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2025.08.05
相談員ブログ

PICC(ピック・末梢挿入式中心静脈カテーテル)について

PICC(ピック:Peripherally Inserted Central Catheter:末梢挿入式中心静脈カテーテル)は、上腕(多くは上腕皮静脈や尺側皮静脈など)から挿入し、その先端を心臓に近い中心静脈(上大静脈)に留置する細い医療用の管(カテーテル)です。通常の末梢静脈からの点滴に比べて、より長期間(数週間から数か月、場合によってはそれ以上)にわたり、点滴や薬剤の投与、採血などを安全かつ安定的に行うことができます。

【PICCを使うのはどんな時か】
PICCは、主に中長期間の静脈内治療が必要な場合に使用されます。
たとえば、
・数週間以上にわたる抗生物質治療(例:骨髄炎や内膜炎など)
・中心静脈栄養(TPN:Total Parenteral Nutrition)
・抗がん剤投与(血管刺激性が高い薬剤など)
・頻回の採血や注射が必要な場合
などに適しています。
また、腕の血管が細い、もろいといった理由で末梢静脈ルートの確保が困難な場合にも、有効な代替手段となります。

【PICCの主なメリット】
PICCには以下のような利点があります。
・長期間にわたり安定して使用でき、頻繁な針刺しが不要となる
・患者さんの疼痛や心理的ストレスが軽減される
・他の中心静脈カテーテル(鎖骨下や内頸静脈から挿入するタイプ)に比べて、挿入手技の合併症(気胸や動脈穿針など)が少ない
・適切な管理を行えば、在宅でも安全に使用可能であり、通院治療や在宅医療での活用にも適する。
・高浸透圧や血管刺激性の強い薬剤も安全に投与できる
・比較的自由な日常生活が可能で、生活の質(QOL)を保ちやすい
ただし、完全に感染リスクがないわけではなく、日々の管理が非常に重要です。

【高齢者がPICCをする場合】
高齢の方がPICCを使用する際には、以下のような点に配慮が必要です。
・高齢者は血管が細く脆弱なことが多く、挿入が難航することがあります。
・皮膚が薄く乾燥しやすいため、固定用テープやドレッシング剤による皮膚障害(スキントラブル)が起きやすくなります
・認知症や軽度認知障害のある方では、自己抜去や自己管理の困難が生じる場合があります。この場合、ご家族や介護者の理解とサポートが不可欠です。
・免疫力の低下や基礎疾患により、感染や静脈血栓症のリスクが上昇するため、慎重な適応判断と継続的な観察が必要です。

【日常生活での注意点】
PICCを挿入していても、基本的には普段通りの生活が可能です。ただし、以下の点に注意が必要です。
・入浴時はカテーテル挿入部を濡らさないように、防水カバーを使用し、シャワーにとどめるのが望ましい-湯船に浸かることは、感染リスクの観点から一般的に推奨されません。
・重いものを持ったり、腕に負担のかかる動作(例:腕立て伏せや激しい運動)は避けましょう
・衣服は、締め付けの強いものや、チューブに引っ掛っかかる恐れのある素材は避けるようにしてください
・最も重要なのはセルフケアと感染予防です
 -挿入部の清潔保持(毎日の観察と定期的な消毒)
 -医療者の指導に基づくドレッシング交換やカテーテル内のフラッシング(生理食塩水やヘパリンでの洗浄)
 -発熱、発赤、腫れ、痛み、分泌物など異常があれば、すぐに医療機関に相談する
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