2018.08.22
介護ニュース
“仕事付き”高齢者住宅、拡大へ
介護付有料老人ホームで暮らす高齢者でも、仕事をして報酬を得ることが可能に――こうした新たなモデルを確立しようという試みが昨年度からスタートしていますが、今年度も引き続き経済産業省の補助事業の対象となることが決定。さらに拡大して展開される見込みであることがわかりました。昨年度からスタート、となっているこの試みですが、じつはそのずっと前から取り組みを続けている事業所がいくつかあり、当サイト内の「取材レポート」コーナーでもその1つを取り上げています。(「働いて報酬を得るデイサービス『DAYS BLG!』(NPO法人町田氏つながりの間)」2016年5月21日掲載)
「伸こう福祉会」が運営する介護付有料老人ホームでは、入居者のうち要支援から要介護3までの希望者が参加し、施設内にある保育園のサポートや野菜の栽培などの軽作業を、あくまでも“有償の仕事”として担ってもらうプロジェクトを進めています。
野菜の栽培には東レ建設の「トレファーム」という高床式の農業ベッドや砂の培地を使用するなど、作業にあたる人の負担を配慮。車椅子に乗ったままでも対応できます。生産した野菜を高齢者がスーパーへ持って行き、販売まで行うそうです。昨年度は神奈川県内にある1施設のみの試行でしたが、今年度は県内の3施設へと増やし、軽作業のバリエーションも広げていくといいます。
「カゴメ」でも、これまでの実績・経験を活かし、介護や健康、野菜に関するセミナープログラムの開発を手掛けるなど、仕事を新たに開拓するという観点からコミット。在宅の高齢者や地域住民を集められるコンテンツをつくり、ゆくゆくは高齢者が講師の職を担う計画で、地域住民への啓発も兼ねた一石二鳥の効果を狙います。
“働く”ことは、お金のためばかりではなく、“生きがい”や“やりがい”を求めるという一面もあります。高齢者にとっては、“働く”ことで社会とのつながりを持ち、自分の居場所をつくる、といった“生きがい・やりがい”を得られますし、仕事を通じてコミュニケーションの頻度が増えるなど、さまざまなメリットがあります。これからもこうした取り組みはどんどん拡大・展開していってほしいものです。