
2025.07.04
相談員ブログ
歩行器・歩行車について
【歩行器・歩行車とは】年齢を重ねるにつれて、体力の低下や足腰の衰えを感じる方が増えてきます。「歩いているとフラつく」「外出先で転ばないか不安」「杖では心もとない」といった声もよく聞かれます。
こうした不安をやわらげ、安全な歩行を支えてくれる福祉用具が「歩行器」や「歩行車」です。
これらは、両手で支えながら使用することで、体のバランスを保ち、安定した歩行を助けてくれる道具です。特に、転倒のリスクが高い方にとっては、心強い支援となります。
杖が「点」で支えるのに対し、歩行器・歩行車は「面」で支えるイメージで、体重を広く分散させることができるため、より高い安定性が得られます。
歩行器・歩行車を使用することで、以下のようなメリットがあります。
・転倒のリスクを減らせる
・歩行時の不安感が軽くなる
・外出や移動がしやすくなる
・リハビリや筋力維持にもつながる
歩くことは、生活の基本です。安心して移動できるようになることで、外出の機会が増え、気分も前向きになりやすくなります。
【歩行器の種類と特徴】
歩行器は、主に室内や施設内で使用され、両手でしっかり支えながらゆっくり歩くための道具です。以下のような種類があります。
[固定型歩行器(ピックアップ式・持ち上げ式)]
四脚で車輪がなく、最も安定性の高いタイプです。歩くたびに本体を持ち上げて移動します。
・用途:リハビリ中の方、歩行のバランスが非常に不安定な方
・特徴:転倒リスクが最も少なく、体重をしっかり預けられる
[交互型歩行器]
左右のフレームが独立して動く構造で、交互に動かすことで、自然な歩行を促します。
・用途:歩行リズムを整えたい方
・特徴:左右の動きに合わせてフレームが動くため、歩行訓練に適している
[キャスター付き歩行器(前輪付き)]
前脚に小さな車輪が付いており、持ち上げずに前へ進めます。
・用途:室内での日常的な移動を楽にしたい方
・特徴:後脚には滑り止めのゴムが付いており、移動のしやすさと安定性を両立している
【歩行車の種類と特徴】
歩行車は、歩行器よりも歩く速度がやや速く、屋外での使用も想定された製品が多く見られます。
[サークル型歩行車(馬蹄型)]
体を囲むようなリング状のフレームで、四方向から身体を支えます。
・用途:方向転換や姿勢保持が不安定な方
・特徴:構造がしっかりしており重さがあるため、主に病院や施設での使用される
[シルバーカー]
荷物を入れて移動できる手押し車の一種で、外出時に便利です。
・用途:近所への買い物や散歩をサポート
・特徴:荷物を収納でき、座面付きのタイプもあり、実用性が高い
【歩行器・歩行車を選ぶときのポイント】
[身体の状態を確認する]
筋力やバランス能力によって必要な安定性は異なります。歩行がかなり不安定な方には、「固定型歩行器」や「交互型歩行器」が適しています。ある程度自力で歩ける方には、シルバーカーの方が使いやすい場合があります。
[使用する場所を考える]
室内中心で使う場合は、小回りが利くコンパクトなタイプが便利です。屋外で使う場合は、段差や坂道に対応できるよう、ブレーキ付きや座面付きのシルバーカーなどが安心です。
[安全性と操作のしやすさ]
ブレーキは手の力に合ったものを選び、操作しやすい位置にあるかを確認しましょう。また、長時間使用しても手が疲れないか、安定して押せるかも大切なポイントです。
[収納性と持ち運びやすさ]
折りたたみ式のタイプは、収納や外出時の持ち運びに便利です。軽量であるかどうかにも注目しましょう。
[サイズや高さの調整機能]
身長に合った高さに調節できるかどうかも重要です。無理な姿勢で使うことになると、かえって疲労や転倒の原因になります。