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2025.12.02
相談員ブログ

原発性胆汁性胆管炎について

【原発性胆汁性胆管炎とは】
原発性胆汁性胆管炎(PBC)は、主に中年以降の女性に多い、自己免疫が関わる慢性の肝臓の病気で、難病に指定されています。
肝臓の内部には、胆汁を運ぶための非常に細い胆管が張り巡らされています。この胆管が少しずつ壊れることで胆汁の流れが悪くなり、肝臓に負担がかかる病気です。

【胆汁と胆管の役割】
胆汁は肝臓で作られ、脂肪の消化を助ける黄緑色の消化液で、細い胆管を通って腸へ送り出されます。
原発性胆汁性胆管炎ではこの胆管が炎症によって傷つき、狭くなったり詰まりやすくなったりするため、胆汁が肝臓にとどまる「胆汁うっ滞」という状態が起こります。

【原因と体質】
原発性胆汁性胆管炎には「これが原因」と言い切れるものはなく、自己免疫の異常に加え、遺伝的な体質や環境要因(感染、化学物質との接触など)が重なって発症すると考えられています。
感染症のように人から人へうつる病気ではなく、生活上の接触で周囲の人に伝染することはありません。

【よくみられる症状】
初期には自覚症状がほとんどなく、健康診断の血液検査(ALP、γ-GTPなど)の上昇で見つかるケースが多いです。
進行してくると、全身の強いかゆみ、原因のはっきりしないだるさや疲れやすさ、皮膚や白目が黄色くなる黄疸などが現れることがあります。

【進行すると起こること】
胆汁うっ滞が長く続くと、肝臓の細胞が壊れて線維化が進み、最終的に肝硬変へ移行することがあります。
肝硬変の段階では、腹水、脚のむくみ、食道や胃の静脈瘤、さらには肝がんなど、肝硬変に特有の合併症にも注意が必要です。

【認知症との関係】
原発性胆汁性胆管炎そのものが、認知症を直接起こすわけではありませんが、病気が進行して肝硬変・肝不全になると、結果として「認知症のように見える症状」があらわれることがあります。

[肝性脳症としてあらわれる「認知症様症状」]
肝臓の働きが大きく低下すると、本来は肝臓で処理されるアンモニアなどの有害物質が血液中に増え、脳に影響を与えます。
これを「肝性脳症」と呼び、以下のような症状が見られるため、周囲からは認知症のように見えます。
・ぼんやりして傾眠傾向があり、話の反応が遅く、話がかみ合わない
・日付や場所、人を間違える(見当識障害)
・意識レベルが変動する、同じことを繰り返し聞く、急に物忘れが増える

[高齢者で意識したいポイント]
原発性胆汁性胆管炎は中高年以降の女性に多いため、もともとの加齢による物忘れや認知症のリスクと重なりやすい病気です。
そのため、もともと軽度の認知症がある方では肝性脳症が加わることで症状が強く出たり、肝性脳症だけでも「認知症が急に始まった」ように見える場合があります。

[早めの受診が大切な理由]
肝性脳症は、肝機能悪化、便秘・脱水・感染などの原因を治療・調整することで改善が期待できる「治療可能な認知症様症状」です。
「最近、急にぼんやりしている」「急に物忘れが増えた」「日によって意識の状態が極端に変動する」などの変化があれば、年齢のせいと決めつけず、原発性胆汁性胆管炎や肝機能の悪化を疑って早めに主治医へ相談することが重要です。

【診断に使われる検査】
血液検査では、胆道系酵素(ALP、γ-GTP)の上昇のほか、抗ミトコンドリア抗体(AMA)が高率に検出され、診断の重要な手がかりになります。
必要に応じて腹部超音波検査、CT、MRIなどの画像検査、あるいは肝生検(肝臓の一部を採取し顕微鏡で調べる検査)を行い、ほかの肝疾患との区別を行います。

【主な治療と生活上のポイント】
治療の中心は、胆汁の流れを改善して肝臓への負担を減らす薬を継続して内服することです。
症状に応じて、かゆみを抑える薬、骨粗鬆症やビタミン不足への対策などもあわせて行い、「病気の進行を抑えて生活の質を保つ」ことを目標にします。

【早期受診とフォローの重要性】
早い段階から消化器内科・肝臓専門医の診察とつながり、定期的な血液検査や画像検査で状態をチェックするで、進行を大きく抑えられる場合があります。
原因不明のかゆみやだるさ、黄疸が続く場合や、高齢者で物忘れや意識の変動があり、肝臓の数値が悪化している場合は、自己判断せず医療機関に相談することが大切です。
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