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2026.02.24
相談員ブログ

住宅型・サ高住と介護付きで「住民票」の扱いが違うのは何故か?

住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)への入居を検討する際、ある不思議な現象にぶつかることがあります。それは、「要介護の人は住民票を移しても問題ないのに、なぜ要支援の人は住民票の扱いで注意が必要なのか?」という疑問です。
この背景には、介護保険制度のルールである「住所地特例」と、要支援者が利用する「総合事業」という仕組みのズレが隠れています。

【介護保険を支える「住所地特例」というルール】
介護保険を運営しているのは、私たちが住んでいる各市町村・特別区(自治体)です。通常、別の自治体へ引っ越して住民票を移すと、介護保険の窓口も新しい自治体へと切り替わります。
しかし、老人ホームがたくさんある自治体にばかり高齢者が集まってしまうと、その自治体の介護予算がパンクしてしまいます。それを防ぐために、「特定の施設に入居して住民票を移した場合は、例外的に『引っ越し前の自治体』が引き続き保険の担当(保険者)になる」という特別なルールが作られました。これが「住所地特例」です。
現在、以下の施設がこの特例の対象となっています。
・介護老人福祉施設(地域密着型を除く)
・介護老人保健施設
・介護医療院
・有料老人ホーム(地域密着型を除く)
・軽費老人ホーム(ケアハウス)
・サービス付き高齢者向け住宅(特定施設入居者生活介護の指定を受けている施設及び、有料老人ホームに該当しうるサービス(介護、家事、食事又は健康管理)を提供し、かつ、利用権方式の契約形態をとる施設※地域密着型を除く)
・養護老人ホーム

【なぜ要支援者は「住民票を移す」必要があるのか】
ここで大きな疑問が浮かびます。「住宅型ホームやサ高住も住所地特例の対象なのに、なぜ要支援者は住民票を移すよう案内されることがあるのか」という点です。
その理由は、要支援1・2の方が利用する「介護予防・日常生活支援総合事業(以下、総合事業)」の性質にあります。
要介護1〜5の方が利用する「訪問介護」などのサービスは、全国どこでも共通の仕組みです。そのため、保険の窓口が「元の市区町村・特別区」のままでも、引っ越し先の街にある事業所のサービスを問題なく利用できます。
しかし、要支援の方が使う「総合事業(ヘルパーやデイサービスなど)」は、各自治体が独自の予算とルールで運営する、いわば「その自治体の住民のためのメニュー」なのです。そのため、多くの自治体では「うちの市区町村・特別区に住民票がある人」に対してのみサービスを提供しているのが実情です。

【住宅型・サ高住における判断の分かれ目】
住宅型ホームやサ高住に入居する際、介護度によって以下のような違いが生まれます。

[要介護1〜5の方の場合]
住所地特例が適用されるため、住民票を移しても保険の窓口は「元の市町村・特別区」のままです。引っ越し先の自治体にある訪問介護などのサービスを、元の自治体の保険を使ってスムーズに利用できます。

[要支援1・2の方の場合]
「住所地特例」のルールの通りだと、保険の担当は「元の市町村・特別区」のままになります。しかし、それでは新しい街のサービス(総合事業)が受けられないかもしれません。
この問題を解決するために、あえてこのルールを適用せず、「住民票を移すと同時に、保険の担当も新しい市町村・特別区に完全に切り替える」という調整が必要になるのです。

【施設ごとの考え方】
[介護付き有料老人ホームの場合]
施設自身が介護サービスをまとめて提供するため、要支援・要介護を問わず、住所地特例で住民票を移してもそのまま施設内のケアを受けられます。

[住宅型有料老人ホーム / サ高住の場合]
外部の介護サービス(ヘルパーなど)を個別に契約して利用する仕組みです。特に要支援者の場合は、引っ越し先の自治体が提供するサービスが使えるかどうか、ケアマネジャーや自治体との事前の調整が欠かせません。

【入居前に確認すべきこと】
「住所地特例の対象施設かどうか」を確認するだけでなく、「今の要支援の状態で入居した場合、どこの自治体のサービスを、どのような手続きで利用することになるのか」を施設の担当者に確認することが非常に重要です。

あらかじめ確認しておくことで、入居した後に「必要なサービスが受けられない」といったトラブルを未然に防ぐことができます。
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