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2026.04.13
相談員ブログ

【別表7・8について第5回】ホスピス型住宅と訪問看護の制度を活かして「自分らしい時」を選ぶために

【「もう家では無理」と諦める前に】
在宅医療や介護の世界には、介護保険の限度額という「枠」を超えて、医療の力で暮らしを支える仕組みが整っています。
在宅介護を続けていると、ご本人の状態が悪化するたびに「やはり入院や転院を考えなければならないのか」という不安が頭をよぎるものです。しかし、そこで立ち止まって確認していただきたいのが、この連載で紹介してきた制度の数々です。 特定の病名や症状がある場合に、訪問看護が医療保険で適用される仕組みを知っているだけで、「住み慣れた場所で過ごす」という選択肢を最後まで手放さずに済む可能性があるからです。

【制度を最大限に活用した「ホスピス型老人ホーム」】
こうした医療保険による手厚い看護体制を、施設という形で具現化し、近年注目を集めているのが「ホスピス型老人ホーム(住宅)」です。これまでは「家で看るか、病院で看るか」の二択になりがちでしたが、その中間的な役割を担う新しい住まいの形として急速に普及しています。

ホスピス型住宅の仕組みは非常に合理的です。基本的にはサービス付き高齢者向け住宅や住宅型有料老人ホームの形態をとりますが、最大の特徴は「別表7」や「別表8」に該当する方を専門的に受け入れている点です。

入居者は医療保険の仕組みを使って、手厚い訪問看護を受けられます。
施設に併設または連携する訪問看護ステーションと主治医の指示のもとで、医療保険による訪問看護を組み合わせることで、施設にいながら病院に近い看護体制を整えることができ、介護保険の枠は介護や生活支援に活用しやすくなります。
(※家賃などの施設利用料と、医療・介護保険の自己負担分はそれぞれ発生します)

【特別訪問看護指示書が「終了」するとき】
さて、ここで一つ重要なポイントがあります。第4回で解説した「特別訪問看護指示書」は、あくまで一時的な「集中的なケア」のための仕組みです。この指示書には原則として14日間という期限があります。では、この期間が終了した後はどうなるのでしょうか。

まず、14日間が経過し、症状が落ち着いたと医師が判断した場合には、訪問看護は通常の運用へと移行します。多くの場合は再び「介護保険」の枠組みでの利用に戻りますが、状態や該当要件によっては、そのまま医療保険での訪問看護が継続されることもあり、一律に介護保険へ切り替わるわけではありません。
これがいわゆる「終了」のタイミングです。しかし、中には「14日が過ぎてもまだ不安がある」と感じる方もいらっしゃるでしょう。
もし、14日間の集中的なケアを経てもなお、別表8に該当するような重篤な状態が続いている場合には、医師の判断により月に2回まで特別訪問看護指示書を発行することが可能です。これにより、最大で計28日間の集中的なケアを受けることができます。
ただし、この対応はあくまでその時点での状態が継続して該当している場合に限られたものであり、常に繰り返し利用できる仕組みではありません。状態の変化に応じて、その都度医師が必要性を判断することが前提となります。

【切り替えのタイミングで見直すべきこと】
特別指示書が終了し、医療保険から介護保険へと戻るタイミングは、ケアプランを再考する大切な時期でもあります。「この2週間の頻回な訪問で、本人の状態はどう変わったか」「家族だけで行えるケアはどこまでか」を、看護師やケアマネジャーと振り返ります。

指示書の期間中に看護師から指導を受けたことで、ご家族の不安が解消されていれば、訪問回数を元の設定に戻しても生活は維持できるでしょう。逆に、やはり週に数回の訪問では不足だと判断されれば、介護保険の枠を調整して訪問看護の回数を組み直すことになります。
また、状態によっては医療保険での訪問看護の継続可否を含めて、主治医や訪問看護ステーションと再評価していくことも重要です。
必要に応じて、「場所そのものを変える」選択肢を検討するのも、このタイミングです。

【相談することで、家族の時間を守る】
「うちの状況でも切り替えられるのか」と迷われたら、まずはケアマネジャーや訪問看護師へ具体的に問いかけてみてください。制度を賢く使うことは、ご家族が「看病」の重荷から解放され、本来の「家族」としての時間を取り戻すための良い手段です。

専門職をチームに招き入れ、医療保険の仕組みを味方につける。そして、自宅・施設・ホスピス型住宅といった「場所の選択肢」を視野に入れながら、その人らしい最期のあり方を一緒に考えていくことが大切です。その一歩が、どのような状態になっても自分らしく過ごしたいという願いを支える確かな力となります。
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