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2025.11.17
相談員ブログ

高齢者と甘いものの関係について

「年を取ると甘いものが好きになる」とよく言われます。若い頃はそれほど甘党ではなかった方が、高齢になってから和菓子や洋菓子を楽しむようになる例は少なくありません。こうした変化は、単なる嗜好の移り変わりだけでなく、加齢に伴う味覚機能の変化や心理的要因、生活環境の影響など、複数の要素が関係しています。

【味覚は加齢によって変わる】
私たちが味を感じるのは舌に存在する「味蕾(みらい)」の働きによるものですが、味蕾は年齢とともに数が減少し、感度も低下するといわれています。さらに、加齢に伴って唾液の分泌量が減ると、食べ物が舌に十分に広がらず、味を感じにくくなることもあります。
興味深いのは、味覚が一様に低下するわけではなく、味の種類によって影響が異なる点です。研究によると「甘味」は比較的保たれやすい一方で、「塩味」「酸味」「苦味」は低下しやすいとされています。そのため、薄味の食事を物足りなく感じ、感知しやすく残る甘味に引かれやすくなるなる傾向があります。

【心の安らぎとしての甘味】
甘いものを口にすると、脳内でセロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質が分泌され、気分の安定や幸福感の向上につながると考えられています。
高齢期は体調の変化や社会的つながりの減少、家族の喪失など、心の安定を揺さぶられる出来事が多い時期です。そのなかで甘い食べ物は、単なる栄養補給にとどまらず、安心感や癒しをもたらす存在として、日常生活に寄り添っています。

【食欲低下とエネルギー補給】
高齢者は基礎代謝や消化機能が低下し、食欲が落ちやすくなります。食事量が減ると必要なエネルギーや栄養が不足し、体力低下や低栄養状態を招くおそれがあります。
甘い食品は少量でも効率よくカロリーを摂取できるため、エネルギー補給の工夫として有効です。特にゼリーやプリンなど、柔らかく飲み込みやすい甘味は、高齢者施設でも間食や捕食として活用されています。くなる傾向があります。

【健康への影響と注意点】
一方で甘いものの摂り過ぎは糖尿病や肥満、虫歯のリスクを高めます。高齢者は筋肉量の減少により糖代謝が低下しやすく、、血糖コントロールが乱れやすいのも特徴です。
そのため重要なのは「量と質のバランス」です。果物や甘さ控えめの和菓子を選ぶ、食後に少量だけ楽しむなど、無理のない範囲で工夫することで、嗜好と健康の両立が可能になります。

【家族や介護現場での工夫】
家庭や施設で食事を支援する際には、甘さをうまく取り入れる工夫が役立ちます。煮物にほんのり甘みを加えると食べやすくなり、服薬後のゼリーは薬の苦味や不快感を和らげる助けになります。
食事が一日の大きな楽しみである高齢者にとって、甘いものは特別なおやつであると同時に、生活に張り合いを持たせる小さな喜びでもあります。

【まとめ】
高齢者が甘いものを好むようになる背景には、味覚の変化や口腔や身体機能の衰え、心理的な癒しの必要性、そして効率的なエネルギー補給といった要因があります。
ただし過剰摂取は健康リスクを高めるため、量を調整しながら上手に楽しむ工夫が欠かせません。甘いものは「嗜好品」であると同時に、「心と体を支える力」ともなり得る、高齢者の生活における大切な役割を担っているのです。
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