2019.01.15
介護ニュース
厚労省、高齢者のフレイル防止策の強化に向け、介護保険法など関連法の改正案提出へ
高齢者の「フレイル」対策が今、大きな関心を集めています。と、言われても、「フレイル」って何? と思った方、多いですよね。私もなんのことやらさっぱりだったので、慌てて調べてみると(ネットで検索しただけだけど)、公益財団法人長寿科学振興財団のホームページ「健康長寿ネット」にこう書いてありました。フレイルとは、体がストレスに弱くなっている状態のことを指しますが、早く介入すれば元に戻る可能性があります。高齢者のフレイルは、生活の質を落とすだけでなく、さまざまな合併症を引き起こす危険があります。(中略)厚生労働省研究班の報告書では、「加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能等)が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態であるが、一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態像」とされており、健康な状態と日常生活でサポートが必要な介護状態の中間を意味します。多くの方は、フレイルを経て要介護状態へ進むと考えられていますが、高齢者においては特にフレイルが発症しやすいことがわかっています。
ちょっと小難しいですが、まあ、要するに、健康と要介護の中間の状態、ということですね。体が少し弱ってきているんだけど、早めに何かしらの対策をとれば、要介護にまでなるのは防げるのではないか、と思われる状態のことを、「フレイル」と、呼んでいるようです。
その「フレイル」に関するニュースをひとつ。厚労省では、高齢者の「フレイル」を防ぐための対策の強化に向け、介護保険法や高齢者医療確保法など関連法の改正案を、今年の通常国会に提出する意向であることを明らかにしました。昨9日、根本匠厚労相が、「フレイル」防止の取り組みを積極的に進めている西東京市の視察後、表明しました。
法改正の主眼は、介護保険法の介護予防と医療保険の保健事業の一体的な実施。制度間の縦割りで別々に実施されている現状を改め、より効率的なスキームへつくり変える狙いで、順調にいけば2020年度にも本格展開がスタートする、といいます。
例えば、市町村の地域支援事業で開催されている高齢者サロンなどの「通いの場」では、後期高齢者医療制度の保険者や国が費用を出し、保健師や栄養士、歯科衛生士、リハ職などの専門職を配置。乏しかった医療の視点に基づく支援を充実させる構想を描いています。また、関連データの共有・分析や課題の把握・整理をスマート化するため、保険者間でより柔軟に情報連携ができる環境も整備するなど、「通いの場」の高機能化を図ります。
「健康寿命をいかに伸ばすか。フレイル対策はそのカギを握る」と、根本厚労相は視察後に強調し、「新たなモデルを全国に広げていきたい。法改正でも体制づくりをしっかりと促進する」と述べています。
昨年は最も重要度の高いポリシーの1つに「健康寿命の延伸」を明確に位置付けた厚労省。今夏には、これから注力していく施策を詰め込んだ「健康寿命延伸プラン」を新たに策定する計画だそうです。
世界に冠たる長寿国・ニッポンですが、ただ長生きするのではなく、“健康で長生き”することが大切なのは言うまでもありません。そこで「健康寿命を伸ばすためのカギを握るとされる「フレイル」対策の強化。その取り組みに注目です。