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2025.10.20
相談員ブログ

甲状腺機能低下症について

甲状腺機能低下症は、体の代謝をコントロールする甲状腺ホルモンが不足することで、さまざまな不調が全身に現れる病気です。特に中高年の女性に多、年齢とともに発症リスクが高まります。ただし、症状が他の病気と似ているため、見過ごされることも少なくありません。

【甲状腺とその役割】
甲状腺は首の前面、喉仏の下にある小さな臓器で、ちょうど蝶のような形をしています。ここから分泌される甲状腺ホルモンは、体の新陳代謝を活発にし、エネルギーを生み出す重要な役割を担っています。体温の調整、心臓の拍動、消化活動、さらには皮膚や髪の健康など、生命維持に不可欠な活動を支えています。甲状腺機能低下症になると、このホルモンが十分に作られなくなるため、体の機能全体が鈍化します。

【主な症状】
甲状腺機能低下症の症状は、体の機能がゆっくりになるため、次のような症状が出やすくなります。
・疲れやすい、だるい(易疲労感):常に体が重く、十分な睡眠をとっても疲れが取れない感覚があります。
・寒がり:体内で熱が作られにくくなるため、周りの人よりも寒さを強く感じます。
・むくみ:顔や手足がむくみやすくなります。特にまぶたや顔が腫れぼったくなるのが特徴です。
・皮膚や髪の乾燥:肌がカサカサになり、髪の毛も乾燥したり、抜けやすくなったりします。
・便秘:腸の働きが鈍くなり、便秘になりがちです。
・声のかすれ:声帯のむくみにより、声が低くなったり、かすれたりすることがあります。
・脈拍が遅くなる:心臓の動きもゆっくりになり、脈が遅くなります。
・体重増加:代謝が低下するため、食事の量が変わらなくでも体重が増加することがあります。
・気力や意欲の低下:何事にもやる気が起きず、気分が落ち込みやすくなります。
これらは加齢や更年期、うつ病の症状と重なる部分が多く、診断が遅れることがあります。進行すると、認知症やうつ病に似た症状が出ることもあります。

【主な原因】
一番多い原因は、「橋本病」と呼ばれる自己免疫疾患です。これは、自分の免疫が誤って甲状腺を攻撃してしまい、徐々に働きが弱っていくものです。
その他にも、以下のような原因が考えられます。
・甲状腺の手術をしたあと
・放射線の治療を受けたあと
・脳の病気で、甲状腺を動かす指令が出なくなった場合

【診断方法】
血液検査で、甲状腺ホルモンと「TSH」と呼ばれる指令ホルモンの値を測ります。ホルモンが少なく、TSHが高いと、甲状腺がしっかり働いていないサインです。
症状がはっきりしない高齢の女性などでは、スクリーニング(病期の早期発見のための検査)が推奨されることもあります。

【治療方法】
治療の中心となるのは、甲状腺ホルモン補充療法です。不足している甲状腺ホルモンを薬で補うことで、体調を正常な状態に戻していきます。甲状腺ホルモンの薬は、体内で作られるホルモンとほぼ同じなので、副作用も少なく安全性が高いとされています。

【高齢者の注意点】
高齢の方では、典型的な症状が出にくいことがあり、
・倦怠感
・転びやすくなる
・物忘れが増える
・食欲がない
・関節の痛み
など、一見すると「年のせい」と思われがちな症状が中心になります。認知症やうつ病と間違われることも少なくありません、特に70歳以上の女性は、症状がなくても血液検査で見つかるケースが多いといわれています。治療は少量の薬から始め、体の様子を見ながら慎重に調整していきます。

【まとめ】
甲状腺機能低下症は、体の代謝に関わる大切な病気です。高齢者では「年齢のせい」と思ってしまうような症状の陰に隠れていることが多いため注意が必要です。
もし、最近疲れやすい・寒がりになった・むくみ・気分が落ち込む・物忘れが増えたなどと感じる場合には、甲状腺の病気も考えて医療機関に相談してみましょう。薬による治療で体調が改善するケースは多くあります。ただし、自己判断で薬の量を変えず、定期的な検査と医師の管理を続けることが大切です。



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