2020.10.30
介護ニュース
介護職員の平均給与、加算所得で32.5万円 1.8万円の処遇改善 厚生省調査より
介護職員の深刻な人手不足の解消に向けた国の施策の柱が、昨年10月に新設された「特定処遇改善加算」です。原則として月8万円以上の賃上げとなる人を設定する、などのルールがあり、勤続10年以上の介護福祉士など、経験・技能のあるリーダー級の介護職員の賃上げを優先させる決まりですが、事業者が実情に応じて柔軟に配分することも認められています。この「特定処遇改善加算」を取得している事業所で、月給・常勤で働く介護職員の今年2月の平均給与が、昨年2月と比べて1万8120円上がり、32万5550円であったことが、厚生労働省が30日に公表した介護職員の処遇の動向を把握する調査の最新結果でわかりました。
これを勤続10年以上の介護福祉士に限ってみると、今年2月の平均給与は昨年2月と比べて2万740円上がり、36万6900円。「特定処遇改善加算」の事業所ベースの所得率は、今年2月が59.2%、直近の4月が64.3%となっています。
また、「特定処遇改善加算」を配分した職員の範囲は、「経験・技能のある介護職員」が94.4%、「他の介護職員」が85.4%、「その他の職種(相談員、看護職、事務職、ケアマネなど)」が60.0%だったことが調査結果により明らかとなっています。
賃上げの具体的な実施方法では、「手当の引き上げ・新設」が54.0%で最多。「定期昇給」が51.4%、「賞与の引き上げ・新設」が25.9%、「給与表の改定」が18.6%でした。
逆に、「特定処遇改善加算」を取得しておらず、従来の処遇改善加算の「Ⅲ」以上を取得している事業所の介護職員の平均は、27万8760円だった昨年2月と比べて9120円上がり、28万7880円。「特定処遇改善加算」を取得していない理由では、「職種間の賃金バランスが取れなくなる」38.8%、「事務が猥雑」38.2%などが挙がっています。
要するに、「特定処遇改善加算」を取得しなくても平均給与は上がっているものの、やはり「特定処遇改善加算」を取得している事業所の方が上昇幅は大きい、ということが判明した、というわけですね。事業所の経営者の皆さんはこの結果についてどうお考えでしょうか?