差し迫った段階で、最後の瞬間まで穏やかに迎えられる世に支える支援です。
・主な対象:死期が迫った末期の状態にある人。余命が数日から数週間と見込まれる段階が中心です。
・特徴:延命治療は行わず、苦痛の軽減や精神的な安らぎを重視します。本人の尊厳を守りながら、家族への支援も行われます。医療処置よりも、生活面の気持ちのケアが中心となることが多いです。
・開始時期:死が近いと判断された時点。最期の時間に焦点を当てたケアです。

[ホスピスケア]
・定義:死期が迫った人が、尊厳を保ちながら苦痛を和らげ、安らかに過ごすための包括的なケアです。
・主な対象:特にがん末期など、余命が数か月以内と診断された人。
・特徴:身体的な痛みだけではなく、精神的なつらさや人生の意味に関する悩みなど、さまざまな苦しみに対して全体的に寄り添う支援です。医師の看護師だけでなく、心理士や宗教者などが関わることもあります。ホスピス専門の施設や、在宅ホスピスの形で提供されます。
・開始時期:終末期に入った段階。延命治療は行わず、残された時間を穏やかに過ごすことを目的に始められます。

[それぞれの違いのポイント]
・緩和ケアは、治療中を含めた広い時期に提供される。
・終末期ケアは、回復が難しくなった段階から始まる。
・看取りケアは、最期の数日~数週間に特化した支援。
・ホスピスケアは、終末期の人に向けた包括的な支援で、特に専門施設などで提供されることが多い。

【終末期ケアの内容】
ターミナルケアは、次の3つの側面からの支援が提供されます。
[身体的ケア]
痛みや呼吸困難などの身体的苦痛を、薬剤や医療処置によって可能な限り軽減します。
食事が摂れなくなった際に、点滴や経管栄養などで人工的に栄養を摂取するかどうかも、重要な判断事項です。これには延命措置が含まれるため、本人や家族との十分な話し合いが必要です。

[精神的ケア]
死に向かう恐怖や不安に寄り添い、傾聴や会話を通じて心の支えとなる関わりを行います。
また、趣味を楽しむ時間や、家族・友人とのふれあいの時間を確保することも、心の安定や満足感を得るうえで有効です。
本人がリラックスできるように、照明、音、香りなどの環境調整も重要な要素です。

[社会的ケア]
介護や医療にかかる経済的負担を軽減する支援を行います。
公的保険制度や高額療養費制度、介護保険などを活用することで、自己負担の軽減が可能です。
また、家族の精神的・身体的な負担を減らすために、訪問看護・訪問介護・レスパイトケアなどの支援サービスの利用も支援が勧められます。

【終末期ケアを受ける場所】
ターミナルケアは、以下のような場所で受けることができます。それぞれに利点と課題があります。

[病院]
・メリット:医療スタッフが常駐しており、急変時に迅速な対応が可能。ご家族の不安や負担も軽減されやすい。
・デメリット:費用が高くなりやすく、面会時間の制限がある。患者が孤独感を抱くこともある。

[介護施設]
・メリット:24時間体制でのケアが受けられ、他の利用者との交流も期待できる。家族の身体的・精神的負担も軽減される。
・デメリット:医療的処置の範囲が限られる場合があり、容体の急変時には病院搬送が必要となることがある。費用が高額になる場合もある。

[自宅]
・メリット:家族や馴染みのある環境で過ごせるため、安心感があり、孤独や不安が軽減される。費用も比較的抑えられる傾向にある。
・デメリット:医療的対応や介護を家族が担うことが多く、身体的・精神的な負担が大きくなる。急変時の対応が遅れるリスクがある。
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