1. 老人ホーム相談プラザトップ
  2. お知らせ
  3. 神奈川県、ケアプラン点検にAI(人工知能)活用
2019.09.09
介護ニュース

神奈川県、ケアプラン点検にAI(人工知能)活用

 介護業界でも最近、作業の効率化などを図るため、AI(人工知能)を活用、といった情報をよく耳にします。当お探し介護ニュースでも何度か取り上げていますが、今回もその1つ。神奈川県では、保険者によるケアプラン点検にAIを活用する試みをはじめました。

 これは厚生労働省から交付金を受けた、「介護現場の革新」に向けたパイロット事業の一環として実施されるもの。ケアプランの点検に必要な専門知識が十分でない市町村の職員が少なくない中、そうした状況をAIで補おう、という試みで、ケアマネージャーにも新たな“気付き”の機会としてもらい、有識者の参画も得て、更なるレベルアップ、資質の底上げにつなげていく狙い。

厚労省は、ここからどんな知見を得られるか詳しく検証したうえで、効果的な取り組みを全国に横展開する計画。自治体がこの分野でAIを用いる動きが全国に広がる可能性もある、といいます。

 すでに参加するケアマネも決定しており、神奈川県によると、秦野市の居宅介護支援事業所で働く約100人が協力する、とのこと。使用するのは「CDI Platform MAIA」という、セントケア・ホールディングスやツクイなどが共同で出資する株式会社シーディーアイが開発したAI。その特徴は、自立支援・重度化防止の視点を特に重視して設計された点にあり、利用者の状態をブラウザで入力すると、類似する過去の利用者の状態が改善された際のデータなどに基づき、望ましいサービスの種類、頻度、組み合わせが3パターン示されます。あわせて。そのプランを採用すると、約1年後に利用者のADL、IADLがどう変わっているか、といった将来予測も提示。ケアマネはこれをベースに、利用者の希望や家族のニーズ、暮らす環境、経済状況といった様々な要素を総合的に勘案し、最適なプランを練り上げていくことができます。

 こうした機能を、ケアプラン点検で活かせないか、というのが神奈川県の試みで、たとえば、ケアマネが一から作成したプランと、「MAIA」のプランの将来予測を比較し、その違いを見出したうえで、自立支援・重度化防止に資するケアプランのあり方を議論してもらうなど、市町村の担当者とケアマネの双方について、不足している支店の補完に結びつける構想です。

 この夏から実際にケース検討会を開始し、今後、ケアマネ1人あたり10件のプランを取り上げていく予定。神奈川県は年内にも有識者による検証、成果の抽出まで漕ぎ着けたいと考えており、その後、補完市町村との情報共有や国への報告を行うそうです。そのうち、ケアプランもAIが作成する時代が到来するかもしれませんね。

  1. 老人ホーム相談プラザトップ
  2. お知らせ
  3. 神奈川県、ケアプラン点検にAI(人工知能)活用
お気軽に相談員にお尋ねください