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2015.05.12
介護ニュース

認知症の疑いがある女性宅火災1人死亡、社会問題が浮き彫りに

昨日午前9時頃、横浜市港北区のアパートから出火し、同建物約200平方メートルが全焼しました。2階の焼け跡から同室に住む女性(60)とみられる遺体が見つかりました。119番を受けた横浜市消防局が火災通報だと認識できずに消防車の出動が14分遅れ、同日市消防局が記者会見で事実説明を行いました。

横浜市消防局が火災に気付いたのは近隣住民たちからの通報があり、消防車が出動しましたが到着した頃にはアパートの2階全体に火が回った状態だったそうです。

近隣の方々のお話ですと、認知症か精神疾患を患っている可能性があったということです。ニュースでは「高齢者」の独居女性と言っていましたが、まだ60歳ということもあり日本の統計調査が定義する高齢者は65歳以上のため統計調査上ではまだ高齢者ではないかと思います。ちなみに前期高齢者は65-74歳、後期高齢者は75歳以上の人をさします。なぜ、私がこの年齢をフォーカスするかと言うと、今回の問題を解決するために横浜市消防局では対策を考えるかと思いますが、ニュースなどでは「高齢者の独居女性」と繰り返し言っていましたが、60歳という年齢からも違和感を覚えます。だから、対策を考えると言っても、これまで私がシニアマーケティングの専門家として仕事をしてきましたが、60歳も70歳も、80歳も高齢者としてひとくくりに捉えてマーケティングや様々な対策をすると必ずと言っていいほど失敗します。なぜなら、仮に60歳と80歳であれば20歳の年齢差があります。20歳ですよ。自分に置き換えて考えてみてください。30歳の人と50歳の人が同じ行動しますか?しかも、男性も女性も価値観も趣味嗜好、生活環境も社会的環境も全部ごちゃまぜで「高齢者対策」をしても本質を見誤ると失敗します。

今回の問題点をお探し介護の相談員が整理しますと、大きく3つの問題があると思います。
(1)火災通報と認識できなかった横浜市消防局のミス
(2)認知症、精神疾患のある方への対応
(3)モラルのない救急車要請(いたずら、タクシー代わりなど)

(1)に関しては、対応策を考える必要がありますが、じゃ、Wチェックをトリプルにすれば解決されるのか、Wチェック後に細かい承認などを入れるかと言えばそうではないと思います。これまでの業務改善の経験上では、ただ手間が増えるだけで、少し期間があけば、また同じ問題が生じる可能性があります。また、テレビのコメンテーターの方が「スマートフォンなどで通報の仕組みを」と言っていましたが、これは私に言わせると「?」です。そもそも、今回の問題とは本質は異なると思います。なぜなら、(2)が前提(意志疎通が難しい人)であり、スマホを使える人を今回の対策課題に入れてしまうと本質がずれてきてしまうからです。

(2)は、私の考えですが(1)とも深く関係してきますが「地域連携・情報共有」ではないかと思います。近所の方が取材で答えているように皆さん「異常」には気づいています。約5年半で救急要請が143件、うち搬送が38件ですよ。救急要請は1年で26回、月2回・・2週間に1度は通報があることになります。また搬送が約5年半で38件ということは、2ヶ月に1度は搬送されていることになります。「(消防)救急車は必要ですか?」「(本人)いらない」と言われれば、相手の背景(認知症や精神疾患)を知らなければ当然相手の言うことを信じざるを得ないかと思います。実は横浜市では2014年にも認知症男性(83)が行方不明になり、東京で消防や警察が接触しているものの、相手の受け答えがしっかりしていることから保護はせず、その後この男性が亡くなっていたそうです。また、1字だけ違う氏名を答えたそうです。私はこの問題と課題は同じだと思っています。地域連携・情報共有をする仕組みが必用なのではないかと思います。介護に情報共有、チームケア(連携)は必須です。

例えば、一定期間に一定回数の救急要請や要請後の「やっぱりいい」があった場合は消防から地域包括支援センター(横浜市は中学校区に1つあるケアプラザ)に連絡して連携するなども必要だったかと思います。(しているかもしれませんが)緊急時に消防が本人と電話をしていて異常があれば、隣近所の方や民生委員、町内会に連絡して確認してもらうという方法もあるかと思いますが、現在の日本の社会での定着には時間がかかると思いますが、近所の力は絶大だと思います。

(3)は、横浜市が平成26年10月には発表した資料によると平成25年は26万6068件と過去最高を記録しているそうです。平成24年は24万3289件で何と1年で約10パーセントも増加していることになります。また、いたずらや間違い、風邪などの症状でタクシー代わりに救急車を要請する人も多いそうで、実際、私たちが老人ホームに入居を希望する方と病院で面談をすることが多くあり、病院の職員の方々とも良く話をします。事務方のお話によると救急車で来た方が「風邪」「指にトゲが刺さった」「薬をもらいに」など私たちからは考えられないようなことが現場ではおきているそうです。ここはもう課金ではないでしょうか。そして、ガイドラインを使ってレントゲン、血液検査、注射や点滴、手術などをした場合は料金をとらないなど、啓もう活動などで改善できなければこのような仕組みを作るほかないのかと思います。

老人ホームへの入居を考える方で多い相談が認知症です。独居の場合ですとやはり火事や包丁、徘徊などが心配でご家族が老人ホームの入居を選択するというケースがたくさんあります。火事が心配であれば、まずIHなどに変えるという方法もあります。ホームセンターなどで二口IHコンロは1万円程度でも販売されています。やはり、火事になると近隣などにも大きな影響をもたらしますので、心配な方は早めに対策をするのが良いかと思います。

最後に、今後認知症は驚くスピードで日本の超高齢化社会に影響をもたらします。恐らく、認知症の方による傷害などの事件や交通事故も増えると思います。まず、救急と火災の区別という部分では、今後10年20年で考えるのであれば、そもそも消防と救急を同じ電話番号の119番にせず、バラバラにしてオペレーターの人的ミスを導入時に軽減させるなどの方法をとった方が良いかと思います。何より仕組みが必用なのではないかと思います。
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